この夢小説は、もし乙女ゲームだったらという設定なので、名前変換をすると100倍楽しめます。名前は、〇〇〇・トワイラスの〇の部分が変わります。
一章、運命の出会い
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12歳のパダワン(弟子)のアナキン・スカイウォーカーと彼の若きマスター(師匠)であるオビ=ワン・ケノービは、任務を終えて聖堂へ戻るために宇宙船を操縦しながら宇宙をさまよっていた。アナキンは退屈そうに足を組みながら、地図に示された座標を先ほどから一点に見つめている。忍耐力が常の課題である彼を横目で見ながら、オビ=ワンはため息をついた。
「そんなに見ていたら、モニターに穴が空いてしまうぞ?」
オビ=ワンはそう笑いながらこの若きパダワンに言った。不機嫌なパダワンは、むすっとして目をようやくモニターから離した。
「だってマスター、まだまだ先ですよ?ハイパースペースに入ってからもう何時間たったと思っているんですか?」
アナキンの主張も最もだった。もう何時間も座りっぱなしで、同じ景色にも飽き飽きしているのも事実だからだ。しかし、そんなことを師が認めるはずはない。アナキンもそのことを重々理解していた。すぐに笑われ、忍耐を学べと言われるのがオチだとわかっていた彼は、その後は何も言わず黙っていた。
これが二人の日常で、いつも通りの沈黙が船内に広がる。だが、今日は違った。突如船内に、不吉な破裂音とけたたましい警報音が鳴り響いたのだ。冷静なオビ=ワンも流石に驚いている。寝耳に水の出来事に、アナキンは操縦パネルを覗き込みながら叫んだ。
「マ、マスター、い、一体何事ですか!?」
「私にもわからない。一度見てみよう」
オビ=ワンは軽い気分で赤く光る警告モニターに目をやった。するとそこには、なんと『燃料タンク破損。残量わずか』と表示されていた。これにはさすがのオビ=ワンも焦った。この広大な宇宙で立ち往生しては、堪ったものではない。報告に遅れるどころか、ヘタをすればこの弟子とともに二度とコルサントへ帰れなくなってしまう。オビ=ワンはすぐさま針路を近くの惑星に変更した。
「急遽針路を変更する。近くの惑星で、修理と燃料補給を終えてからコルサントに帰還する。評議会には私が伝えておく」
アナキンはため息をついて、弟子心にこう思った。
――――嫌な予感がする。
検索結果によると、最寄りの惑星はタリアスという小規模な生命活動を営む惑星だった。すぐにオビ=ワンが着陸に取り掛かったので、なんとか燃料残量が0になるという最悪の事態は免れた。だが、ここからが問題だった。発着ベイから人里まではかなりの距離があるにも関わらず、徒歩で向かうしか手段が無いのだ。もちろん二人は空腹であったし、何より疲れ果てていた。そして、最初の頃は不満を言う余裕があったアナキンさえも、しまいには一言も発さずにただ黙って歩く羽目になった。
そして歩くこと約3時間。ようやく町らしき場所へ辿り着いた頃には、すでに日は傾き始めていた。二人は閑散とした街並みを唖然と眺めながら、同時にこう言った。
「「よし、レストランを探そう」」
二人は顔を見合わせて、目を丸くした。そして今日初めて意見が一致したことに、ささやかな喜びを覚えるのだった。
その日は2人の若きジェダイにとっては最悪の1日だったが、1人の少女にとってはいつもと変わらない1日だった。
アンヌ・トワイラスは、凛とした横顔に美しいレッドブラウンをなびかせながら、屋根裏の自室にある窓から外へ出た。今年で9歳になった少女は、町で唯一の本屋の主人であるトワイラス夫婦の養女だ。天気の良い日は家の手伝いを済ませた後に、屋根の上で読書をするのが彼女の日課だった。どうして屋根の上かというと、緑豊かで平凡な景色が好きだからだ。それに、彼女はこの惑星が大好きだった。しかし、彼女は生まれも育ちもこのタリアスではなかった。何故なら物心も付かない頃に、家族は訳あって知り合いのトワイラス夫妻の元に自分を預けたからだ。しかし理由をアンヌが教えてもらったことは、ただの一度もなかった。その代わり、毎年誕生日に実の両親に送るためのビデオレターは録画している。だが、勘の鋭い彼女はそのビデオが両親の元へ届けられたことが無いことを知っていた。そして現実の過酷さを分かっていても、アンヌは毎年どんな話をしようかと考えてしまう自分が嫌いだった。
だが、聡明な少女にはただ一つ願っていることがあった。自分の養夫婦が困ることを知っているから決して口に出しては言わないが、アンヌはいつか銀河の隅々を冒険したいと密かに思っていた。そして、そんな現実から最も遠い夢という言葉が相応しい願いを振り切るために、彼女はこうして毎日あらゆる本を読むのだ。
「あーあ……私も広い銀河を見てみたいなぁ………」
虚しいことに、考えれば考えるほど外の世界への憧れは強くなり、同時に今の自分の境遇を痛感した。やり場のない夢の行き先を忘れるために、彼女は今時主流のデータパッドではなく紙でできた本のページを捲った。だが、興味深いことにその両手はページに一切触れていない。まるでページがそよ風に吹かれたかのように、一定のスピードで勝手に捲られていくのだ。
そう、彼女は非常に強いフォースの感知者である。しかし、ジェダイを神話の登場人物かのように遠く感じる辺境の惑星タリアスでは、その才能は砂上の白骨のように埋もれていくばかりだ。むしろ同年代の子供たちからは、その聡明さも相まって「魔女」とまで揶揄されていた。
いや、埋もれていくはずだったのかもしれない。少なくともこの時までは。
町についたオビ=ワンとアナキンだったが、今度は燃料と食事を提供してくれる店を探し続けていた。しかし滅多に外部から人が訪れないタリアスで、武器と高度な宇宙船修理業者を探すことは最難関事項だった。アナキンはついに地面に座り込むと、もう動けませんと言わんばかりに腕を組んだ。
「マスター、これでもう何軒目ですか?」
「いや。大丈夫だ。恐らくすぐ見つかる」
恐らく、な。
オビ=ワンは深いため息をついた。帰還の遅れと空腹のコンビネーションのお陰で、気分は最悪だ。普段は冷静に聞き流しているアナキンの文句も、今日は一つ一つが毒針のように耳を刺してくる。
「ねえ、マスター。そろそろご飯食べようよ」
「少し黙っていなさい!忍耐が足りないぞ、アナキン。だいたいお前は――――!?」
彼が弟子を叱責しようとしたその時だった。若き師は不意にフォースに呼ばれた気がした。だが、すぐに疲労のせいで何にでも反応してしまったのだろうと考えを改めた。すると今度は、はっきりと呼ばれた。彼は辺境の惑星にこれ程の強いフォースが存在することに対して、不信感を覚えた。思い出すのは数年前、自身の師であるクワイ=ガン・ジンを殺害したシスの暗黒卿、ダース・モールのことだ。
シスは常に2人、それがシス・オーダーの掟だった。つまり一人のシスが存在するのであれば、もう一人居る。だがその片割れは依然として不明のままだった。
まさか、シスの暗黒卿がここに……?
オビ=ワンの心は不安と恐怖、そして僅かな怒りと復讐心に燃えていた。彼は冷静さを失うと、怪しげな導きを辿りながら心赴くままに歩き出した。アナキンは普段と明らかに様子が異なる師に驚きながら、彼の背を不思議そうに追いかけた。
「……マスター??ちょっとねぇ、マスター!?」
しかし、アナキンの声がオビ=ワンに届いている様子はない。まさに何かに導かれているという言葉がぴったりな師匠のせいで、彼の疲労は極限に達した。
「もう!お腹減ったよぉ!マスター!もう僕、一歩も歩かないからねっっ!!知らない!!」
アナキンはとうとう、その場に背中から大の字で伏した。そんな弟子には一瞥もくれず、オビ=ワンは歩いていく。そして、フォースが最高潮に強まったところで彼は辺りを見回した。だが、そこにはシスの暗黒卿など存在しない。代わりにオビ=ワンは、人形のような愛らしい顔立ちをしている一人の少女と出会った。少女――――アンヌもまた、見慣れないオビ=ワンの顔に興味を抱いて屋根から身を乗り出した。
「こんにちは!ここじゃ全然見ない顔だけど……どちらさま?」
オビ=ワンはすぐ、フォースが導いたのはこの少女のところだと悟った。なぜなら彼女からは、まだ未熟なオビ=ワンでさえフォースに祝福されていることを感じ取れるからだ。全身に歓喜、いや雷に打たれたような衝撃が走った。もっと凡庸な言葉で表現すると、彼は少女に運命を感じた。そして、驚嘆を含ませながらその名を尋ねた。
「……君の名は?」
「私?私の名前は、アンヌ・トワイラスだよ」
アンヌは軽快な足取りで立ち上がると、見上げねばならない程の高さであるのにも関わらず、器用に地面へ降りてきた。それから小さな手を差し出して、オビ=ワンに握手を求めた。恐る恐る差し出した手のひらが、温かい少女の手に触れる。
その瞬間、オビ=ワンの周りのフォースだけでなく、銀河のフォースが揺らいだ。そして噛み合うはずの無かった運命の歯車は、新たなる未来へと回り始めるのだった。
「そんなに見ていたら、モニターに穴が空いてしまうぞ?」
オビ=ワンはそう笑いながらこの若きパダワンに言った。不機嫌なパダワンは、むすっとして目をようやくモニターから離した。
「だってマスター、まだまだ先ですよ?ハイパースペースに入ってからもう何時間たったと思っているんですか?」
アナキンの主張も最もだった。もう何時間も座りっぱなしで、同じ景色にも飽き飽きしているのも事実だからだ。しかし、そんなことを師が認めるはずはない。アナキンもそのことを重々理解していた。すぐに笑われ、忍耐を学べと言われるのがオチだとわかっていた彼は、その後は何も言わず黙っていた。
これが二人の日常で、いつも通りの沈黙が船内に広がる。だが、今日は違った。突如船内に、不吉な破裂音とけたたましい警報音が鳴り響いたのだ。冷静なオビ=ワンも流石に驚いている。寝耳に水の出来事に、アナキンは操縦パネルを覗き込みながら叫んだ。
「マ、マスター、い、一体何事ですか!?」
「私にもわからない。一度見てみよう」
オビ=ワンは軽い気分で赤く光る警告モニターに目をやった。するとそこには、なんと『燃料タンク破損。残量わずか』と表示されていた。これにはさすがのオビ=ワンも焦った。この広大な宇宙で立ち往生しては、堪ったものではない。報告に遅れるどころか、ヘタをすればこの弟子とともに二度とコルサントへ帰れなくなってしまう。オビ=ワンはすぐさま針路を近くの惑星に変更した。
「急遽針路を変更する。近くの惑星で、修理と燃料補給を終えてからコルサントに帰還する。評議会には私が伝えておく」
アナキンはため息をついて、弟子心にこう思った。
――――嫌な予感がする。
検索結果によると、最寄りの惑星はタリアスという小規模な生命活動を営む惑星だった。すぐにオビ=ワンが着陸に取り掛かったので、なんとか燃料残量が0になるという最悪の事態は免れた。だが、ここからが問題だった。発着ベイから人里まではかなりの距離があるにも関わらず、徒歩で向かうしか手段が無いのだ。もちろん二人は空腹であったし、何より疲れ果てていた。そして、最初の頃は不満を言う余裕があったアナキンさえも、しまいには一言も発さずにただ黙って歩く羽目になった。
そして歩くこと約3時間。ようやく町らしき場所へ辿り着いた頃には、すでに日は傾き始めていた。二人は閑散とした街並みを唖然と眺めながら、同時にこう言った。
「「よし、レストランを探そう」」
二人は顔を見合わせて、目を丸くした。そして今日初めて意見が一致したことに、ささやかな喜びを覚えるのだった。
その日は2人の若きジェダイにとっては最悪の1日だったが、1人の少女にとってはいつもと変わらない1日だった。
アンヌ・トワイラスは、凛とした横顔に美しいレッドブラウンをなびかせながら、屋根裏の自室にある窓から外へ出た。今年で9歳になった少女は、町で唯一の本屋の主人であるトワイラス夫婦の養女だ。天気の良い日は家の手伝いを済ませた後に、屋根の上で読書をするのが彼女の日課だった。どうして屋根の上かというと、緑豊かで平凡な景色が好きだからだ。それに、彼女はこの惑星が大好きだった。しかし、彼女は生まれも育ちもこのタリアスではなかった。何故なら物心も付かない頃に、家族は訳あって知り合いのトワイラス夫妻の元に自分を預けたからだ。しかし理由をアンヌが教えてもらったことは、ただの一度もなかった。その代わり、毎年誕生日に実の両親に送るためのビデオレターは録画している。だが、勘の鋭い彼女はそのビデオが両親の元へ届けられたことが無いことを知っていた。そして現実の過酷さを分かっていても、アンヌは毎年どんな話をしようかと考えてしまう自分が嫌いだった。
だが、聡明な少女にはただ一つ願っていることがあった。自分の養夫婦が困ることを知っているから決して口に出しては言わないが、アンヌはいつか銀河の隅々を冒険したいと密かに思っていた。そして、そんな現実から最も遠い夢という言葉が相応しい願いを振り切るために、彼女はこうして毎日あらゆる本を読むのだ。
「あーあ……私も広い銀河を見てみたいなぁ………」
虚しいことに、考えれば考えるほど外の世界への憧れは強くなり、同時に今の自分の境遇を痛感した。やり場のない夢の行き先を忘れるために、彼女は今時主流のデータパッドではなく紙でできた本のページを捲った。だが、興味深いことにその両手はページに一切触れていない。まるでページがそよ風に吹かれたかのように、一定のスピードで勝手に捲られていくのだ。
そう、彼女は非常に強いフォースの感知者である。しかし、ジェダイを神話の登場人物かのように遠く感じる辺境の惑星タリアスでは、その才能は砂上の白骨のように埋もれていくばかりだ。むしろ同年代の子供たちからは、その聡明さも相まって「魔女」とまで揶揄されていた。
いや、埋もれていくはずだったのかもしれない。少なくともこの時までは。
町についたオビ=ワンとアナキンだったが、今度は燃料と食事を提供してくれる店を探し続けていた。しかし滅多に外部から人が訪れないタリアスで、武器と高度な宇宙船修理業者を探すことは最難関事項だった。アナキンはついに地面に座り込むと、もう動けませんと言わんばかりに腕を組んだ。
「マスター、これでもう何軒目ですか?」
「いや。大丈夫だ。恐らくすぐ見つかる」
恐らく、な。
オビ=ワンは深いため息をついた。帰還の遅れと空腹のコンビネーションのお陰で、気分は最悪だ。普段は冷静に聞き流しているアナキンの文句も、今日は一つ一つが毒針のように耳を刺してくる。
「ねえ、マスター。そろそろご飯食べようよ」
「少し黙っていなさい!忍耐が足りないぞ、アナキン。だいたいお前は――――!?」
彼が弟子を叱責しようとしたその時だった。若き師は不意にフォースに呼ばれた気がした。だが、すぐに疲労のせいで何にでも反応してしまったのだろうと考えを改めた。すると今度は、はっきりと呼ばれた。彼は辺境の惑星にこれ程の強いフォースが存在することに対して、不信感を覚えた。思い出すのは数年前、自身の師であるクワイ=ガン・ジンを殺害したシスの暗黒卿、ダース・モールのことだ。
シスは常に2人、それがシス・オーダーの掟だった。つまり一人のシスが存在するのであれば、もう一人居る。だがその片割れは依然として不明のままだった。
まさか、シスの暗黒卿がここに……?
オビ=ワンの心は不安と恐怖、そして僅かな怒りと復讐心に燃えていた。彼は冷静さを失うと、怪しげな導きを辿りながら心赴くままに歩き出した。アナキンは普段と明らかに様子が異なる師に驚きながら、彼の背を不思議そうに追いかけた。
「……マスター??ちょっとねぇ、マスター!?」
しかし、アナキンの声がオビ=ワンに届いている様子はない。まさに何かに導かれているという言葉がぴったりな師匠のせいで、彼の疲労は極限に達した。
「もう!お腹減ったよぉ!マスター!もう僕、一歩も歩かないからねっっ!!知らない!!」
アナキンはとうとう、その場に背中から大の字で伏した。そんな弟子には一瞥もくれず、オビ=ワンは歩いていく。そして、フォースが最高潮に強まったところで彼は辺りを見回した。だが、そこにはシスの暗黒卿など存在しない。代わりにオビ=ワンは、人形のような愛らしい顔立ちをしている一人の少女と出会った。少女――――アンヌもまた、見慣れないオビ=ワンの顔に興味を抱いて屋根から身を乗り出した。
「こんにちは!ここじゃ全然見ない顔だけど……どちらさま?」
オビ=ワンはすぐ、フォースが導いたのはこの少女のところだと悟った。なぜなら彼女からは、まだ未熟なオビ=ワンでさえフォースに祝福されていることを感じ取れるからだ。全身に歓喜、いや雷に打たれたような衝撃が走った。もっと凡庸な言葉で表現すると、彼は少女に運命を感じた。そして、驚嘆を含ませながらその名を尋ねた。
「……君の名は?」
「私?私の名前は、アンヌ・トワイラスだよ」
アンヌは軽快な足取りで立ち上がると、見上げねばならない程の高さであるのにも関わらず、器用に地面へ降りてきた。それから小さな手を差し出して、オビ=ワンに握手を求めた。恐る恐る差し出した手のひらが、温かい少女の手に触れる。
その瞬間、オビ=ワンの周りのフォースだけでなく、銀河のフォースが揺らいだ。そして噛み合うはずの無かった運命の歯車は、新たなる未来へと回り始めるのだった。