23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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次の日
早朝、空中散歩。
with研磨さん。
「せっかく飛んでるのに、ここでスマホゲーすんの??」
「期間限定イベント中だから周回しないと」
「ちょっと意味がわからない……」
「朝の上空の気温はちょうど良いよね。涼しいし、虫もいないし、ちゃんと電波も良好ゲーム日和」
「飯時もずっとそれやってるよね……」
「だって練習中はできないし。今やらなくていつやるんだよ」
「そ、そう……だね……」
そんな迫真の表情初めて見たわ。
思わず肯定してしまう。
「……翔陽ってさ、すごく面白いよね」
「?……うん」
唐突ね。
あとパズドラの画面から目を外さず喋るこの人めっちゃ器用やな。
「時々ゾワっとするような動きしたりとか、そういう読めなささが面白い」
「なるほど、バレーね。トリッキーな敵が現れたなっていうワクワクかな」
「そう。勝ちパターンは予想できるけど、安定して倒せないモンスターかな」
「言い得て妙。ポケモンでいうと、確2かな」
「いや、乱2かな」
「おぉっ高評価」
「翔陽を完封するには3欲しいな。初めて会った時は確2だったけどね」
大人猫とヒナガラスの差はちょっとは埋まったかな。
でももっと研鑽を積むんだよ、我らが雑食烏はさ!
「だから、翔陽っていいなって思う」
「そっかあ、私も二人とも面白いから好き」
そういうのって良いよね。
県を超えて、ちゃんと友達してるのって実は研磨だけじゃないかなあ。
「おれ、面白い?」
「失礼な話だけどさ。私は、どこか研磨はバレーをやってるというより、バレーをしてるって感じなのよね。そこが変わってて面白い」
「……?……付き合いでやってるみたいな?」
「んー……させられているとまでは言わないけど……」
「時々なんでこんな陽キャの巣窟(笑)に居るんだろとか鬱になる。……でも、辞めるほどイヤな事が遭ったワケでもないし友達と遊ぶのは嫌いじゃない、かな」
「そうだね、だからかな」
「?」
研磨は根っからのゲーマーだ。レベル制なら日夜チマチマレベル上げスキル上げを惜しまない。気持ちの良い完クリの為、ボス戦までにLv100をキッチリ終えてから挑む。プレイヤースキル系なら、圧倒的な蹂躙が出来るようになるまで念入りに武器と防具を育てて、指で覚えるまでひたすら研鑽、プレイ時間は惜しまない。どちらにせよ時間をたっぷり使ってゲームを愛でる。誰より効率厨に見えて真反対の人だ。
バレーもそんな《研磨が今プレイ中のゲーム》の1つなのだけど、他のゲームのプレイ時間を削るエネミーでもある。だから第二の軸みたいな感じの距離感。
サブウェポンバレープレイヤー。
東京連合チームのレギュラーの人は、部活が第一って人が多めだから、割と珍しいタイプ。
月島君や赤葦さんもコヅメ族近いが、負けず嫌いが高じて結局コッチにのめり込む人らだから結構熱中派。
「……結果、研磨は友達甲斐のあるいいヤツで面白い」
すると、研磨は一瞬ムッとした顔をした。
何か言おうとしたが、スマホ画面に視線をやった。
「……あ、いい配置」
「……おぉ……モリモリ削れてく……それ楽しい?」
「普通」
「へー」
そんな感じでゲームを見守るとスマホアラームが鳴る。時刻は6時。
「散歩は終わり」
「そっか」
「……おれは、そんなに面白いヤツじゃないと思う」
「そう?」
「友達と散歩中でもゲームしてる」
「あはは」
「気の利いた笑い話もできない」
「……」
「そんなおれと友達やれるやつって、ちょっと…変だと思う…」
「けなされた!?」ゲーン
「……でも、そんな変なヤツは同時に面白いヤツとも思う」
「……おお」
褒められているんだろう、…おそらく翔陽ごと。