26話~30話
バキリ。
「…!!」
マスターソードが、折られた。
しかも、素手でだ。
『…キヒィ…♪』
偽が笑ったその直後、背中に激痛が走った。
それと同時に突き飛ばされ、壁に体が押しつけられる。
だが体が動かない訳でもなく、指や手足は動く。
「弱いねぇ、剣士さん。」
背後から偽の声が聞こえる。
振り向こうにも頭が動かず、壁に頬を擦り付けるだけだ。
「どう?拘束された気分は」
偽が視界に入ってくる。
右手にはナイフ、左手には赤い三日月型の何かを持っている。
「今剣士さんを捕まえてるのはコレ。
コレを首やいろんな個所につけてるんだよねぇ」
と、左手に持っている物を見せ付けた。
「…貴方は、何が目的なのです?」
冷静に、相手にそう問う。
「今更ぁ?」
「答えたくなければ答えなくても――」
「誰が答えないって言ったんだよぉ。
俺の目的は大して無いね。つーか、もう目的完了してるしぃ。」
そう言うとリンクの首にナイフの切っ先を当て、
「バイバァイ、剣士さん。」
「……!」