28.対策と対抗
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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10月27日
全日本バレーボール高等学校選手権大会(春の高校バレー)宮城代表決定戦
──決勝戦当日
「おはーよ!!」
「おはよ」
「……澤村!応援来たよ!!」
「!」
女子バレー部の道宮先輩(元主将)だ。女子は惜しくも県大会予選に敗退し、すでに3年先輩方は引退されております。男子バレーの応援にきてくれたのですね。大変ありがたいです。
ちょっとうちの応援席おじさん多めで青葉城西の応援の時から気になっていたんだよね。
(脳内嶋田さん「お、お……おじさんじゃねーし!」)
やはり応援は華やかな女子がいてこそじゃないでしょうか。いや、男子くんじゃねえよじゃなくってこうビジュアル的に。
「すごいよ!決勝なんてもうっもうっ凄いよ!やばいよ!」
「あんたのボキャブラリーもヤバイ」
「ていうか顔!?痣!!」
「昨日ちょっとな。見た目派手なだけで大丈夫だよ」
道宮先輩、相原先輩、佐々木先輩。女バレの美女どころ揃いですね。眼福です。
念のため説明させていただきますと、黒髪ベリショが道宮先輩で、ポニテが相原先輩、前髪をピンで留めているのが佐々木先輩です。
さらにいうと道宮先輩はどうも澤村さんに気があるのがとても微笑ましいでございます。
菅原さんと一緒に、旭さんを避けさせお二人のお邪魔をしない空気を作ることにする。
「んっ?どしたん?」
「女子のひとかけの勇気は尊いもんなんですよ」
「???」
「……あの!それでっ!コレ!!」
「?」
「いやあの別に個人的とかじゃなくて、1個に皆分っていうか私たちの分も的なアレであって、別にあの」
「おお!?ありがとう…ベンチに置かせて貰う!応援頼むな!」
「任して!」
おお!!なんだこの少女コミックの世界!?
ここ少年誌じゃなかったでしたっけ!?ぐおおお、澤村さんと道宮さんの尊さで目で焼かれるっ!!
「これは推しますわ」
「ちょっと大地側に受容体が備わってない気がするケド」
「お二人さん何の話スか???」
旭さんのほんとに分かってなさそうな顔に、菅原さんと顔を見合わせる。
「うへえ…鈍感多すぎだろ」「くく、たしかに」
…県大会決勝ともなると烏野関係者は結構足を運んでくれている。
今日が休日なのも手伝って、昨日までとは数が違う。……まあ、それは白鳥沢もだけど。
「…翔ちゃん!」
「イズミン!!コージー!!」
「翔陽??」「どちらさん?」
「あっ!中学の!!バレー部…じゃないけど。試合に出る時に助けてくれた友達です!!」
「当時バスケ部でした」
「サッカー部でした」
「!!?どうりて足技上手い奴居るなと思ったわ!!」
田中さんは翔陽の中学のお友達を見たことがあるようだ。ということは、中学の子の県大会も見に行っているのね。将来の中学生の情報もきちんと勉強しているトコちょっと見習いたい。(私はちょっと追いついていない)
「そういや…タマやんさんは?カットサーブのうまい人」
なんか卓球した時出てきた子もバレー臨時団員だったのよね確か。
「よく覚えてたね……むっ……いない!!!」
「途中から来るって」
「翔ちゃんこの人は?」
「「……親友!!」」
私は翔陽と息を合わせて肩を組んだ。
「!!」
「……えええええ!!?」
「翔ちゃんに女の子の友達!?し、知らなかった」
「どうも美雪です。イズミンさん、コージーさん」
「女子にそう呼ばれるの照れるンだけど」
「ねェ、私も翔ちゃんてしても良い?」
「…だっダメ!!それだはだめっ」
「えー」
意外や意外。にべなく断られたので、シュパッと両手で人差し指を立てて、翔陽にぷすぷす刺す。
「なんだよう、いっちょまえに照れやがってよう、このこのぅ嫉妬すんぞ」つんつんつん
「ソレやめてえ!?…こちょごったい!!」
「翔ちゃん翔ちゃん翔ちゃん翔ちゃん……」つんつんつん
「マジでコレは仲良し」
「翔ちゃん知らんうちに遠いトコ行っちゃった…て!!あ!!」
「?」
「アイツ…!?何でアイツが居る!?」
コージーさんが、飛雄を指差した。
「おれも初日に同じ事言った……アイツにも色々諸事情がありましてね…」
「おいもたもたすんな!」「…都合が悪いからキレた」
「…がんばれよー!」
「おおよ!」「じゃあねえ〜また喋りましょー」
翔陽の友達と別れ、アリーナに入る。
くるっと振り返ると、手を振ってくれていたので返した。良いひとたちだ!
「よし上に荷物置いたらすぐ──」「あだ!なんだよ!」
澤村さんがびたって止まったので、菅原さんが軽くぶつかった。
お陰で私も菅原さんに当たって、さらに後ろに清水先輩もぶつかった。
「……ん?」「あ」
ちょっと違和感があったので、ふと清水先輩の手を握った。
……あったかい?いや。暖かすぎる。
「モミアゲのオッサンか。また来ていたのか」
「!知り合いですか!?」
「昔からたまに来てたな。父兄ではなさそうだから単に高校バレーファンの烏野贔屓なんじゃねえかな。良いと思ったプレーには歓声、そうでなければ罵声。昔から分かりやすいオッサンだよ」
「…二度と“地に落ちた”言わせねえ」
「そんなことより!!!皆さん大変ッ!!」
「?どした美雪ちゃん」
「清水先輩、発熱してます!!」
「「「「何ッーー!??」」」」
「……!」
私は、清水先輩の額に手を当てながら叫んだ。