26話~30話

多少不安を感じつつも、ルイージは寮の出入口までやってきた。
冷えた夜風が身に染みる。
「…誰も、いないんだけど…」
とはいえ目も完全に覚めてしまったので、少し庭を回ってみる事にする。




「…え……!?」
歩き始めて5分もしない所で、思わぬ事に出くわしてしまった。

「フォーアさんっ!!」
うつ伏せに倒れているフォーアを発見した。
しかし、その姿は血で塗れている。
背には何本ものナイフ、体中には切り傷や刺し傷。
出血もひどく、ぴくりとも動かない。
「な…何でフォーアさんが此処に…?!」
彼は普段シルクの元に居るはず。
何故此処に、そして何故こんなに傷だらけなのか。
幾つもの疑問が浮かぶが…

「(とりあえず今は命を優先!!)」
と、フォーアを担いで寮の中へと走っていった。









「……シナリオは同じ…なんだよね、どちらにしろ」
異次元から通じるワープホールを閉じ、偽が月を見上げて呟いた。
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