07.東峰さんを探せ!!
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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彼の真意
「!?日向!?」
「えっ」
バガァン!!
「あああああー!!!翔陽ーっ!!!」
「!?ばっ…」
「うわああああぁ!?」
「ギャーッ」
旭さんアタックが翔陽の顔面に激突したので、全員で翔陽のもとへ駆け寄った。
とっさに翔陽にかざしてしまった右手を見て、下げた。翔陽の頭を、超能力で薄く覆ったけど要らなかったな。あいつマジ転倒慣れしてやがる。
アッ清水先輩、ちゃんと得点めくってから行くんすね。
彼女を見ている間に出遅れちゃったので私も座っとくことにした。
「っ…う〜〜〜〜〜っ」
「あっ生きてる」
ちゃんと頭を庇いに背中で転倒したようなのでそこまで……では無いはず。
顔は、鼻と瞼と口、どこを打っても出血しやすい。
だけど今の翔陽みたいにおでこで受け、バレーボールくらいの軽さなら出血は大丈夫。
「大丈夫かっ」
「大丈夫かあああ、ゴメンなあああ」
「どう考えてもボケっとしてたコイツが悪いでしょ」
「きゅっ救急っきゅうきゅう…」
「落ち着けよ先生」
「あ、だいじょぶです。スミマセン…」
ガバっと突然翔陽は起き上がった。
「ほんとか!?念の為休憩を…」
「ほ、ほんとに大丈夫です!ちょっと躱しきれなかっただけで…大したことは…顔面受け慣れてるし!」
翔陽はスミマセンデシタッて顔で平気な様子を説明していた。
そのいつも通りの様子をみて部員の間にジワジワと安堵の雰囲気が流れ始めた。
「慣れるなよ…」
「あはは……はっ!?」
突然バッ!!と何かに警戒して翔陽は立ち上がった。
「猫かあいつ!はは」
「……なにボケェーっとしてた…試合中に…」
「あ、う、あ〜〜……」
「…俺は知ってるぞ…」
「!?」
「エースはかっこいいけど自分の一番の武器が囮なんて地味でかっこわるい、自分に東峰さんみたいなタッパとかパワーがあればエースになれるのに」
「えっ」
「そっそんなこと思ってない!……くも…ない……けど…」
嘘がつけない。わかりやすい奴だ。
そうか、つまり飛雄の言う通り、誰もが口を揃えてエースと称す旭さんのプレーを生で見て、自分に足りないものと比べていたのか。
いやいや、試合中にはやめなよ……。
「…エースが居るってわかってから興味とか憧れとかの他に——嫉妬してたろ」
「試合中に余計なこと考えてんじゃねーよ」
本当にそれな……
ただでさえ故障の多いスポーツなのだから、無事で済んで奇跡だよ。
「…………羨ましくて……何が悪いんだ……」
「もともとでっかいお前になんか絶対わかんないんだよ!!!」
……翔陽が怒鳴った。温厚で基本穏やかなタイプな翔陽が。きっと根っこにある一番のコンプレックスに起因した問題だからだろうな。
場が一瞬静まった。
「こらーバレー部ーそろそろ終了の時間だぞー」
「この空気で入ってこれるティーチャースゲェ」
「こら」
清水先輩に発言をたしなめられた。
「早く片付けを—」
「すみませんっ、この試合が終わるまで」
「でも時間が」
「僕が責任もって閉めますので」
「えっ…」
「終わったらちゃんと閉めて見回りもしておきます!」
武田先生つよい。
見事見回りを引き受けることで、試合が終わるまで延長が許されたようだった。
これはキャラクターもあるのでは。例えば烏養さんみたいなタイプの先生だったらそうならなかっただろうなぁ(偏見)
澤村さんの一声で中断した試合が再開される。