25. それぞれの夜
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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①条善寺編
「おお、みんなの食べっぷりすさまじいですね」
こっちのチームは健啖家が多めです。そして私の目論見どおり奢りの穴原監督の顔色は悪くなっている。
「そろそろ食べ過ぎで今晩苦しくなって眠れなくなるぞ……?」
「大丈夫でぇ〜す。あ、山盛りポテト追加お願いしまーす」
「俺も」「こっちもおなしゃーす」「うぇーい」
「……あ、そうだ。宇内さんはお代わり大丈夫?あんまり空いてないなら気にせずデザートでも頼んでいいよ」
「えへ、ありがとうございます。じゃあえと、コーヒーゼリーとアイスのセット欲しいです」
「……この半分だけでもいい。ウチの奴らには謙虚さを見習って欲しい」
「監督……そうですね、分かります」
「お、お二人ともそんな悲観せずとも!ここも来年度の新入生希望で来る子いっぱい居るって聞きましたし!」
「「えっマジ!?」」「マジマジ」
観覧は選手関係の高校生だけではなく、地元の中学生も受験校の選定目的で足を運んでいる。確かに中学生の大半は白鳥沢や青葉城西などのトップ校目当てが多いが、烏野ファンも条善寺ファンもちゃーんと存在している。
そのことを伝えると二人ともじいいんとした嬉しそうな顔をした。
「やったあ、来年は真面目な子が…!」「おめでとうございます、監督っ」
「すんません。水を差すようなことを言いますが、チャラノリ系の子にウケが多かったです」
「どうして……」ずうううん
御社の持ち味だから仕方がないのでは。三咲さん穴原監督が落ち込む一方で在校生レギュラー達は笑顔になった。
「お?何??ウチの部活目当てに新入生来んの!?そりゃあ超アガるな!!やべえ」
「明日も部活だよな、ですよね!?監督」
「あ、ああ……、一応体育館はさっき全日押さえておいた…」
「っしゃあ!!」
今日の出来事で彼らはもっとバレーにハマったと思う。
それは素直に嬉しいし、来年もまた会えることが楽しみになったと私は思う。
****
「…そっかー、美雪ちゃんは1年でもう進路の悩んでいるのなー」
「多分、真面目とかではなく不安症なんです。あとからもっとこうすれば良かったとか、選べる道が少なくなる事がどうしても怖くて…」
私は今、条善寺に進路相談する感じになっていた。三年、先生と一緒なので先輩のアドバイスを欲しいと言ったら二人とも快くOKして下さった。
「今は、お医者さんと、中学校の先生と、スポーツ協会のスタッフ…その三つで悩んでます。どの職も体験程度ですが楽しいって思ったし、周りからも適正はあると言われて嬉しくて。……ですが全部やろうとするのは現実的ではないし、困ってます」
「少なくとも医者は医学部、先生は教育学部で全然受験対策違うもんな」
「はい。今はまだどっちも選べますが、こうも言っていられないですよね」
「ガチめの進路相談超嬉しい…なんでこの子、ウチの部にいないんだろう…」
「そんなことは。栗林さん、今日は帰っちゃいましたけどその内監督を頼ってきますよ」
「ねえ、照島は進路とか絶対考えてなさそう。ちょっとはこの子みたいに焦りなよ…」
「え〜?俺だって真面目に進路くらい決めてますぅー」
「ほんとかなあ…?」
じいっと舌ピアスを見る私達。
「大半の高校生は何になりたいかわからないっていうタイプも多いし、悩んでいるって言っても、ある程度選択肢を絞り込んでいる宇内さんはすごいなって思うよ」
「三咲さんは受験終わりましたか?」
「ううん、私はセンター受けるしまだこれから。明日からは受験一色。勉強漬けよ」
「なるほど・・・」
「奥岳君はAO入試でもう受かってるから、割とダラダラ暇そうにしてるの地味にムカつくのよね」
「受験…イージーモードとベリーハードの差が激しいですよね」
「あくまで俺個人の意見だが、選択肢っていうのはフツーなりたいもの順に出てくると思う。1が無理だったら、2、どちらでもなかったら3。……真っ先に出た医者っていうのが最初の進路だよな。難易度順でいうならJVAが一番だけどな。ぶっちゃけ現役ストレートにこだわってないなら順当に行くのが良いと思った。どれも年齢制限ない職だしな」
「なるほど・・・?ありがとうございます」
私はゲームでいうなら、パラメータ不足で一つの職しか選べないとかそういう状態を恐れている。一番選択肢を多く取れるなら、という観点でも医学部を選ぶのが一番簡単なのかもしれない。
参考にさせていただきます。
「そーゆー三咲さんは、将来何になりたいんスか?」
「おぉ?俺も聞いた事なかったな。三咲、よかったら聞かせてくれないか?」
「!……え、っと。私は…」
条善寺マネージャーは冷や汗をかいて、目も泳いでいた。