23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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リビングにあるものが置きっ放しだったので、サッとテレビ台へ仕舞った。
「ニルギリ。ケーキ食べたし茶菓子もういいよね?」
カップを蒸気で温めて、角砂糖を出してる間、月島兄弟に振り返る。
ところで紅茶カップは煎れる前にあっためるという行為、私は漫画で知ったよ。侮れないよね漫画。
……逡巡した結果、茶菓子が入っている棚を何も選ばず閉める事を告げると二人からストップが掛かった。
二人とも菓子をヨコセの顔だった。
「は?食べるし何言ってんの??」
「え、何言ってんの?今度こそ俺が食うし」
「結局明光のモンブランも独り占めしてたね」
「……最近走ってばっかりでカロリー不足なんだよ」
「紅茶じゃなくてプロテイン取った方が良いんでない?」
「ザバスがふっくら腹肉になる兄とは違いますー」
「おまえ風当たり強くね」
ガラ悪いな弟君。
まあいいや、クッキーとかでいいかな。
クッキーを出してテーブルに置くと、蛍氏は皿を独り占めした。
……ナニユエ。
「兄ちゃんはコンニャクでも食べとけば」
「なんで紅茶にコンニャク!?!?」
紅茶にコンニャク…新しいな。
冷蔵庫にちょうど……。
「はい明光はコンニャク」
「ご所望の品だ」
「……ノらないで!!ちょ、それ何?」
「酢味噌、こっちはゴマだれ、辛子酢醤油」
三切りタレ皿にいれてみた。美しかろ。
「プクスー。至れり尽くせりジャン」
「美雪ちゃん蛍と組むと悪ノリしてくんの地味に嫌なんですけど!!!」
しかし出されたものは残さず食べる主義らしく、「合わない…」とボヤきながらもコンニャクをつつき出した。
「美雪ちゃん、この参考書……」
「……!うん。一応ね」
「大学、東京なんだ」
「……うん」
さっき隠した赤本に突っ込まれる。
テレビ台は意外と目に付くんだな。うーん。
どの本も東京の問題集。
明光の地雷かもしれないから、あんまり話したくはなかったのだけど。
「やっぱ宇内が居るから?」
「や。あんまりカンケーないかな。場所も違うし。……あんまり賛成じゃない…かな?」
「………なんで俺を伺うのさ、変なの」
「……だよねー。ハハ」
くそ、明光が何考えているか分かんなくてちょっと怖い。蛍君の方へ目を向けると、スマホを弄っていた。
コレ続けるのか…?いいのか??
「……私は、さ……これでも明光を結構支えにしてるトコあるんだよね」
「そうなの?」
「前の東京行くときも、そうだし。……中学の時も天満より何より先に明光に聞いてもらってた」
「……そっか」
「そう。結構色々相談したじゃん?……だから明光が私がまた一人になる事を、心配してくれてるなら……」
「………」
「……だよね。だから、県外出るのも嫌がるかなーと」
だああ、もう!!……まだるっこしい!!
私は今、明光の地雷をゆっくり踏みに行ってる。
《明らかにしてはいけないナニカ》を暴く為に。
「ねえ、あきてる………わたしのこと、すき?」
小学校の私、中学校の私、高校生の私。
どの私も知りたかった、それを遂に……訊いた。