8.5 バンガイヘン!!
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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「あ!!」
びり、っと翔陽のシャツの裾が支柱に引っかかったまま裂けてしまった。
「あーーー!シャツ破けたァ」
「帰ったら、直してもらわないとだね」
「恥ずかしい破け方だな」
飛雄の言い方よ。脇腹からおへそが見えていた。
「持って帰るとき気をつけないと余計に広がりそう」
「ウーンどうしよう。気に入ってたけどポイかな」
「え?簡単で良いなら繕うよ」
「え、ホント!?コレ直せるの!?お願い!!」
「じゃあ裁縫セット取ってくるから、翔陽はロッカーで着替えておいで」
「はいはーい」
「ただいまあ。持ってきたよ」
「はいコレよろしく!!」
「任された」
山口君と、菅原さんが寄ってきた。
「針で指、怪我しない??」
「裁縫姿見るのって新鮮〜。どうやるんだろ?」
「翔陽ママに直してもらう想定で縫うか、もう完全に私がやっちゃうかどっちでもできるけど」
「じゃあ完全コースで!」
「ういっす、じゃあ向こうの部屋でやってくるから少し待っててね」
「ココではしないんだ」
「ちゃんとやるなら糸が見やすいように光量欲しい。簡単な方ならここでやるつもりでした」
「なるほどー」
…5分後
「できたよー」
「おおおお!!全然破けた所がわかんない!!」
「解れた部分は裏に隠したよ〜」
「すげー!!すげー!!!魔法みたい」
「(ギクー)」
賢明な方はご存知だと思いますが、
指より精密な道具を持っているのです。
「日向見せて」
「あっ!!」
翔陽のシャツは突然後ろからやってきた月島氏に盗られていた。
高く上げられるともう取れない感じだった。
「ひでぇっ…こうやっていつもイジメてー!!」
「ホントだ。表から全くわかんない…意外な特技」
「でしょー。器用なんだよ」
「ふうん…はい返す」
「へいへい、全くもー。月島はさ、見せて欲しけりゃ普通にそう言えばいいのに」
「美雪、コレもやってくれ」
「影山もシャツ破いたのかー?」
「ズボンの端から糸が出てきて内側ビロビロしてきた」
「あらあら…」
「引っ張って千切ろうとしたら、失敗した」
「わかったよー、みんな他にはなんかある?」
「じゃあこのカーディガンのボタン留め直して」
「おれサポーターもやぶれそう」
「うい」
「俺は、ズボンのゴムがずり下がるの恥ずかしいからなんとかしたい…」
「まかせろー」
「じゃあコレも」
「コレも」
洗濯カゴいっぱいに布が集ってきた。
軽く引き受けたが、みんな結構こういうのは放置するんだね。
補修材料調達は嶋田マート日用品コーナーよりご提供。
鍵のある適当な部屋にこもって、能力を発動する。
シャツ、タオル、ズボン、体操袋、カーディガンやペンケース、なぜか誰かのマイ枕カバー補修まで引き受けてしまった。
糸、ボタン、紐などが宙に浮かび一斉に飛びかかった。
ほつれはクルクルとまつり縫いされていき、ボタンは一旦全部取り外して付け直した、枕カバー用のタオルは補充の糸が布に追加されていく。
おおよそ今回も5分程度完成。
あとは箱か何かにつめて大部屋に置いておけば、オーケーだ。
洗濯カゴを持って、鍵を開けると山口君と遭遇した。
「あっうわ…こんなにやるんだね……なんていうかすごい数になっちゃったね」
「ああ、うん。まあ問題はないよ」
問題があるとすればもう出来ちゃってる事かな…。
「やっぱりやらなくてもいいよー」
「あっ」
山口君はスッと体操着袋を出した。
「あれ!!?もう出来てる!!」
「あ、いや。うん……その…」
「すごい宇内さん!!!ぜんっぜん破けた所わかんないよ!!」
「それは良かった」
「ありがと!!全員分配ってくる!!!」
「えっちょ、ああ…」
行っちゃった……。
まあいいか…。
「宇内さんはマネージャーやるべき」
「正直に言おう。こういうスキル欲しかった。是非ウチの社員にならないか?」
「おおー!!しゅごい!!!」
「ありがとー」
「むしろ嫁に来ない?」
「大げさー」
「へえ……ふぅん……この数の補修を清水さんと手分けするでもなく、こんなスグに、ねえ……」
「ヒイッ!!」
「有能なのはいいと思うよ」にこ
「アッハイ」
ねめつけるような視線から目を逸らした。
バレー部マネージャー激推し1年がプラス2名追加した瞬間だった。
(明らかにおかしいのに、誰も裁縫スキルないから気づかない)