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青森に着いた後、厩を探している最中に言い出してみることにした。こういうのは早めに相談するに限るからね。
「杉元さん!アシㇼパさん!私と白石さんはここで分断しようと思う!」
「は??なんでだ!?」
「追手を気にしているのか?」
アシㇼパさんイラっとした顔を全面に出して、杉元さんも厳しい目で見てきた。
「そう、追手を警戒しての提案。この脱糞王は日本中に顔が割れている」
「イエーイ」
「それは腹立つからやめな?……それを逆手に取って、監獄関係者の前に出たり引っ込んだりを繰り返す。万が一第7師団か陸軍関係者がアシㇼパさんを追っていたとて目撃情報があれば白石さんを優先せざるを得ないはず」
「だが今度こそ捕まるだろう。シライシは役立たずだし戦えない」
「この人1人でなんも考えずに関係者の前を横切るから役立たず化すんだよ。気をつければ危険は少ないよ」
アシㇼパさんの反論は正直痛いところを突かれるが、白石由竹を利用する案は別に普段からやっていることだと思ったのでそのまま押し通す。これをやるって決めておきながら後ろの白石の顔がうるさいな。無表情なさいよ。
「理屈はわかったが、それは白石1人でよくないか?なんで隻眼の由紀さんを同行させる必要性がある」
「それは……」
「俺がきて欲しいからだぜ」
「あ!あのね、移動経路と作戦を考えるためだから!万が一捕まったら集合かけたりとか救い出す役割とか要るでしょう!」
ピリッとした雰囲気になりそうだったので、私は男2人に割り込んで補足をした。
アシㇼパさんはため息をついて私たちを呆れ見ていた。
「…………今日はもう遅い、この話の続きは民宿でしよう」
「青森には馴染みの酒屋があんだ!こっち」
「へえー?そうなのか」
白石さんがアシㇼパさんの手を引いていった。北海道だけではなく日本各地に馴染みがある白石さんはさすがのコミュ強。
ついていくと、クッと後ろに引かれる。
「どうしたの?」
「どういう理屈で離れようとしてんの」
「杉元さんは私のことを好いていてくれている。それは……嬉しいことだけど、あなたが一番に考えるべきは私ではないと思う。これは卑屈になっている訳ではなくて、故郷の親友の嫁さんのことも、アシㇼパさんのこともまだどちらも成し遂げていないでしょう」
「…………」
「あなたの志を尊重したい、それは私の願いでもあったから……アシㇼパさんを頼むね、杉元さん」
答えも聞かず腕を払って、2人を追いかけるように進んだ。
するとアシㇼパさんが青ざめた顔で酒場を指さしていた。
「す、杉元!!」
「アシㇼパさん??どうし……」
酒屋に向かうと白石さんは屯田兵に吊り下げられていた。
「な、なッなんでっ!?!?」
ナイフを取り出し、ノータイムで走り出して白石さんの縄を切った。
アシㇼパさんは弓を番えて、兵を牽制し杉元さんは男たちを蹴り上げた。白石さんは涙を流しながら飛び上がり、杉元さんの肩にしがみついたので私たちはドタドタとその場を走り去った。
「どうして酒場に行くだけで捕まってんだオメー」ポコン
「クーン……」
「事前に鶴見中尉が青森まで逃げることを想定して配備したのかな?弘前の第8師団だったし……」
「鯉登少尉か月島軍曹辺りが手配したんじゃないか?」
「いや単純に、うっかり脱獄王がフラフラ現れたからだろ?…………白石はダメだ、なんかもうだめだ」
「これは分断したところであんまり効果なさそうや、…………」
斥候の時の癖で左目をギュッと瞑ったがすぐに意味がないことにすぐに気付き、ため息をつく。
白石さんはとても悲しそうな目で見ていたので笑って誤魔化した。私はこういう時に遠目をしていたんだな。
───何が役立たずだ、それって私じゃないか。
「どうせ東京には全員行くことになるだろう…………白石と由紀の案も悪くないが、私はもう大切な人がどこかに消えてしまうのは嫌だ」
「どうせみんな1回ずつは捕まってんだぜ。一緒に結束して動いた方が助け合えるだろ?」
2人が私たちに手を差し出してくれたので私はアシㇼパさんの手を、白石さんは杉元さんの手を取った。
「白石さん、お酒は宿で分けてもらおうか」
「……うん」
「杉元さん!アシㇼパさん!私と白石さんはここで分断しようと思う!」
「は??なんでだ!?」
「追手を気にしているのか?」
アシㇼパさんイラっとした顔を全面に出して、杉元さんも厳しい目で見てきた。
「そう、追手を警戒しての提案。この脱糞王は日本中に顔が割れている」
「イエーイ」
「それは腹立つからやめな?……それを逆手に取って、監獄関係者の前に出たり引っ込んだりを繰り返す。万が一第7師団か陸軍関係者がアシㇼパさんを追っていたとて目撃情報があれば白石さんを優先せざるを得ないはず」
「だが今度こそ捕まるだろう。シライシは役立たずだし戦えない」
「この人1人でなんも考えずに関係者の前を横切るから役立たず化すんだよ。気をつければ危険は少ないよ」
アシㇼパさんの反論は正直痛いところを突かれるが、白石由竹を利用する案は別に普段からやっていることだと思ったのでそのまま押し通す。これをやるって決めておきながら後ろの白石の顔がうるさいな。無表情なさいよ。
「理屈はわかったが、それは白石1人でよくないか?なんで隻眼の由紀さんを同行させる必要性がある」
「それは……」
「俺がきて欲しいからだぜ」
「あ!あのね、移動経路と作戦を考えるためだから!万が一捕まったら集合かけたりとか救い出す役割とか要るでしょう!」
ピリッとした雰囲気になりそうだったので、私は男2人に割り込んで補足をした。
アシㇼパさんはため息をついて私たちを呆れ見ていた。
「…………今日はもう遅い、この話の続きは民宿でしよう」
「青森には馴染みの酒屋があんだ!こっち」
「へえー?そうなのか」
白石さんがアシㇼパさんの手を引いていった。北海道だけではなく日本各地に馴染みがある白石さんはさすがのコミュ強。
ついていくと、クッと後ろに引かれる。
「どうしたの?」
「どういう理屈で離れようとしてんの」
「杉元さんは私のことを好いていてくれている。それは……嬉しいことだけど、あなたが一番に考えるべきは私ではないと思う。これは卑屈になっている訳ではなくて、故郷の親友の嫁さんのことも、アシㇼパさんのこともまだどちらも成し遂げていないでしょう」
「…………」
「あなたの志を尊重したい、それは私の願いでもあったから……アシㇼパさんを頼むね、杉元さん」
答えも聞かず腕を払って、2人を追いかけるように進んだ。
するとアシㇼパさんが青ざめた顔で酒場を指さしていた。
「す、杉元!!」
「アシㇼパさん??どうし……」
酒屋に向かうと白石さんは屯田兵に吊り下げられていた。
「な、なッなんでっ!?!?」
ナイフを取り出し、ノータイムで走り出して白石さんの縄を切った。
アシㇼパさんは弓を番えて、兵を牽制し杉元さんは男たちを蹴り上げた。白石さんは涙を流しながら飛び上がり、杉元さんの肩にしがみついたので私たちはドタドタとその場を走り去った。
「どうして酒場に行くだけで捕まってんだオメー」ポコン
「クーン……」
「事前に鶴見中尉が青森まで逃げることを想定して配備したのかな?弘前の第8師団だったし……」
「鯉登少尉か月島軍曹辺りが手配したんじゃないか?」
「いや単純に、うっかり脱獄王がフラフラ現れたからだろ?…………白石はダメだ、なんかもうだめだ」
「これは分断したところであんまり効果なさそうや、…………」
斥候の時の癖で左目をギュッと瞑ったがすぐに意味がないことにすぐに気付き、ため息をつく。
白石さんはとても悲しそうな目で見ていたので笑って誤魔化した。私はこういう時に遠目をしていたんだな。
───何が役立たずだ、それって私じゃないか。
「どうせ東京には全員行くことになるだろう…………白石と由紀の案も悪くないが、私はもう大切な人がどこかに消えてしまうのは嫌だ」
「どうせみんな1回ずつは捕まってんだぜ。一緒に結束して動いた方が助け合えるだろ?」
2人が私たちに手を差し出してくれたので私はアシㇼパさんの手を、白石さんは杉元さんの手を取った。
「白石さん、お酒は宿で分けてもらおうか」
「……うん」