23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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パンケーキ会2
「ひょあえー!?どれも美味しそう〜〜!!」
「「でしょー」」
山口君と私は口を揃えてドヤった。
こちらはパンケーキ会。
本日は谷地さんをゲストに迎え開催となりました。
翔陽さんも誘ったが、切ない顔で「ごめん……最近シューズ買い換えてお金ない……」と断られた。そういえば、近頃の翔陽の水分補給元は全てウォータークーラーだった。
ちなみにカンパを申し出るも、武士は食わねど高楊枝と穏やかな顔で断られたのだった。(腹は鳴っていた)
奇跡的に慣用句の使い方があってるのも何故か哀愁度を上げて、皆で何とも言えない顔で見守ると、田中さんが穏やかな顔でコーラでもオゴるぜと肩を抱いて回収。
二人は穏やかに去っていった。
はい。……パンケーキ会に戻りましょう。
「ストロベリー」
「チョコバナナとスペシャルフライ」
「はちみつ2つでお願いします……飛雄は?」
「エ、グベ?……あの、コレお願いシャス」
「エッグベネディクトですね。かしこまりました」
「言えてないし。頼み方園児かよ」
「……うるせェ。伝われば良い」
「でたコミュ障王様」
「ネチネチ月島の方が問題あると思う」
「はあ??」
「あ?」
ズゴゴゴゴゴゴ……。
仲悪っ。なんでどっちもいちいち突っかかるんだ。
「スペシャルフライお待たせしましたー」
「ありがとうございます。二人分けるね?」
「うん」「あざーす」
影山氏と月島氏に小皿分けて渡した。
「ハラ減ってピリピリすんのやだからなー」
「うまい」「ん」
そりゃ良かった。
「山口君が大人に見える……」
「そう?そんな事ないと思うけどー」
「参考になります」
ポテトをムシャムシャ食べてる山口君、度量がデカイ男だった。
「パンケーキお待たせしましたー」
「はーい」
*********
「連携で不安な点は、ある程度解消したよね。新しい速攻も成功率68、1……試合で使えるレベルだと思う」
「あぁ。一斉に動くやつもミスは減ってるよな」
「………それ俺に来るやつ、まだ不安だから精度上げてきたいな」
「分かった。山口には明日、多め送る」
「うん、ありがと。………ツッキー、気になるとこは?」
「なんだと?……オイ、何修正すれば良い?」
「お前には別に……日向にはあるけど……明日本人に言うから良い」
「そうか」
「谷地さんはどう?不安な点とか、教えてほしいな」
「あ、うん……初戦の条善寺対策なんだけど、美雪ちゃん情報だと日向みたいな人がいっぱいだなーって思って」
「コートの中にも外にも日向……?地獄かな」
「暴言やめて。……バネとか、スピードは確かに高いチームだと思う。特にインハイの準々決勝の時、スッゴイ動きしてたし」
動画配信サイトの一場面を再生してみる。
特に山口君と月島君は嫌そうな顔をした。
「はー……なんだこの動き?コート全力シャトルランか?」
「そういうスポーツじゃねーからコレって言いたくなるよね……と、谷地さんは条善寺戦の対策を取りたいのね」
「うん……。強いチームだし、穴になりそうなトコを埋めたいみたいな」
「なるほど」
1年で出来ることなぞ限られている。
作戦立案は烏養コーチと澤村主将・菅原副主将で組んでいるためだ。
しかし、部活終了後、どうせ店で集まるなら問題点洗い出しと対策会議をしたいと山口君が提言したため、時期と重要性からそれが良い案と始まったのだ。
脳が多いと、気付きは多い。
「スタミナ不足がさー……」
「それならこういうトレーニング増やすのがいいと思う」
「あ。なるほど……分かった、家でやってみる」
「何だっけな……あ、家に本ある。スゲー参考になるヤツ」
「へえ。……明日とか持ってきてもらえない?」
「ああ……どこ仕舞ったか……」
「無理なら著者名か題名でも思い出して貰えれば自分で探すよ」
「ん……ー?……」
「山口、期待はしない方がいい」
「あはは……」
飛雄はノートに山口、本、トレーニングと書いていた。Google検索みたいな書き方だな……。大丈夫かそれ、思い出せるのかそれ。
「またすぐ東京だし……山口君、無理しないでね」
「あー……うん、ありがとう。確かに突然負荷増やしたら体調崩すかな……」
「体は大事だよ」
「そういや向こうのチームではどうよ、月島君」
「向こう?」
「兄が所属してる社会人チーム。……ムカつくオジさんをドシャットすんのが目標ー」
「なんだ、楽しそうで何より」
「耳ついてる?それとも馬鹿?」
「ついてるついてる。何するか分からず漠然と練習するより当面の攻略目標が着く方が燃えるでしょ。そのムカつく中ボスオジさん倒して、経験値にしてさ。全国レベルのボス倒すんでしょ」
「……変な例え。……万一でも勝てると思うの」
「あはー研磨と昨日ゲームしてたからかな。少なくとも音駒は今も烏野対策してトレーニング中。つまり春高での仮想敵足り得るチームだよウチは」
「…………そーだな。そうだよな」
「結果、分かんないけど。次があるつもりで戦わないとだね」
「………うん!」
「能天気過ぎ」
そう言いながらも機嫌は良さそうな彼でしたとさ。
「「「ごちそーさまでした」」」
「フライセットは3人で割り勘」
「オッケー」
「なあ…。この、電卓の333.33333…ってどう分ければ良いんだ???」
「……333円と各自1円玉三等分に割れば良いんじゃない」
「えっ」
「なるほど……お店の人はそれを接着剤か何かで補修すれば良いのか」
「だ、ダメだってば。月島君……この子そういうの本気にするタイプ!」
「あははマジ?」
「影山君、お金の故意の損傷は…えっと、貨幣損傷取締法で20万円以下の罰金または1年以下の懲役だよ…?」
「そうなのか!?あと割ったあとの3分の2、1円の使い道が困る」
「そこ??ウケる……ここまで馬鹿とは思わなかった」
「ところで谷地さん法律にも詳しいんだね」
「無知故に詐欺集団とかに蜥蜴の尻尾切りにされて、犯罪幇助で前科1犯とかになるのは嫌だからね……」
「……慎重さもここまで来たら才能の域」
「谷地さんは将来間違いなく出世する子だよ」
「結局いくら払えば良いんだ」
「300円でどう?俺が頼んだし端数気にしなくて良いよ」
「そうなのか……?サンキュー山口」
「影山の気質もある意味羨ましい」
「へえ、珍しい。なんで?」
「ツッキーは損するの嫌がるんだけど、借りを作るのは更に嫌なんだよ。はい、お釣り66円でいい?」
「山口うるさい……ん、丁度」
「めんどくさ」
「確かに遊ぶ人選びそうだ」
「私も収支キッチリ派だなー」
「テキトー派」
「「知ってる」」
良いじゃんかよー。もうおごんないぞー。
あと山口君……なんでいつも全種類の小銭を4枚ずつストックしてるんだろとか思ってたけど…もしや月島君対策??