30.さよならの笑顔をキミに
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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戻ると澤村さんのサーブが入るところだ。
試合はなんと第五セットまで進行し、2-2。
最終セットの後半も後半、なんてことだ……!!
帰ったら見直さないと!!
お隣の人の手を離して、両手で口を押さえた。
ヒィイ翔陽さんッゴメンナサイィィィイ。
「美雪、ここに居て、見てて」
「……もう。分かってるよッ」
「あ、……俺は、上に行くから」
「そう」
「うん。ありがと、”月島さん”」
「……!」
彼は眉間にグッと皺を寄せた。
───ごめん。ありがとう。
後ろ髪引かれるが、視線を無理やりコートに戻した。
「烏野やっばいじゃん??……蛍、ここで行ったらヒーローだっ!」
「僕けが人なんだけど?」
「フツーけが人ってそういう顔しないもんなの!」
「へえ~~勉強になりますぅ〜」
横にいる人と喧嘩をしながら、中へ入る。
腹が立つ顔をされたので、仕返しにオリャア、っと谷地さんたちのところに押し返した。
「…!」
「美雪ちゃん!月島君!!」
「月島!!」「ツッキー!!」
でも、間に合っても。
烏野14-白鳥沢15
第五セット、白鳥沢のマッチポイント!!
「あと一点!」「あと一点!!」
白鳥沢の応援が耳を刺す。
すると、烏養コーチが突然立ち上がった。
「下を向くんじゃ……」
《!?》
彼の大声で1年の4人とも背中がビクッと跳ね上がった。
「ねええええええええ!!!」
近くだけではなく、白鳥沢の監督たちも、
烏野応援席のみんなも、
飛び越えて、白鳥沢の応援席の生徒さんたちも烏養コーチの方に注目した。
でも、彼が見ているのは。
「バレーは…!!!常に上を向くスポーツだ」
──いつでも選手たちで。
仲間たちは、こちらを見て得心が行ったように 破顔った。
「あっ!!!?月島ぁ!!?」
「……月島と、美雪っ!」
烏養コーチと中の選手たちもこちらに気づいた。
私は胸を張って大きく息を吸い。
彼に向かって、両手を上下に広げ、片膝をついた。
「さぁさ、皆々様方大変長らくお待たせいたしました。……ヒーロー様のご登場よっ!」バーン!
「何キャラなの??お前もお馬鹿側なの??」
「あで」
蛍からはズビシーと、左チョップを食らった。
……白鳥沢は二枚替え。※同時に二人のプレーヤーを交代させること。
天童さんと山形さんが交代し、川西さんと……ジャンフロ打ちの湯野浜さん(ピンチサーバー)と交代。
「つきし「出血は止まりました、脱臼した所はガチガチに固定しました、小指なのでプレーの影響は最小です」──……」
コーチと翔陽はぽかんとした顔をした。
こちらに振り向く。
「ええ、その通りです」
親指を立てて肯定した。……痛い以外は、ね。
私は医者志望として、無闇矢鱈に痛み止めを使うのは好きじゃない。
もちろん……この選択は間違いではないし、尊重する。
「……お大事にどうぞ」「ん」
でも、この言葉だけはどうしても贈らざるを得なかった。
私の仕事はここまでです。