31話~
「…さて、フォアっち、少しお喋りしない?」
「その前にコレ外せよ」
「んーん、ダメ。俺は敵だから。
…それより、お前って探してるヤツとか、いる?」
直後、フォーアの動きが止まった。
「…お前、知ってるのか?フィーアを…」
「おや、探してるの?」
「俺の、弟だ。
…探してるんだ、昨日の朝から、いなくなったから…」
「へぇ。」
『兄さん』
「!? フィーアっ!?」
探している、弟の声が聞こえた。
しかし、どんなに辺りを見渡しても見えるのは偽とフレイだけ。
「こんなカンジの声だったよね?確か」
そう言って偽がくくっ、と笑う。
が、その声は明らかにフィーアの物。
「…お前がフィーア…な、ワケ、ないよな…?」
「当たり前だろう?弟さんの目ン玉はキレイな赤紫だったはずだ」
「! なんでそれも知ってるんだ!?」
「そりゃあ、」
偽の声が元に戻る。
「俺が殺したんだもん。そのフィーアを」
フォーアの目が見開かれた。