明日は何者になる やがて君になる
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ピピピッ!!
《39,1℃》
「……う、……マジか……」
「——……、知ってたの……??」
「………目の充血、若干のハイ気味……音駒戦前から違和感はあったんで予防用に解熱鎮痛剤を飲ませました」
周りの視線を受けて、頷いた。
翔陽は自分は元気だ、嫌だ嫌だと叫んでいる。
「……宇内さん…よりにもよって…貴女が、なんで……」
「すみません。相談すべきでした。本当によくなかったと反省します………いえ、考えないようにしていたのかもしれない………です」
《でも別にどこか痛いわけじゃないし動けるし、おれはとべます!!》
《怪我じゃないです、怪我じゃないです……!!》
「…………」
「ち………違うんです。こんな痛々しい翔陽が見たいわけじゃなかった………!」
いっそぶっ倒れていたなら、彼はこんな締め付けられるような悲痛な声を上げなかった?
ギリギリまでちゃんと飛べたから。
「君が聞きたくない事を承知で君に話します。
今、これ以上…君を試合に出すことはできません」
先生は唇を噛んで、翔陽に病院に行くように指示を出した。翔陽が咆哮を上げて抵抗している。
……みんなの顔が見れない……ああ、私なんて残酷なことを…。
「君こそはいつも万全で、チャンスの最前列に居なさい」
武田先生の言葉に……翔陽は頷いた。
「……そうだ病院」
谷地さんが立ち上がる。
ダメだ!後悔なんてしてる間はない。ここで適当かましたら選手生命に関わるかもしれないのに…!!
「谷地さん。……投与したのはカロナール錠200mg、時刻は9:30頃、あと」
「ううん……違うよ、違う」
「?だって病院行くでしょ……?」
「私じゃない、美雪が行かなきゃ…!!!」
「え、マネー……「違う!!!行け!!!」」
「!?……は、はいっ」
烏養コーチ、先生、主将……皆が頷いていた。
谷地さんに背中をドンと叩かれ、翔陽と扉を指さされた。
「…ごめんなさい、ごめんなさい……!」
「はしゃぎ過ぎて発熱て!幼児か!!」
チームメイトは田中さんを筆頭に翔陽を弄ったり、任せろと言い、日向の大事を優先した。
そんな中——飛雄はいう。
「……今回も、俺の勝ちだ」
ぐ、顔を上げて、見据えた。
「…しょう、よう……」
「美雪、………おれ……」
「……もう、1秒でも烏野チームの時間を奪っちゃいけない、……行こ」
「………」
「うん。また、飛雄と勝負するために」
ぎゅ、っと翔陽を手を引く。
『試合終盤の波乱…!ここで烏野1年生ポイントゲッター離脱っ…!』
背後の扉があの世界とこの世界を分断した。