24. 本戦出場
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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旭さんサーブを受けたリベロ土湯さん→セッター二岐さん。
飛んでセットもあるけど…これは明らかに 攻撃の体制。
バアン!!大きな音を立てて眼を見張ると、飛雄の鼻に直撃を食らってボールが上がった。
……!?翔陽さんの裏十八番!!飛雄が!?珍しい!!!
「おおぅ」
「影山くんナイスブロッ……アレ??音が…」
「…え…今のブロック…顔面だったぞ!?」
「ヒイッ!?……い、行ってくる!!!」
「いてらっしゃ!」
出血を確認した谷地さんは弾かれるように一階へ降りていった。
「うわあああ!!影山あああ!!!……死ぬなあああ」
「殺すなよ」
受け答えを見る限り大事には至っていない様子だった。
「……え、あれ?美雪ちゃんは行かないの?俺帰んないし荷物見とくよ?」
谷地さんが下で合流しているのを見て、滝ノ上さんが聞いてきた。
えーと、ちょっとバツが悪いというかなんというか。スッと滝ノ上さんから目を逸らした。
「うぐ……いや脳震盪でもなさそうだし…そんなに大勢で行っても……」
「ふーん??」
そんなことより烏野に未曾有のピンチよ!セッター交代!
タイムアウト。飛雄→スガさんへチェンジ。
こりゃしょーがない。
試合が再開される。
****
———そして。
翔陽→成田さんへチェンジ。
これも、しょうがない。
「…………」
「美雪ちゃん、顔怖いデスよ……」
「!おっと失敬しました」
……早速、菅原さん&成田さん急造ピンチヒッターズは見事得点。皆の予想通り、菅原さんと組ますMBは翔陽より成田さんの方が効率がいい。軽くてレシーブ範囲が小さいので防御力は低い割に、攻撃力はセッター技工依存。
飛雄とスガさんは全く違うタイプのセッターで……心なしか、チームの明度が変わった気がする…むむう。
やっぱり普段の、がいいなと思った。
翔陽の背中を見て思うのだ。
そんな事を考えていると、谷地さんは席に戻ってきた。
「影山君は大丈夫でした!」
「おかえり」
「おお、みたいだな、おつかれ。でもメンバーはまだ変えずにいくぽいな」
「変人コンビ入れなくてもこのセット取れるっていう超絶信頼感!です!」
「……です!」
しかし、一年だらけの選手ベンチ応援席が妙に新鮮だ……。飛雄も翔陽もコートにいる時以上に声がでけえ。
…あん?応援力では負けないぞ、笛出すか?お???
「今日はダメだよ。」
「はい」
横の人に止められた。
しませんって。冗談ですよ谷地先生!
「同時多発位置差攻撃!!」
「……スガさん版!!」
「かっこええ……!」
「あと一点!!」
鼻血トラブルのせいか、試合開始直後の谷地さんの緊張はかなりほぐれているようだった。怪我の功名とはまさにこの事か。
谷地さんのお陰で私の調子も戻ってきた。
試合に戻ろう。
成田さんサーブ→土湯さんレセプション……。
するとダッ!っと条善寺の全員が、助走に行った。
「!」
「……条善寺も、同時多発位置差攻撃!?」
「……あっはっは!!公式戦で本番1発勝負!?見たことなーいっ!!!」
これこそまさに台本にない試合運び!
烏野が習得に2ヶ月掛かったシンクロ攻撃を見様見真似で返してきた。
うん!こんな高校、インハイの動画なんてぜんっぜん参考にならない!
私は驚きを通り越してツボにハマってしまった。
「よっしゃああああ、あ、ああ…あ」
残念ながら、セッターのボールは明後日の方角へ行って照島さんのスパイクは失敗した……
「…い、いまの!!おかしくない!?」
「そうだねー…凄まじいねえ」
「やれると思ったのにーっ」
1セット取られる緊張感なんてまるで感じてないのね。
まったく。ドキドキする試合だ。