10.vs 音駒高校2
お名前変換
設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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帰りに製菓材料を大人買い。
バイクも随分慣れて、給油もスムーズに出来るようになった。
車道が赤になったので、信号待ちしていると見覚えのある男子が横切ったような気がした。
ジャージじゃないから即わからなかったけどよく見たら青城の時にビックリさせ(た)られた人だ。
今マスクじゃ無いからそのままスルーだ。早く消えてくれ…。
すると視線を送ったのが不味かったのかキョロキョロして、ついに振り返ってしまった。
「あっこの前の!」
……あ、しまった前回会った時と髪型同じだ。
視線が下に降りていき目を見開いた。
「えっ、ブレザー…!?コスプレ!?」
ギャアアアア!!いつもなら塾行く前に帰って着替えているのに!!制服だ油断した!!!
最近こんなのばっかりだ!!!
「ヘロー……ワターシ なーにかヨージですかー??」
「いやもう無理だから。バレバレだから」
車道、青になった。よし。
「あっコラ待ちなさい!!」
「三十六計逃げるに如かず!!!」
——ところでご存知だろうか?
一般道を制限速度を超えて運転した場合、結構スグの信号で引っかかるようにできている。法定速度と信号の間隔は対応している説を。
「ヒイッまた赤!!天は我を見放した!!」
「おーいーつーいーたーぞー…」
焦りに焦りまくった私は不幸にもスグ次の信号で引っかかり御用となったのだった。
あ、さっきのはそれっぽい話は嘘です。不幸の言い訳です。
背負っていたリュックを掴まれ、無理に振り切ったら危ないので素直に路肩停車した。
……ファミレスなう。
山盛りポテトもりもり食うぞ。ポテトマシーンだぞ。
動かぬ証拠を掴まれたので、素直にお互い自己紹介した。学生証をしげしげと見られていた。
「(この人がオイカワさんだったのか……)」
「青城UFO研OB改め、烏野1年生!?……よくもまあ、他校上級生相手にそんな大胆な嘘ついたね……いっそ感心するわ」
「パスケースそろそろ返してください……」
「はい、どーぞ。ってか便利なアレで取らないの?」
「…………」(ちら)
「なるほどねぇ…ここ人多いもんね。しかし、やーっぱ俺のカン合ってたじゃん。バレー部スパイ」
「あの時は買い物帰りに友達と合流しようとしてただけです」
「どうだか。すっごい嘘つかれたし信用できないなー?」
「それもそーですね……では、疑問も解消したということで嘘つき後輩はお先に失礼します」
レシートを持って立ち上がろうとした。
「まあまあ、ちょっと話そうよ」
「と、…友達にお菓子作る約束しているので、早く帰りたいんです。ホラこれは証拠ありです」
ガサ、と製菓材料を見せる。
共通の知り合いの飛雄の名前を出しそうになったが、すんでのところで止めるのに成功した。
及川さんは逃げようとしているな、と疑ぐりの目を向けてきたが、やがてため息をついた。
釈放だろうか。
「まあ少しだけ。友達っていうの1年の誰?」
「どーですかねえ……及川さんは知らないじゃ無いですか?」
「ダウト。飛雄知ってるね、しかも俺の前で名前出さ無いように注意払ってる。結構仲良い?」
「………ちが、」
「うそつきーィ」ニヤニヤ
しまった、濁さずに普通に翔陽って言えばよかった。
知らないだろう、って私から言うのはおかしい言葉チョイスだった。
……この私が一敗してしまった。
脳内美雪円卓会議、ディシジョンスタート。
意識から外そうとすると余計に考えちゃうよねー。あるあるー。それなー。
脳内会議決議結果、どんまい。
チッ役立たずの脳め。解決策出せってんだ。
「……まあ、友達、ですね」
「あははっ、そんなに身構えなくても!でも驚き、アイツ友達できないタイプじゃん?」
くそ、この人少しでも私から今の烏野、もとい飛雄の情報収集しようとしてくる。なんだよ翔陽全然菅原さん系じゃ無いじゃん。月島君の上位互換じゃん。
(脳内月島「なんで青城主将に僕を引合いに出すの皆」)
「あー、どうですかね……」
こういう人を倒すにはどうすれば。
及川さんニタニタ笑いながら、オレンジジュース飲んでるハラタツ。……ここは別の話題で逸らすか。
「……私、飛雄のこと割と好きなんですよね」
「…ゴホッ……はあっ!?!?どこが!!!」
「!?」
あれ?反応が思っていたのと違う。
自分の元後輩に思いを寄せる異性とか、嬉々と食い付いてからかうと話題思ったんだけど。 例えば「えーあんな奴どこが好きなのー(ニヤニヤ)」とか「手伝ってあげようか(ニタニタ)」とかこの人いいそうじゃん。
……まあいいや。この人にはウソって思われても、ガチって取られても他校だしチームには害は及ばなさそう。
「チームメイトが自信を失くして折れそうになったら、誰より優先して真摯に励ます優しさとか」
翔陽が旭さんへのコンプレックス拗らせた時とか。
あんなに翔陽を高く買っているなんて知らなかったよ。
「……チームからの無茶な要望にも、口ではどうあれ、まずは素直に答えようって動く、大人っぽさとか」
対、音駒練習試合で突然目を開けた速攻しても、ちゃんとソレを汲んで応えていた。実現できる技術力が前提なのは、いうまでも無く天才だからだけど。
私言って気づいたけど、飛雄のこと結構好きだな、本当に。一番は翔陽っていうのは譲れないけど。
「あとは、意外とボーリングとかスケートのセンスがあるところ。UFOキャッチャーですら器用にこなしてたし。ゲームセンスがあるのは魅力ですねえ」
「あとは……」
「もういいもういい!!!」
おぉあまりの情報量に及川さんの方が負けたぞ。やったな飛雄、君の力で仇は打ったぜ。
「それ本当に俺の知ってる飛雄??優しくて大人???遊びに行くの?あいつが??」
「えー及川さんの話はそのボーリングの時に聞きましたしご本人じゃないですか?」
なんか結局向こうに飛雄の情報与えた事になっちゃったな。
「わっけわかんない!!納得しかねーる!!」
「じゃあ乙女フィルター(笑)とかじゃないっスか」
「こんな投げやりな女子との恋愛トーク初めてで戸惑うんですけど!!」
「えーウソー、ウケるー。マジパイセンヤバイー」
「棒読み!!」
一勝一敗、お互いにダメージ。
よし、テンポ崩した隙にさっさと帰ろう。
「すんませんお会計お願いしまーす」
「いや俺が払うし!!まだ話そう!!」
「こちらカード一括で」
「く、クレジットカードっ!?」
及川さんが止めるより私のカードの方がクイック。
「……負けた……」
「ではっ!(おっこれで2勝!気持ちいい)」
レジ前で片膝をついてガクーとしている及川さん。
ははは。お金は失われるが、まあやりこめたから気持ちよく払おうじゃないか。
「というかぁ、結局友達として好きって感じじゃん」
「あーバレたー」
「…この及川さん相手に何度も謀を仕掛けようなんて剛胆感心する」
「隠し事を日常行っていれば、嘘ハッタリにも慣れますね」
「飛雄並みに可愛くない後輩ーィ」
「ドーモ」