この夢小説は、もし乙女ゲームだったらという設定なので、名前変換をすると100倍楽しめます。名前は、〇〇〇・トワイラスの〇の部分が変わります。
四章、すれ違いの巡り合わせ
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「…………う…………」
目が覚めた時、アンヌは既に治療室にいた。彼女はその瞬間、治療室にいることよりも目の前にいる人物の存在に驚きを隠せなかった。
「大丈夫!?気がついた!?」
「…アソーカ……?アソーカ!どうしてここに?」
わかれた時と、角の大きさ以外は何も変わっていない彼女が笑う。冷えきった戦場に身を投じていたせいか、懐かしい笑顔に思わずアンヌは涙した。
「わっ………なんで泣くのよ」
「だって……もう1度あなたに会えるなんて……フォースの導きにしても、びっくりだわ」
アソーカは人生で初めて、共和国軍師が泣いている姿を目にした。いや、ひょっとすると今だけは、普通の女の子アンヌなのかも知れないが。
涙を拭っていつのも彼女に戻ると、アソーカはここにきた経緯を話し始めた。これまた数奇なことで、事の発端はアンヌがジオノーシス攻略を提唱したのがきっかけだったのだ。戦力が足りない中、アナキンがジェダイではないが、1番信頼出来るやつだと推薦したという。
「そうだったんだ………」
アンヌはアナキンも師匠となってから随分成長したなと感心した。それを思うと、まだ1度も誰かの師となったことのない自分は依然として力不足であり、未熟であることを思い知らされた。
こんな自分が軍師になっても良かったのだろうか。久しぶりにそんなことを考えながら、アンヌは治療室を後にして司令室へ向かった。既に501大隊のキャプテン・レックスが待っていたらしく、到着するやいなや相変わらず堅苦しい敬礼で彼女を迎えた。
「ご無事で何よりです、ブレイン様」
「ありがとう、レックス。共に乗っていたグリーヴァスとドゥークーはどうしたのですか」
レックスはしてやったりの笑顔を浮かべてホログラムを投影した。そこにはスタンカフで厳重に拘束されている哀れなサイボーグと、相変わらずエレガントで鼻持ちならない佇まいのドゥークーが並んで映っている。アンヌはそのシュールな図に思わず吹き出しそうになるのをこらえて、レックスに向き直った。
「それで、どうすれば?」
すると、司令室に珍しい人物がやって来た。
「────尋問を頼む、ブレイン」
「マスター・ウィンドウ!?」
アンヌはメイス・ウィンドウを見るやいなや立ち上がると、彼たっての頼みに驚きを隠すことが出来なかった。
「評議会のメンバーにお頼みにならないの?」
だが彼女はすぐには請け負わない。便利屋扱い────特にジェダイ評議会は───されては困るからだ。メイスもそのことは重々承知の上だった。
………やれやれ。
彼はまたいつもの値踏みが始まったとみると、小声でアンヌに耳打ちした。彼女はすぐにさも満足げな顔をすると、そのまま尋問室へ向かった。残されたレックスたちはいったい何が起こったのか全くわからぬまま口をただぽかんとあけて突っ立っていた。メイスは片眉を釣り上げると、呆れたとでも言わんばかりにため息をついてただ一言漏らした。
「…………最新の小型電子端末が欲しいとは……全く」
それを聞いた一同はようやく、なぜアンヌの快い承諾を得られたのかを悟った。そして、やはり軍師は敏いと痛感するのだった。
尋問室へは、ブレイン立っての願いでグリーヴァスとドゥークーが別々に通されることとなった。グリーヴァスはたかだか19の小娘に出し抜かれ、捕えられたことに対して怒り心頭だった。
「あの小娘め………!!必ずひねり潰してやる!!」
彼は憎悪のこもった機械音で叫ぶと、また咳き込んだ。
「全く……一体いつになったら治るんだね、その咳は」
ドゥークーはやれやれといった顔で彼の顔を見た。
「紫のブレードを持ったジェダイにやられたのです!早く治していただきたい」
「"修理する"の間違いではないのかね?」
グリーヴァスは気を悪くしたのか、それきり何も言わなくなった。
程なくして、グリーヴァスはアンヌとの尋問に連れ出された。恐ろしいことに、つい先程インヴィジブル・ハンドで見た小娘程度の彼女が、グリーヴァスには今更になって不気味に感じられた。
────落ち着きが異常だ。
アンヌはポシェットからポケット版デジャリックを取り出すと、グリーヴァスに対戦するように促した。
「………尋問ではないのか?」
「どうせあなたは口を割らない。ならば無駄なことはやめましょう。思考がまともな相手とこれがしたかったの」
そう言って笑うアンヌの顔は、また彼を驚かせた。先程の落ち着きはすっかり失われており、むしろ今度は年相応の表情と口調だ。更に別の意味で不気味さを覚えたグリーヴァスはただならぬ人物であることを悟り、ひとまず誘導に乗り、デジャリックを始めることにした。
尋問の一環だと思っていたゲームが本当に彼女の望みだと気づいたグリーヴァスは、ますますブレインという人物が分からなくなってきていた。
「………尋問の一環ではないのか?」
彼がそう尋ねると、アンヌはまた無邪気な笑顔で答えた。
「いいえ、違うわ。今はただお互いにこれを楽しむのよ?」
だがそう言った彼女は駒を進めて、次の瞬間「チェックメイト」
と微笑むのだった。
1度も勝てないグリーヴァスは8戦目にしてイラつき始めていた。
「…………何故だ」
「さあ、なぜかしら」
────ブレインは強い。だが、何故だ?何故私は勝てない!?
グリーヴァスはついに痺れを切らすと、怒りで我を忘れて、彼女に飛びかかった。しかし、伸ばした手はアンヌの元へは届かなかった。グリーヴァスは何か壁にぶつかったような感触を覚えた。見上げると、涼し気な表情をする少女がやはり立ちはだかっている。彼女の言いようのない圧に耐えきれず、彼は席に戻ろうとした。だが、身体が動かない。そこでようやく彼は、この小娘程度のジェダイがただ棒立ちした状態でとてつもなく強いフォースを放って自分を止めていることを知った。
「…………何者だ、貴様」
グリーヴァスとアンヌはしばし、見つめあった。だがそれは決してその間にはロマンもなにも存在しない。お互いの腹の中の探り合いだけが、その空間と空気を支配していた。いよいよ緊張が最高潮に達した時、まるでこの時を図っていたかのように彼女は口を開いた。
「────私の名前はアンヌ。アンヌ・トワイラス。でも、人は皆私をこう呼ぶわ。」
グリーヴァスは次の言葉を待った。そして、アンヌは先程とは違い、海の底に沈んで行きそうな低く恐ろしい声で付け足した。
「─────ブレイン・オブ・ザ・リパブリック、と。」
これがグリーヴァスとアンヌが互いに1参謀として認め合った瞬間だった。なぜならグリーヴァスは、彼女が部屋から出るまでの間、1度もフォースのせいで動くことが出来なかったからだった。
あの女、一体誰だ。
グリーヴァスは牢に戻されてからもずっとそんなことを考えていた。
そんな様子を高みの見物と楽しんでいるドゥークーは、密かに微笑んだ。
…………フェイト・アルター計画が上手くいっているようだな。
彼は窓もない牢から外を眺めるように遠くをぼんやりと見つめて、ぽつんとこぼした。
「これは………先が楽しみだよ、ブレイン───いや、アンヌ」
………その名を呼ぶのに、何故か少しの人情を込めて。
「グリーヴァス………」
アンヌは彼の顔とデータが取り揃えられているデータパットを眺めながら虚ろに呟いた。あの戦いの最中に、ふっと彼女の脳裏に姿を見せた冷たい金色の爬虫類の瞳。哀しげで、そしてどこか静かな怒りをたたえていたあの瞳は、確かにグリーヴァスのものだった。だが、彼女はそれ以外の人物でその瞳を知っている。そう思う、というようなヤワな感覚ではなく、それは確かなものだった。
「………けど、一体誰………?」
考えれば考えれるほど深みに陥るような気がして、結局彼女は考えることをやめた。
────その予感が、銀河の運命を変える最初のきっかけとなることを、彼女はまだ知らなかった。
目が覚めた時、アンヌは既に治療室にいた。彼女はその瞬間、治療室にいることよりも目の前にいる人物の存在に驚きを隠せなかった。
「大丈夫!?気がついた!?」
「…アソーカ……?アソーカ!どうしてここに?」
わかれた時と、角の大きさ以外は何も変わっていない彼女が笑う。冷えきった戦場に身を投じていたせいか、懐かしい笑顔に思わずアンヌは涙した。
「わっ………なんで泣くのよ」
「だって……もう1度あなたに会えるなんて……フォースの導きにしても、びっくりだわ」
アソーカは人生で初めて、共和国軍師が泣いている姿を目にした。いや、ひょっとすると今だけは、普通の女の子アンヌなのかも知れないが。
涙を拭っていつのも彼女に戻ると、アソーカはここにきた経緯を話し始めた。これまた数奇なことで、事の発端はアンヌがジオノーシス攻略を提唱したのがきっかけだったのだ。戦力が足りない中、アナキンがジェダイではないが、1番信頼出来るやつだと推薦したという。
「そうだったんだ………」
アンヌはアナキンも師匠となってから随分成長したなと感心した。それを思うと、まだ1度も誰かの師となったことのない自分は依然として力不足であり、未熟であることを思い知らされた。
こんな自分が軍師になっても良かったのだろうか。久しぶりにそんなことを考えながら、アンヌは治療室を後にして司令室へ向かった。既に501大隊のキャプテン・レックスが待っていたらしく、到着するやいなや相変わらず堅苦しい敬礼で彼女を迎えた。
「ご無事で何よりです、ブレイン様」
「ありがとう、レックス。共に乗っていたグリーヴァスとドゥークーはどうしたのですか」
レックスはしてやったりの笑顔を浮かべてホログラムを投影した。そこにはスタンカフで厳重に拘束されている哀れなサイボーグと、相変わらずエレガントで鼻持ちならない佇まいのドゥークーが並んで映っている。アンヌはそのシュールな図に思わず吹き出しそうになるのをこらえて、レックスに向き直った。
「それで、どうすれば?」
すると、司令室に珍しい人物がやって来た。
「────尋問を頼む、ブレイン」
「マスター・ウィンドウ!?」
アンヌはメイス・ウィンドウを見るやいなや立ち上がると、彼たっての頼みに驚きを隠すことが出来なかった。
「評議会のメンバーにお頼みにならないの?」
だが彼女はすぐには請け負わない。便利屋扱い────特にジェダイ評議会は───されては困るからだ。メイスもそのことは重々承知の上だった。
………やれやれ。
彼はまたいつもの値踏みが始まったとみると、小声でアンヌに耳打ちした。彼女はすぐにさも満足げな顔をすると、そのまま尋問室へ向かった。残されたレックスたちはいったい何が起こったのか全くわからぬまま口をただぽかんとあけて突っ立っていた。メイスは片眉を釣り上げると、呆れたとでも言わんばかりにため息をついてただ一言漏らした。
「…………最新の小型電子端末が欲しいとは……全く」
それを聞いた一同はようやく、なぜアンヌの快い承諾を得られたのかを悟った。そして、やはり軍師は敏いと痛感するのだった。
尋問室へは、ブレイン立っての願いでグリーヴァスとドゥークーが別々に通されることとなった。グリーヴァスはたかだか19の小娘に出し抜かれ、捕えられたことに対して怒り心頭だった。
「あの小娘め………!!必ずひねり潰してやる!!」
彼は憎悪のこもった機械音で叫ぶと、また咳き込んだ。
「全く……一体いつになったら治るんだね、その咳は」
ドゥークーはやれやれといった顔で彼の顔を見た。
「紫のブレードを持ったジェダイにやられたのです!早く治していただきたい」
「"修理する"の間違いではないのかね?」
グリーヴァスは気を悪くしたのか、それきり何も言わなくなった。
程なくして、グリーヴァスはアンヌとの尋問に連れ出された。恐ろしいことに、つい先程インヴィジブル・ハンドで見た小娘程度の彼女が、グリーヴァスには今更になって不気味に感じられた。
────落ち着きが異常だ。
アンヌはポシェットからポケット版デジャリックを取り出すと、グリーヴァスに対戦するように促した。
「………尋問ではないのか?」
「どうせあなたは口を割らない。ならば無駄なことはやめましょう。思考がまともな相手とこれがしたかったの」
そう言って笑うアンヌの顔は、また彼を驚かせた。先程の落ち着きはすっかり失われており、むしろ今度は年相応の表情と口調だ。更に別の意味で不気味さを覚えたグリーヴァスはただならぬ人物であることを悟り、ひとまず誘導に乗り、デジャリックを始めることにした。
尋問の一環だと思っていたゲームが本当に彼女の望みだと気づいたグリーヴァスは、ますますブレインという人物が分からなくなってきていた。
「………尋問の一環ではないのか?」
彼がそう尋ねると、アンヌはまた無邪気な笑顔で答えた。
「いいえ、違うわ。今はただお互いにこれを楽しむのよ?」
だがそう言った彼女は駒を進めて、次の瞬間「チェックメイト」
と微笑むのだった。
1度も勝てないグリーヴァスは8戦目にしてイラつき始めていた。
「…………何故だ」
「さあ、なぜかしら」
────ブレインは強い。だが、何故だ?何故私は勝てない!?
グリーヴァスはついに痺れを切らすと、怒りで我を忘れて、彼女に飛びかかった。しかし、伸ばした手はアンヌの元へは届かなかった。グリーヴァスは何か壁にぶつかったような感触を覚えた。見上げると、涼し気な表情をする少女がやはり立ちはだかっている。彼女の言いようのない圧に耐えきれず、彼は席に戻ろうとした。だが、身体が動かない。そこでようやく彼は、この小娘程度のジェダイがただ棒立ちした状態でとてつもなく強いフォースを放って自分を止めていることを知った。
「…………何者だ、貴様」
グリーヴァスとアンヌはしばし、見つめあった。だがそれは決してその間にはロマンもなにも存在しない。お互いの腹の中の探り合いだけが、その空間と空気を支配していた。いよいよ緊張が最高潮に達した時、まるでこの時を図っていたかのように彼女は口を開いた。
「────私の名前はアンヌ。アンヌ・トワイラス。でも、人は皆私をこう呼ぶわ。」
グリーヴァスは次の言葉を待った。そして、アンヌは先程とは違い、海の底に沈んで行きそうな低く恐ろしい声で付け足した。
「─────ブレイン・オブ・ザ・リパブリック、と。」
これがグリーヴァスとアンヌが互いに1参謀として認め合った瞬間だった。なぜならグリーヴァスは、彼女が部屋から出るまでの間、1度もフォースのせいで動くことが出来なかったからだった。
あの女、一体誰だ。
グリーヴァスは牢に戻されてからもずっとそんなことを考えていた。
そんな様子を高みの見物と楽しんでいるドゥークーは、密かに微笑んだ。
…………フェイト・アルター計画が上手くいっているようだな。
彼は窓もない牢から外を眺めるように遠くをぼんやりと見つめて、ぽつんとこぼした。
「これは………先が楽しみだよ、ブレイン───いや、アンヌ」
………その名を呼ぶのに、何故か少しの人情を込めて。
「グリーヴァス………」
アンヌは彼の顔とデータが取り揃えられているデータパットを眺めながら虚ろに呟いた。あの戦いの最中に、ふっと彼女の脳裏に姿を見せた冷たい金色の爬虫類の瞳。哀しげで、そしてどこか静かな怒りをたたえていたあの瞳は、確かにグリーヴァスのものだった。だが、彼女はそれ以外の人物でその瞳を知っている。そう思う、というようなヤワな感覚ではなく、それは確かなものだった。
「………けど、一体誰………?」
考えれば考えれるほど深みに陥るような気がして、結局彼女は考えることをやめた。
────その予感が、銀河の運命を変える最初のきっかけとなることを、彼女はまだ知らなかった。