27. あなたはライバル
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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(澤村視点)
「お願いしまーす」
「お願いします」
いよいよ青城試合が開始される。
主将同士お互い手を取って挨拶をした。
「身体は大丈夫なんだ?」
「ああ、どうも……後輩のお陰で、すっかり元どおりです。ずーっと動くのを禁止された介護の反動で、早く試合したくてウズウズしてるくらいです」
澤村の脳内では美雪の「動かないで」と言う声が再生された。妙に圧が強い。
いや、さっきの「どうぞ暴れていらっしゃい」もギャップがあり過ぎてつい笑ってしまった。俺の心配より青城のヘイト高過ぎだろ。
「マジですか。……ウチ、女子マネ居ないからそう言うノロケ話ちょっと嫌い」
「ははは、それはドンマイっす」
「……なーんか澤村君貫禄ついたんじゃない?」
「ああ……、この4ヶ月結構な曲者達に揉まれてきたんでね」
あのペナルティだらけの合宿、今振り返ると本当によく乗り切ったとホメてやりたい気分だ。煽られ、見下され、仲間の底力を見せつけられて、光のさす方に引っ張り上げられて。
きっとあの場所にこられたのは財産だったことは間違いない、が。
いや──素直にそれを認めるより、ちょっと辛さの方が勝った。はあ。
「よ、よくわかんないけどお疲れ」
顔に出ていたのか、及川に労われた。
「…裏が、青葉城西。表が烏野です」
審判のコイントス、こちらが選択できる。
「──先、レシーブで」
「じゃあサーブで」
様々な人の助けでここにいる。
頼りになる1年・2年、いつも俺たちに適切な戦場を整えてくれた監督、チームを俯瞰かつ客観的に指導するコーチ。常に自分たちのできる最善を考えて実行し、サポートしてくれる女子マネージャー達。
───俺たちがこの部に入った時には、ここには何も“用意されて”無かった。
ココに所属しさえすれば、俺たちは十全に闘えると勘違いしていた横面を容赦なく引っ叩いた現実。
正直、もしかしたら来る場所を選び間違えたのかもと思った時は何度かあった。
自分たちがいくら本気で努力し挑戦し続けても、できないことはあるのではと脚が止まりそうになった事もあった。
ケド、あいつらがいたから、脚を止めなかったから、またここに来れた。
ならば俺は、あいつらのためにももっと先の場を準備しなきゃならない。
青葉城西がなんだ、俺たちは全国大会で気にくわないネコとフクロウを倒す!!!
「っっシャア!行くぞ!」
「「「お願いしアース!!」」」