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31話~

そしてあっと言う間に日は落ち、夜になった。
屋敷は寝静まり、明かり一つ点いていない。
無論、メンバーは1人も起きていない。

…メンバーは。


「そろそろ帰り時かな…?」
屋敷の屋根の上に、座って月を見上げる人物。
右手に巨大な鎌を持つ、スマデラメンバーの1人にそっくりな、
偽マリオ。

「これで大丈夫…だよね?影だけでも、助けられるんだよね…?」
昼の時とは全く違い、小さな声で寂しそうに喋る。

「………ッ!?」




ガギィン!
突然上空から何者かが襲い掛かって来た。
偽はその攻撃を鎌で受け止め、突き放すと後ろに下がる。

「貴様、コピーのNo.01か?」

襲い掛かって来た相手、
その相手も、スマデラメンバーの1人に似ている。

「てか、お前誰よ?いきなり襲われて不快度満点なんだけど」
「貴様がNo.01なら、教える必要は無い。今直ぐに、死んでもらう」
「事情がどうだか知らないけども、俺はフォーアみたいなコピーじゃない。もっと出来損ないの物だ」
すると相手が手を下ろす。
それを見て偽もその場に座った。
相手は偽に歩み寄り、目の前にしゃがむ。

「人違いか。ならば貴様はオリジナルのマリオか?」
「バ~カ!マリオがこんな物騒なモン持つわけないだろぉ?」
そう言い、相手に鎌を見せる。
相手は一瞬たじろぐが、再び口を開いた。

「…そうか…ならば、貴様は何者だ?」
「質問しか言えない訳ぇ?ちょっとは俺にも質問させてよ~」
「……今思い付く質問は、「貴様は何者か」のみだ。これに答えたら今度は貴様からの質問を聞く」
「随ッ分と態度がでかいのね~。じゃあ答えてあげる!1回しか言わないから耳かっぽじって聞いてね!俺の名前は偽マリオ!そんだけ!じゃあ今度は俺からの質問!」

相手は答えに少し不満そうだったが、わかった、と頷く。

「お前の名前、一応何のコピーか、そして目的。それが聞きたい」




数十秒、相手は黙り込む。




「…わかった。俺はNo.51、No.02のバックアップデータ、メタルルイージのデータを掛け合わせて造られた、リンクのコピーだ。名前はイア」
「…あら~、フィーアとメタルイのデータなのに、何でリンクが出来ちゃうのかねぇ。メタルイって誰だっけぇ」
「製造者の意図など知らない。それより今は質問の続きだ。
 目的は、No.01を殺し、データを持ち帰りに来た、それが質問の答えだ」
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