31話~
俺はすぐさま偽に鈴を渡した。
と言うより、押し付けた。
「わぁお、どしたの?」
「…そんな大事な物、貰えるかよ」
「大事?」
偽は不思議そうに、首を傾げる。
「俺、思い出したんだ。
この鈴、さっき見たイメージの中で、
お前のぉぼぼぼぼ」
頬を掴まれ、伸ばされた。
最後まで聞けよ人の話。
「どんだけぇ♪」
「どんらけぇだねえよ!
(訳:どんだけぇじゃねえよ)」
思い切り伸ばされて手を離された。
ほっぺ痛い。
「いいからいいから! 貰って!」
「…でも」
「男に二言は無し!」
「俺貰うって言ってねぇし」
「じゃあ…その鈴を貰ってくれないかな? かな?」
「…それは命令か?」
「んーん、提案」
「………」
なんか何処かで聞いた事があるワードが、
今の会話で幾つか飛び交った気が。
「あれ、『なら乗った!』は無し?」
「…何が元ネタなんだよソレ?」
「男は気合い! 気合いでガンメンは」
「はあ?」
…ああ、
早く寝たい。