(3年)

勉強合宿、滞りなく終了と言うわけである。
俺は多少化学IIと仲良くなった気がしなくもないがもしかしたら気のせいかもしれない。気まぐれだからなハハッ。出題範囲とかウッカリ去年と大きく変わるんだから☆

「……山口君！おたんじょーびおめでとーっ！！」
「！！…谷地さんありがとうー！！」
谷地さんが家でシフォンケーキ用意してくれていた。
日向影山のワーク終わるまでの暇だれタイムにグータラしてた突然だった。

「……いちご…いちご…」
「この時期高いんだよ！クリスマス前だもの！」
「月島の誕生日でも無いし、山口用だよ」
「いちごいちごに……ひとみごろ…だっけ」(※違う)
「うるせえ！素因数分解おわんねえだろ！！」
「15 15 15 15……ショートケーキの日はいちごの下だから22つまり答えは√22」
「29たす29は…58…つまり肉×肉＝ご飯は最高に美味いってことか！」
「あー！！無意味な数列で惑わすなー〜ーッ！！」
「一旦！！雑談BGM止めて下さい！！」


はい、谷地さんの声に従い皆が黙った。
あの曲が流れて各々、適当に歌っていた。
練習してよせめて！！呼称バラッバラじゃん！！

「おめでとー」
パチパチと言う拍手と共に、宇内さんがケーキを謎の力で等分に綺麗に切り分けた。

「はい、どーぞ」
「ありがとう」

その後プレゼントを貰う。
時期が時期なので受験グッズ多めで、とても切な…嬉しい。頑張るよ……。

「はい、私からはコレ」
「二人で作ったんだよー」

紙筒を貰う。
解いてみると、右下に寄付のお願いの文字。
……これって、商店街中に貼られる……。


「！！」

広げて、ビックリした。
いつもポスターになるのは日向だから。

俺が真ん中でスパイクを打っていて、日向はトス、ツッキーがサーブ、影山がフライングレシーブ。

「題して、<後ろには誰かいる>、意外な人が意外なことを仕掛けたシーン集です」
「こちらは全天球カメラで撮った、デザイン案2」
「うわあ……！」
「協力、伊達工業高校」
「技術力が入ると凄いなあ……」

伊達工業の鳶職志望が足場を組んで、ストロボを設置しだした時はまたなんか縁下さんが無駄に凝った無駄にクオリティの高い自主映画撮り出したのかと思ったよ……。
いや1と2コンセプト違いすぎない？

「2の方が正式版になると思うけど、1は1で好きだから」
「良かったな。こーゆー表に出ないボツポスターって10年後スゲー価値出るらしいし」
「お前自信えげつねぇな」
「？」
影山の無意識大物宣言は置いておく。


「なんかおれこっちの方が好きだなー」
「そう？ならこっち正式版する？」
「いやだ！！多分集金力は無い！！全員顔が怖すぎる」
「まあ…正直得意じゃ無いことやってでも必死でボールを取ってるシーンだから…」
「二人ともありがとう、部屋に飾っとく」
くるくると巻いて、輪ゴムで留めてカバンに入れた。


途中、ケーキのクリームが服に落ちたので
トイレに走る羽目になった。