この夢小説は、もし乙女ゲームだったらという設定なので、名前変換をすると100倍楽しめます。名前は、〇〇〇・トワイラスの〇の部分が変わります。
3、凍てつくクローネスト
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アンヌは葛藤した。このまま放っておけば、マンダロアが帝国の支配から逃れる機会が確実に訪れるだろう。その代わり、ガーは死ぬ。
思い出が、走馬灯のように脳裏を駆け巡った。
初めて会った日のこと。初めて笑いかけてくれた日のこと。初めて背を預けて戦った日のこと。そして、初めて恋に落ちたことを自覚した日のこと。
彼女が17年前にマンダロアで過ごした時間はたったの3か月間だった。それでも、どんな時間よりも大切で暖かく、何にも代えがたい時間だった。そして思い出にはいつも、彼がいた。どんな時も、傍に居てくれた。例え帝国に与した背信者であったとしても、共に過ごしたあの日々の価値が変わることは無い。
ガーがサビーヌに、そしてウルサがガーに銃口を向けるのは瞬きの間だった。
そして、無情な銃声が雪原に響く。次に聞こえてくる音は、誰かの身体が氷原に倒れる音────のはずだった。
ウルサとガーは、自分の手の中からブラスターが消えていることに気づいた。それから直ぐに、二人は自分の武器がどこへ行ったのかを確かめるために辺りを見回した。
だが、その必要は無かった。両手に消えたはずのブラスターを持つアンヌが、バルコニーから華麗に回転しながら降り立ったからだ。彼女は宙に2丁のブラスターを舞わせると、唖然とするサビーヌから引き寄せたダークセイバーを起動させて真っ二つに切り結んだ。
そして、ついに焼き切られた延焼の痛みに耐えきれずガーが気絶した。開いた口が塞がらない一同に向き直らずにアンヌが向かった先は、傷口に手を宛がって苦悶の表情を浮かべる総督のもとだった。彼女はゆっくりとしゃがみ込むと、傷口に手を優しく当てて目を閉じた。
「じっとしていて。直ぐに痛みから解放されるから」
その言葉通り、焼き切られた部分の鈍い痛みが徐々に和らいでいく。アンヌの手が離れると、そこにはもう痛々しい傷口は存在しなかった。傷が跡形もなく消えたことを確認すると、彼女は立ち上がって仲間たちに帰還するよう促した。
「行こう。きっともうすぐマンダロアから応援部隊が来る」
「ええ。でも、どこに行けば……」
サビーヌの問いに、アンヌはガーから背を向けて答えた。
「もちろん、セレノーよ。あそこにはアソーカもいるし、しばらくは安全だと思う。それに、帝国には穿つ手立てをきちんと残してある」
「手立て……?」
多くを答えようとしないまま、アンヌは船へと戻っていってしまった。残されたエズラやウルサたちも、これ以上クローネストへ長居は出来ないと悟り、セレノー行きの準備へと取りかかるのだった。
思い出が、走馬灯のように脳裏を駆け巡った。
初めて会った日のこと。初めて笑いかけてくれた日のこと。初めて背を預けて戦った日のこと。そして、初めて恋に落ちたことを自覚した日のこと。
彼女が17年前にマンダロアで過ごした時間はたったの3か月間だった。それでも、どんな時間よりも大切で暖かく、何にも代えがたい時間だった。そして思い出にはいつも、彼がいた。どんな時も、傍に居てくれた。例え帝国に与した背信者であったとしても、共に過ごしたあの日々の価値が変わることは無い。
ガーがサビーヌに、そしてウルサがガーに銃口を向けるのは瞬きの間だった。
そして、無情な銃声が雪原に響く。次に聞こえてくる音は、誰かの身体が氷原に倒れる音────のはずだった。
ウルサとガーは、自分の手の中からブラスターが消えていることに気づいた。それから直ぐに、二人は自分の武器がどこへ行ったのかを確かめるために辺りを見回した。
だが、その必要は無かった。両手に消えたはずのブラスターを持つアンヌが、バルコニーから華麗に回転しながら降り立ったからだ。彼女は宙に2丁のブラスターを舞わせると、唖然とするサビーヌから引き寄せたダークセイバーを起動させて真っ二つに切り結んだ。
そして、ついに焼き切られた延焼の痛みに耐えきれずガーが気絶した。開いた口が塞がらない一同に向き直らずにアンヌが向かった先は、傷口に手を宛がって苦悶の表情を浮かべる総督のもとだった。彼女はゆっくりとしゃがみ込むと、傷口に手を優しく当てて目を閉じた。
「じっとしていて。直ぐに痛みから解放されるから」
その言葉通り、焼き切られた部分の鈍い痛みが徐々に和らいでいく。アンヌの手が離れると、そこにはもう痛々しい傷口は存在しなかった。傷が跡形もなく消えたことを確認すると、彼女は立ち上がって仲間たちに帰還するよう促した。
「行こう。きっともうすぐマンダロアから応援部隊が来る」
「ええ。でも、どこに行けば……」
サビーヌの問いに、アンヌはガーから背を向けて答えた。
「もちろん、セレノーよ。あそこにはアソーカもいるし、しばらくは安全だと思う。それに、帝国には穿つ手立てをきちんと残してある」
「手立て……?」
多くを答えようとしないまま、アンヌは船へと戻っていってしまった。残されたエズラやウルサたちも、これ以上クローネストへ長居は出来ないと悟り、セレノー行きの準備へと取りかかるのだった。