27. あなたはライバル
お名前変換
設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(影山視点)
変装を解いたアイツと及川さんが二人で喋っているところを見かけた。
バスの時間も近づいていたし、その時はスルーしたが……何かが引っかかった。
それは…、あの組み合わせに嫌な予感…言いようのない気持ち悪さがあるから。
一度気になり出したら意識から外すのは難しかった。もとより複雑な人間関係絡みの問題は、自分には分からなすぎる。過去のトラウマもそうだが、単独で解答を導くのは難しい。
ならばどうするか、───本人に聞くしかないだろう。
万が一でも今日睡眠不足でもなったら困る。
着信履歴から美雪の名前を選んで掛けた。
「………もしもし」
そういえば、ここはバスだが、大丈夫だろうか?
いや問題ないな……自分以外は皆爆睡しているようだ。
俺もさっさと明らかにして睡眠時間を確保したい。今日は特に疲れた。
『はい、美雪です』
「さっき、あの人となんの話をしていたんですかコラァ」
『へえっ!?……ちょっと、通りがかったなら声掛けてよっ!窮地だったんだけど!!』
美雪の慌てる声。窮地?そうだったか?
「?フツーに会話してるように見えたが」
『あ、後半の方ね。……マジかあ、ちょっと長い話になるけど大丈夫なの?そこバスよね?』
「周り爆睡してるしヘーキだろ……長くてもいいから教えろ」
『ふうん?……なんか、……試合終わって30分しないくらいかな?……及川さんと牛島さんが二人でしゃべってるところにウッカリ出くわしてさ。……さすがにヤバい見つからないようにって急いで逃げたんだけど………結局その及川さんに追い掛けられて……捕まったんよね』
「え、それ大丈夫なんか?……似たようなコトした事あんだけど、そんときは岩泉さんがいなかったら大惨事なってたトコだった」
中1の時、それで後から(及川さんが気が立ってる時、声をかける際は気をつけろ)って言われた覚えがある。
『ええ、ええ。……ご予想の通り、修羅場。……でも、そこは見てなかったんよね』
「お、おぉ。……ホントに大丈夫か??実は怪我してるとかそう言うオチ、日向が怖いぞ……」
『何でそこに翔陽出てくんの。……まあ、多少?多少ね??…小競り合いがあってね、仲直りしたから』
「フーン。そっから和解まで持ってけるのはスゲーな」
『まあ、そこは向こうも飛雄の時より大人になったから……かなあ』
「俺が見たのはその和解した場面だったんだな」
『うん、………和解ね。…ああー…なんかさあー君がちょっと羨ましいって思ったよ』
「?…仲悪い方がいいのか??」
『ううん、私はただからかわれただけで、喧嘩っていうほど主義のぶつかり合いじゃなくって。受け流された形。……でも飛雄は真っ当なライバル関係築いているからきっとお互いの主張とかし合えるだろうなって。そういう意味で対等なのも羨ましいなって』
「言っておくがそんなに嬉しくは無いからな。ほぼ面倒しかないからな」
『あの人、一見絡みやすい明るい人物装ってるけど本質超暗いしネチネチだし……今日めっちゃ怖かったわー。あ!……そんでね、今日及川さんと言い争いして気付いた事があって、』
「?」
『───私はね。やっぱり宇宙一好きなセッターは飛雄。今あるチームの最善を選べる力とさ、背筋がシャンと伸びるような凛とした空気感を作るのが好き。
うん!あなたは今のままで一番、カッコいいっス。今日の試合、サイコーだったよ』
「…………!!!」
『悩み抜いて正解を選びたいと導かせた知略のセットっての、好きなんだ。こんな一極集中タイプ嫌いなわけがないって再確認した試合だった。気持ち良かった』
「……おお、……さんきゅ」
『なんだっけ、そうそう。モヤモヤは解決しましたか??』
「あ、ああ。……アレも、それも理解できた」
『そっか、それじゃ。また明日ね』
「ああ、じゃーな」
「「また」」
***
「……んっ??なんかとんでもないことをさらっと言った気がするぞ」
「(……なんか、心臓が……サーブ打つ直前みたいに早鐘打ってて……)……眠れねえ。」