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31話~





シュピンッ

何かが飛んだ。
直後、違和感に気付く。

「……!!?」

まさか、と思いつつも、ゆっくりと、
“左腕”の存在を確かめる。





無い。
左の肩から下が無くなっている。

そう理解した直後、

「ぐぅゔあ゙ぁア゙ァぁあァあ゙!!!」
耐えがたい痛みが襲う。
傷口をぎゅううと掴む。
それでも尚、血は滴り落ちていく。

白い部屋がますます、赤く染まっていく。



「痛いでしょ?」
「!!」

はっと顔を上げる。
その先には、






殺した筈の、偽が立っていた。
傷一つ無い、偽が。
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