11.喧嘩は長引くほど仲直りしにくくなる
お名前変換
設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翔陽とはほとんど口をきかないまま、ひと月が過ぎ、ついに烏野高校排球部のインターハイは終わってしまった。
思惑通りコトが進んだ……と言うのに、胸のモヤモヤが取れない。
でも今更もう顔を出す事はもうないだろう。
翔陽は私を見限ったし、上級生も私に構う余裕なんかないはずだ。
逆に翔陽と喧嘩しているのとは裏腹に飛雄は普通に遊び誘いにメールしてくる。マイペースか。
IH中にボーリングなんて危ないからと告げると、なぜか毎週日曜夕方は飛雄の自主練に付き合うようになった。本当に君だけは空気読まないよね…。
そんな感じ今まで翔陽と遊ぶ日だった日曜午後は飛雄に入れ替わった。
しかし奴は出掛けない。
私の家にはテニスコートがあるので(お父さんの趣味)、二人でバウンドパスしたり、トスで指定位置に返球する練習のボール出しさせられたり…最終的に家の外周ラップタイム測らされた。
私が一旦距離置いていることに気付いてないんじゃないか説が頭をよぎる程、自主練手伝いをさせられていた。
……まさに今日も。
「そういや……及川さんがIHで会った時、お前のこと言ってたぞ」
「フーンなんて?」
「『飛雄のコトが好きらしいから、付き合えば』みたいな。あー…すまん、よく遊ぶけど。お前そう言う目でみてねェわ」
「え。ウワァー……あの人ひでー。私無意味にフられた感じになった…!」
「?」
「それね。イジメられそうになったから、何とか仕返しをしようとて失敗した。……帰りに誤解解けたのに飛雄諸共ネタにして返してきやがった…」
「なんだ違うのか」
「私も別に飛雄と恋人になろうとか思ってないよ」
「フーン」
「そして君も私に直接切り出すかねフツー」
「及川さんが俺と雑談すること滅多にないから、気になってただけだ」
トスをポンポンと投げながら会話する。
男女の機微とか無縁なタイプ×2だなコレ。不毛だ。
しかし飛雄は上手面白いな。どこへ飛ばしても真下に潜り込んでセットしてくる。しかも返球が取りやすい。
「それより飛雄が気にしてるのは翔陽でしょ」
「………まーな」
「あっ、一応気づいてはいたのか…。どう?前より決定力とか低くなってない?」
「いつも通りのヘタクソだ」
「………」
「……試合、一度も観に来なかった」
「う、ごめん……。さっさと謝ってまた応援しに行きたいんだけどねえ、タイミング逃して気不味いままというか」
「ん。じゃあ明日、練習に来い」
「!!」
「絶対だからな」
「いや塾が……」
「ぜったいだからな」
「は、ハイ……」
圧がすごい。
飛雄監視のもと、初めて塾へ体調不良と連絡し、明日の休みを打診した。正直緊張してほとんど眠れない状態で月曜朝を迎えたのだった。
寝坊しかけるなんて人生初だよ…。