30.さよならの笑顔をキミに
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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烏野高校に戻った後、皆でテレビにかじりつく。
お目当ては地域ローカルニュースの本戦結果。
「おっ映った映った」
「“飛べ”きた!」
「《…本日の、仙台市体育館で行われた、春の高校バレー宮城県大会の決勝の模様をお伝えします。王者、私立白鳥沢学園高校を破ったのは。県立烏野高校。5セットを戦い抜いて、勝利を収めました》」
「う、映ってるー!!!」
「俺テレビにいるー!!!?」
「《では、本日の試合模様とともに烏野高校の生徒さんへのインタビューをお届けします!》」
「《こんにちはー!ミヤテレご覧の皆さーん初めましてー!!烏野高校宇内美雪でーす》」
「え、ええーーー!?!?」
私が映った。隣の山口君が叫んだ。
ちなみに、リアルではインタビュアーさんがご対応していましたが、実放送版ではバボちゃんのぬいぐるみが取材するような演出になっています。かわいいね。
こちらにブワッとみんなが振り向く。
「なんで!?!?」
「選手を飛び越えて美雪へ!?」
バボちゃんテロップ《美雪ちゃんは、この試合どうだった?》
美雪ちゃん《みんなの努力がやっと報われたなって。今の気持ち??……最高です!!烏野ッ大好きです!!》
バボちゃんテロップ《うわあ!やったね美雪ちゃん!特に仲のいい選手ってだあれ?》
美雪ちゃん《10番の日向くんです。よく一緒に練習したりとか合宿行ったりとかしていたんです。みんなの横で、頑張ってるとこ見てたので、報われたところ見れてよかったです!!》
あっ、時折コメントカットの編集済みです。
あーとか、えーととかは生放送ではない限り、そのままは流さない掟だそうです。
妙なカット方法のせいで、翔陽が好きで来てるみたいになったな、まあ事実だしいいか。
バボちゃんテロップ《日向くんも、みんなもすごかったね!最後に一言どうぞ!》
美雪ちゃん《ウチの学校、全国大会……5年振りで!!あのっ、どうか、いっぱいご声援をお願いしますっ!!東京本選、私たちはっ本気で優勝目指してますっ!!一度は落ちた強豪、飛べないカラスと呼ばれた烏野高校がっ……ついに全国大会へ飛翔しますっ!》
バボちゃんテロップ《泣かないでー汗、僕もいっぱい応援するね!》
アセアセしたバボちゃんが私を慰めるモーションをした。かわいいね。
「《バボちゃん、宇内美雪さん、ありがとうございました〜》」
バボちゃんとテレビの私は手を振ってスタジオに返した。
ばいばいバボちゃん、かわいいね。
てなわけではい。選手ご友人、美雪さんよりお送り致しました。ミヤテレさんインタビューご協力あざまーす。
テレビは切り替わり、スタジオに戻る。
「《いやあまさかまさかの大波乱ですね。県立高校が決勝進出とは》」
「《白鳥沢学園の皆様も大変お疲れ様でした》」
「《烏野高校は1年生が大注目ですね。
次週特別放送……宮城高校バレーの歴史と今期ハイライト解説。ゲストにバレー部協会 雲雀田氏をお迎えして30分拡大スペシャルでお送りします》」
「《……次は話題は、仙台市動物園についに誕生した、カピバラの赤ちゃ》」
プチン、──烏養コーチがリモコンで消した。
烏野高校排球部選手諸君は私に視線を向けた。
私の女優モード捨てたもんじゃないだろ。はっはっは。
「……………えへっ☆……やっちゃった☆」テヘペロ
「いや、………や、やりすぎくない!?!?」ゲーン
「コレ本当に美雪ちゃん??嘘、いつもの100倍くらい目にハイライトが差してない!?」
目にグッと力を入れると、色素明るめの瞳がパッチリするんですよ。
……普段半目で生きてきてサーセーン。
「宮城はテレビの権力が随一なんで、これでご隠居生活おじいちゃんおばあちゃんの高感度はなまる急上昇です。雲雀田さんのご紹介を対価で中々の長尺頂きました」シレッ
「……ちょっダメだ!!この子!!みだりに世に解ってはいけない!!将来敏腕詐欺師として猛威を振るう危険性があるぞ!!!」
「縁下さん、人聞きが悪いですね、涙なしには苦労を語れない……嗚呼、悲願の全国進出の烏野旋風が宮城中を駆け抜けるんですよ??ホントに要らないんです??」
「た………武田先生!!あ、悪魔ですコイツ!!魂が悪の心に染まってます!!」
「お、俺!B P Oに内部告発の電話を掛けます……!」
「成田君、縁下君……」
「はいっ!」「なんですか!」
「…………もちろん、嘘はいけません」
「「ですよね!?」」
「………ですが、……くっ………今回に限り………もっ、黙認しますっ………」だばだばあ
「せ、先生ーーーーッ」だばだばだばー
よぉーくかんがえよー♪おかねは大事だよー♪
相談せず勝手に動いたのは勿論良くない。
谷地さんポスターのやつも超要るし、第二作目を正式発注しようと考えてるけど!!
……正攻法でバレーボール部の活動費増額、嘆願申請も私は必要だと思ったのですよ!!
テレビで目立とうとか、芸能活動したいわけでもなく、プロモーションして実利ある部活動だって認めてもらうためにやってます!!
っていうかぶっちゃけるとデータバレーが欲しかったの!!!(by 年額約13万)
お金は全国大会活動費のためすっごく大事なのご存知無いのですか!!
「……あんなこと誰が頼んだの?」
「おれじゃないです」
翔陽がブンブンと首を振った。
そうじゃよ単独犯じゃよ。フフフ。
「君さあ、詐欺とかなんらかの罪を犯してない?捕まらないの?」
「罪ありません。色々な何やらの校内政治的に必要だったんですって……む、その顔は信じて無いな………では本心をば」
照れくさいので、こほんと咳払い。うっし。
「みんなっ…!」
私はテレビの自分とは違う、本当の笑顔をみんなに向けた。
【!!!】
「好き!」
日向翔陽を引っ張る。
「好き!!」
影山飛雄に飛び込む。
「だいっすき!!!」
そのまま月島蛍、山口忠にスクラムタックル。
「も~~超、大好きッ!!!」
あわあわしている谷地仁花、みーんなっ捕まえた。
全部まとめて抱きしめる。ぎゅー。
「重い」「暑苦しい」「あせくさ」「狭い」「…きゅ~」
誰がかけてもダメだった、この宮城予選に感謝を!!
「……春高全国大会おめでとーっ!!!だいすきー!!!」
「おお!!!」
「俺らもいくぞ!」「おおよ」
一年の団子状態に、二年生が折り重なって、三年生もぶつかってきた。
秋のおしくらまんじゅう大会が突然開催された。