08.烏野高校排球部!!
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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相棒に迷いに賞賛を与えん
(やっと)試合が再開される。
「今のお前は、ただの「ちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそ」だ」
「?」
「大黒柱のエースなんか、なれねえ」
「ちょ…ちょい…」
「おい」
「でも!俺が居ればお前は最強だ!」
「!?」
「東峰さんのスパイクはスゲー威力があって3枚ブロックだって打ち抜ける!」
「え゛っ、いや毎回じゃないし、えーと…」
「動揺しすぎっス!」
「じゃあお前はどうだ、俺のトスが上がった時、お前はブロックに捕まったことがあるか」
ピ——ッ!!
「ナイッサー!」
「ッサァー!」
嶋田さんの(さっき烏養さんより紹介頂いた)サーブから始まり、縁下さんが受けた。
一方翔陽は相手コートに視線をやって、先程言われた意味を考えているのか戸惑った顔をしている。
「躱せ!!」
飛雄は一喝した。翔陽はハッとした顔をした。
「それ以外にできることあんのか、ボゲェ!!」
ついに言わんとしている事に合点がいったのか、どこか心あらずだった翔陽は水を得た魚のようにコートを舞った。
「……躱す」
キュ、っとバレーシューズが翔陽のジャンプに音を立てた。
宣言通り、見事翔陽による速攻で得点となった。
「お前はエースじゃないけど!!
そのスピードとバネと、俺のトスがあれば
どんなブロックとだって勝負できる!!」
飛雄は今間違いなく、翔陽の背中を押している。
“相棒”の迷いを振り切るために。
「エースが打ち抜いた1点も、お前が躱して決めたた1点も———同じ1点だ」
ちょっとウルっときてしまった。
なんだよ。めっちゃいい奴じゃん飛雄。
「“エース”って冠がついてなくても、お前は誰よりもたくさんの得点を叩き出して!だからこそ敵はお前をマークして!他のスパイカーはお前の囮のお陰で自由になる!エースもだ!!」
ぐるっ……っと飛雄は田中さんの方を向く。
「———ね!?」
「はっ!?……おうっ!?」
突然振られたにも関わらず、ここは援護を言うべきだと察してくれたのか田中さんも翔陽を鼓舞する側になった。
「おうおうそうだぞ!お前の囮があるのと無いのとじゃ俺たちの決定率が全然違うんだぞ!」
うんうん、とWSたちが頷いた。
「それでもお前は、今の自分の役割がカッコ悪いと思うのか!!!」
これは本人気づいていないだろうけど、実は翔陽が欲しがっている称号は「小さな巨人」でも「カッコいいエース」どちらでもない。メンバーに存在を必要とされる、翔陽のバレーを認めてくれる仲間だ。
それを飛雄は真っ先に看破し、伝えたのだ。
あぁ、それが相棒ってもんだよなぁ。いいなあ…。
目尻に残った涙を、半袖で汗を拭う仕草をしながらこっそり拭いた。
ぼそ、っと翔陽はなにかをつぶやいた。
「あ?」
「……思わない!!!」
「よし!!!」
もう大丈夫だね。
今日も翔陽はまた飛べる。
「今の一発、凄かった」
「!!あざす」
旭さんにも賞賛されて、翔陽の気持ちはさらに急上昇。良かったね。
「試合中断さしてスミマセンでした!!」
「あっうんいや…」
「試合の続き———」
「「お願いします!!」」
烏が、揃った。