23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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(月島視点)
息を吐いて、そして吸えなくなった。
クラクラする。
手の指に力が入らなくなって、携帯が床に落ちる。
兄は、何か言ったかもしれない。
何故かワンワンと耳鳴りがする。
宇内さんは一瞬、眉を寄せ……。
口だけ笑みを作った。
「……そっか。……うん、私……、だよ…ねぇ」
まって、こんな死にたくなるような顔で……、泣くのか?
僕は、………僕は……そうだ。
僕なら言える。
「……チョット、お二人さん。何をいちゃついてんの」
一つ、ことばを紡ぐと、息ができるようになった。
手の痺れは取れた。
携帯を拾い上げる。
目の前の二人は目を丸くしてこちらを見た。
何、忘れてんの?
「いちゃついてなんてないしー」
「……蛍ーッ、お前は今日ホンットー!」
「あーうるさ、もう帰るよ二重アゴ兄」
「それやめろマジで!!」
紅茶を飲み干して、車のキーが入った兄のボディバッグを持ち上げ玄関に歩く。
「宇内さん、じゃ帰るから」
「あ、うん……。わかった……えっと、」
「見送りはいいから」
「そう?……じゃあ今日はご馳走様とお母様に伝えてね」
「ん。……また明日」
「はい、また明日」
兄ちゃんはこんにゃくを詰めていた。
はあ、ダメ兄ほんっっと駄目だな。
「「お邪魔しました」」
「また来てねー」
二人で車に戻る。
兄はエンジンをかけて暖房を強めに掛けた。
「はあー………」
「……………」
兄ちゃんは大きなため息をついた。
「もう俺、美雪ちゃんとメシ食うのしばらく辞めとく。蛍、あんがとな」
「は?」
「……は、ってお前……。美雪ちゃんすっげー困んだろ?」
「……宇内さんが困ろうと超どーでもいいけど」
あの人気遣うとか変人コンビと手を繋いで登校するよりありえないんだけど。
「そーか??……ま、あのときに事は直接謝ったケド……これ以上罪を重ねる訳にはイカンです」
「それは全面同意」
「うおい!」
兄に裏拳で叩かれる。
僕がしたかった事は、兄と宇内さんのギクシャクを取り持ちたかったわけではない。
ましてや家を見せたかった訳でも見に行きたかったわけでもない。
その関係がどんだけ面倒くさいモノになるのか、認識して欲しかっただけ。
僕は宇内さんが義理の姉になるとか鳥肌が立つくらいマジで嫌だから。