30.さよならの笑顔をキミに
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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引っ張り上げられたのは現実もだった。
ハッ、と顔を上げると月島明光その人が私の腕を掴んでいた。
「──わっ!?!?」
「!?……あ、起こしてごめん!でも大変、行かないと!!美雪ちゃん、立って走るよ!!」
「ふあっ!?……わっわっ、わかりました!?」
「「「いってらっしゃあー」」」
嶋田さんたち、明光。
───烏野応援席か!!
荷物は抱えていたので、そのまま背中に移動させた。
明光は右手をこちらに差し出していたので、自分の左手を渡し、一緒に階段に走る。
「何!?」
「蛍が怪我した!!」
「!……オーケー」
起こされた理由を知り、頷いた。
っていうか試合どうなった!?翔陽はハッピーですか!?(混乱)
扉の前に着くと、丁度月島君と谷地さんが出るところに遭遇した。
明光は左手を上げて、二人に声をかけた。
「……蛍!」
「月島君っ!!」
「……兄ちゃん何で居んだよ…。知ってたけど」
「む、弟の勇姿見に来たに決まってんだろ!……その様子だと死はしないな」
「死って何……生きてても肝心なとこで役立たずだけどね。まあ5セットなんて疲れるし休めて丁度いいよ。手痛いけど」
「………」
「「俺の仲間はほっといても勝つ!」そんくらい信じとけば良いんだ」
「そだよ!月島君!さっきのみんな、諦めてなんかない。……なら、もどれるよ!」
私はじっと月島君は右手を観察する。利き手じゃないすか。このあと勉強大変っすよ。
──薬指と小指の間の裂傷。乾燥した場所だとちょっと指が広がりすぎただけで皮膚は簡単に裂けてしまう。裂けている方向から推測するに小指も脱臼の可能性がある、なら救護室でやるんは冷やして固定か?……つーか、この後戻れるんか、試合の様子がわからない。今って何セット目だっけ??
「……んっ」
「おや」
私は何かに手を引っ張られて思考の海から現実へ戻った。
月島君の怪我していない方の左手が私に触れていた。
なんか、………試合直後だからかあったかい手。ちょっと乾燥しているからか、皮膚は硬め。
そのまま引っ張られ、明光と繋いでいた左手が自然と離れた。
「行くよ、医者の卵。……谷地さんは、うちの貴重で大事なマネージャーだ」
「ふあ!?」
「ウーン、確かに……そうだねぇ」
月島君は珍しく谷地さんの重要性を説いてきた。そうだね大事マネージャー。私知ってる!
「あっいや、私なんてそのっ」
「……谷地さん!!皆(選手)を…頼んだ!谷地さんが居たら絶対、心強いから!……ここは私が何とかする!」
「!う……うんッ!頼んだ!」
パンッ!
月島君と繋いでない方の手、左手で谷地さんとハイタッチ。
谷地さんは回れ右して皆のフォローに戻って行った。
「行こ!明光」
「……あ、うん?」
ご家族いるなら、色々代筆頼めるしついでに連れて行って損はない。
私《ヘイッ!》と親指と人差し指を立てて、診察室を示した。