26. vs 家族
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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幸いにも歯の再植は可能とのことだったので、接着固定してちょっと歯茎も縫合し処置は完了。CT撮るまでもなく異常なしとのこと試合再調整ミッション、フルコンプリート。
良き報告となったことをこの後の試合可否についての診断書写メを添付し監督とコーチにご報告完了。
あとは抜糸の日程の予約も完了して、現在は会計待ち。この後もスグ体育館へトンボ帰り。
診察でバタバタしている間に、対和久南戦は勝利との連絡。皆上手くやってくれて良かったと澤村さんと胸を撫で下ろした。
あー……とうとう青葉城西戦の公式戦に立ち会うのか……怖……。
「……俺はさ、日向と美雪ちゃんが2人で初めて来た時さ、成り行きでマネージャーなってくれるだろうなって見てた」
「……それは、ご期待に添えなくてすみません……」
「いやとりあえず聞いて欲しい。なんかな、清水と一緒に考えてたんだ。プレイヤーではないから、まずはここを心地よく思ってもらうように、2年と3年には協力をお願いした。全員来年度マネージャー引き継げる人、居ないと困ったし。……正直、打算はこっちもありまくりだった」
「5月末、いや。……GWの時はさすがに圧が凄いなって思いました」
ちょっと当時を思い出し笑い。
「………でだ、覚えているか。日向と険悪になった時期があったよな。そん時さ、インターハイで有耶無耶になってた事……今でも引っかかっててさ。あんまりフォローできなかった事ちょっと後悔してる。ごめん、その時もっと美雪ちゃんに話を聞いていれば今こんな悩ませる事は無かったと思う」
「いいえ、私は自分の中で勝手にみんなの重荷になるかもってやっぱり内に塞ぎ込んで…、澤村さんが責任に思う必要は無いです。私が逃げて、逃げて……遠ざけて……そんなことで解決することは無いのは分かっているのに、翔陽から顔を背けて。
いや、飛雄には本当感謝しかないですね。引き戻してくれたから、今日の澤村さんを助けられる私になった」
仮にあのまま翔陽と喧嘩別れしたままだったらどうなったかっていうと、結局あまり良い結果にはならなかっただろう。本当に短絡的かつ視野狭窄だったと反省しかない。
「そうだな、改めていう。
今日、駆けつけてくれてありがとう。きっとみんなも美雪ちゃんだから大丈夫って安心して送り出してくれただろうし。俺自身、体育館出る頃にはもう『田中も縁下も大丈夫』『俺、次も試合出れるわ』って分かったから」
「……水を差すようですが、澤村さんの方は医者のお父さんが大丈夫って言ったからでは?」
「ハハそうかも、でも君も信頼してるって話ですヨ」
「……なるほど」
今日の澤村さんはちょっと眩しい気がする。
何というか徳が高い。聖なる業火に焼かれそう。
「後なんか、お父さんと、その……あんまり過ごしてないんだな」
「ああ、仲が悪い訳では無いですよ。ただ別々に暮らしていて、私がこっそり自由を謳歌させていただいてます。結果的にここに受けられたの、父親のおかげですしね。でもそうですね、今日初めて親に真っ向から反抗期してしまいました」
親子戦争しようと思ったら、澤村さんが大部分敵意を削いでくれたけど……まあそれでも覆水盆に返らず。多分お父さんの意には従えぬと言ってしまったワケでございます。
「良いんだよ別に。やりたい事はやれば良いし、やりたく無い事は言っても良い」
「!」
「反抗期の仲裁なんて長男的には手慣れたもんだ」
「あら一番上なんですね」
「……お?意外か?」
「いいえ逆、すごく長男っぽいです。しかも下に兄弟3、4人はいそう」
「……よく言われる……しかも正解……」
この人の絶妙な大人っぽい&苦労人オーラは、兄弟仲裁に慣れているからか……。条善寺戦の観覧席議題の一つがご本人回答により解決也。
「───澤村さーん、お会計です」
「あ、はーい」
「いえ……代わりに行って来ますね。座って下さい」
「……ういーす」
澤村さんは目を細めて口を真一文字に結んでいた。
わかった。コレあれだな、世話焼き系の妹への対応パターンだな。澤村さんへの理解が進んだ宇内であった。
《これでなーんも考えずにこの後の試合オーダー考えられるわー感謝》
携帯メールには烏養コーチからのメッセージがあった。