この夢小説は、もし乙女ゲームだったらという設定なので、名前変換をすると100倍楽しめます。名前は、〇〇〇・トワイラスの〇の部分が変わります。
カラス夢主お題1
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今日は特別警戒につき夜勤だった。アンヌは初めてではなかったが、いつもなら一緒に夜勤を楽しむはずの事務局2人組が今日は先に帰ってしまっていたため、いつもよりさびしい時間だった。彼女が気分転換に飲み物でも淹れようと席を立ったと同時に隣のオフィスから上司のエージェント・カラスが入ってきた。
「エージェント・カラス!まだ残っていらしたんですか?」
「ああ…まあ、そんなところだ」
アンヌに素直に尋ねられ、カラスは彼女が夜勤だったから首尾よく二人っきりで仕事ができるから…などとは口が裂けても言えなかった。しかしお互い暇をもてあそんでいるのは事実だ。すると、アンヌが何かを閃いて机の中からありえないものを出してきた。
「あったあった!この前チュアと遊んでそのままになってました」
「…なんだそれは」
カラスは自分の目を疑った。目の前で相変わらず愛おしい副官がトランプのケースを持って嬉しそうに立ってこちらを見ている。彼は確信した。
…さては私と一緒にトランプがしたいとみたが、どうかな??
驚きより喜びが先行するところが恋の恐ろしさだと彼はつくづく思った。彼はデスクに表示されている時計を確認すると、不敵な笑みでアンヌの誘いを承諾した。
シュッ、シュッ、バラバラバラ…
おそらく日中からこんな音が品行方正なカラスのオフィスから聞こえてきたならば、だれもが心配しただろうが、今は夜勤中なので気に掛けることもない。カラスは帝国アカデミー時代にモテたい一心でトランプ芸をジェイドに教わっていたことを思い出した。
まさか、こんなところで役立つとは…人生わからんな
器用にカードが混ざっていく様をアンヌは無邪気な瞳で追っていた。カラスの自尊心が調子に乗る。
「これくらい造作もないことだ。」
「やっぱりあなたはなんでもおできになるんですね!」
造作もない、というのは真っ赤なウソだった。ここもう10年以上はやっていなかったので、実は何度も手を滑らせそうになり、そのたびに失敗しないかと焦っていたのだ。
しばらくしてカードも混ぜすぎといってもいいほどに混ざっていたし、カラス自身も腕が疲れてきて集中力の限界に差し掛かっていたので、ようやくゲームを始める空気となった。
「…さて、どうする?」
「えーと…無難で出動がすぐにできて、いつでも再開できるのがいいですね」
「ならば、ババ抜き、か」
カラスがババを探そうとすると、同じく夜勤のリステが彼を呼んだので、仕方なくカラスはアンヌに配っておいてくれと一言頼むと、仕事へいった。
「まったく、そんなくだらないことで私を呼ぶな!私の彼女との貴重な時間を…ああ…」
呼び出しにいらだつカラスはオフィスまで戻ると深呼吸し、部屋に入った。すでにアンヌがわくわくした表情で飲み物まで二人分用意してカードを配り終わった状態で待っていた。
「では、はじめるとするか」
「はい!」
こうして二人のババ抜きが始まった。はらはらしつつも、お互い最後のターンとなった。
「うーん…どれにしましょうか…」
眉間にしわを寄せて考えるアンヌがかわいくてカラスは思わず微笑んでしまった。
「別に、引いてくれてもいいんだぞ?」
「そんなぁ、失敗したら負けちゃうじゃないですか!」
そして、とうとう心を決めたアンヌがカラスの持ち手から一枚引いた。
結果は、次の一手で絶対に彼女が上がりだった。
「終わりです、私の勝ちですね。うふふ」
「…。」
不本意そうな顔をしたカラスが彼女の最後の一枚を取って彼女は勝った。
しかし、カラスも持ち札がなくなった。おかしな事態だ。
二人は何の盛り上がりもないまま首をかしげた。気になったカラスが最初にペアを作って抜いたカードの山からジョーカーを探した。
すると、きちんとジョーカーが二枚手札から捨てられているではないか。カラスは唖然とした。
「…どういうことなんだ?」
カラスがそのことに気づいてようやくアンヌは自分が配った時のことを思い出した。
「私、ちゃんと配って…あ!!!」
「なんだ」
「抜くの、忘れてました。」
カラスはずっこけた。普段のしっかり者のイメージの副官からは考えられない失敗だった。しかもお互い気付かずに他のカードと重なった状態で捨ててしまうとは…
しょげるアンヌに彼はやさしくこういった。
「…もう一度、やるか?」
その言葉に目を輝かせたアンヌはおおきくうなずくと、カードを集め始めた。
このまま、夜が明けなければいいのに。
カラスはそんな願望に駆られていたこの日の夜勤でのひと時を決して忘れないだろうと感じながら、再びカードをシャッフルし始めた。
「エージェント・カラス!まだ残っていらしたんですか?」
「ああ…まあ、そんなところだ」
アンヌに素直に尋ねられ、カラスは彼女が夜勤だったから首尾よく二人っきりで仕事ができるから…などとは口が裂けても言えなかった。しかしお互い暇をもてあそんでいるのは事実だ。すると、アンヌが何かを閃いて机の中からありえないものを出してきた。
「あったあった!この前チュアと遊んでそのままになってました」
「…なんだそれは」
カラスは自分の目を疑った。目の前で相変わらず愛おしい副官がトランプのケースを持って嬉しそうに立ってこちらを見ている。彼は確信した。
…さては私と一緒にトランプがしたいとみたが、どうかな??
驚きより喜びが先行するところが恋の恐ろしさだと彼はつくづく思った。彼はデスクに表示されている時計を確認すると、不敵な笑みでアンヌの誘いを承諾した。
シュッ、シュッ、バラバラバラ…
おそらく日中からこんな音が品行方正なカラスのオフィスから聞こえてきたならば、だれもが心配しただろうが、今は夜勤中なので気に掛けることもない。カラスは帝国アカデミー時代にモテたい一心でトランプ芸をジェイドに教わっていたことを思い出した。
まさか、こんなところで役立つとは…人生わからんな
器用にカードが混ざっていく様をアンヌは無邪気な瞳で追っていた。カラスの自尊心が調子に乗る。
「これくらい造作もないことだ。」
「やっぱりあなたはなんでもおできになるんですね!」
造作もない、というのは真っ赤なウソだった。ここもう10年以上はやっていなかったので、実は何度も手を滑らせそうになり、そのたびに失敗しないかと焦っていたのだ。
しばらくしてカードも混ぜすぎといってもいいほどに混ざっていたし、カラス自身も腕が疲れてきて集中力の限界に差し掛かっていたので、ようやくゲームを始める空気となった。
「…さて、どうする?」
「えーと…無難で出動がすぐにできて、いつでも再開できるのがいいですね」
「ならば、ババ抜き、か」
カラスがババを探そうとすると、同じく夜勤のリステが彼を呼んだので、仕方なくカラスはアンヌに配っておいてくれと一言頼むと、仕事へいった。
「まったく、そんなくだらないことで私を呼ぶな!私の彼女との貴重な時間を…ああ…」
呼び出しにいらだつカラスはオフィスまで戻ると深呼吸し、部屋に入った。すでにアンヌがわくわくした表情で飲み物まで二人分用意してカードを配り終わった状態で待っていた。
「では、はじめるとするか」
「はい!」
こうして二人のババ抜きが始まった。はらはらしつつも、お互い最後のターンとなった。
「うーん…どれにしましょうか…」
眉間にしわを寄せて考えるアンヌがかわいくてカラスは思わず微笑んでしまった。
「別に、引いてくれてもいいんだぞ?」
「そんなぁ、失敗したら負けちゃうじゃないですか!」
そして、とうとう心を決めたアンヌがカラスの持ち手から一枚引いた。
結果は、次の一手で絶対に彼女が上がりだった。
「終わりです、私の勝ちですね。うふふ」
「…。」
不本意そうな顔をしたカラスが彼女の最後の一枚を取って彼女は勝った。
しかし、カラスも持ち札がなくなった。おかしな事態だ。
二人は何の盛り上がりもないまま首をかしげた。気になったカラスが最初にペアを作って抜いたカードの山からジョーカーを探した。
すると、きちんとジョーカーが二枚手札から捨てられているではないか。カラスは唖然とした。
「…どういうことなんだ?」
カラスがそのことに気づいてようやくアンヌは自分が配った時のことを思い出した。
「私、ちゃんと配って…あ!!!」
「なんだ」
「抜くの、忘れてました。」
カラスはずっこけた。普段のしっかり者のイメージの副官からは考えられない失敗だった。しかもお互い気付かずに他のカードと重なった状態で捨ててしまうとは…
しょげるアンヌに彼はやさしくこういった。
「…もう一度、やるか?」
その言葉に目を輝かせたアンヌはおおきくうなずくと、カードを集め始めた。
このまま、夜が明けなければいいのに。
カラスはそんな願望に駆られていたこの日の夜勤でのひと時を決して忘れないだろうと感じながら、再びカードをシャッフルし始めた。
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