23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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「晩御飯ごちそうさまでしたー。……ではそろそろ」
「そーね。もうこんな時間ね。……明光、送ってあげて」
「うん。行ってくる」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
「じゃあ蛍くん、また明日」
月島家で《月島君》はややこしいので、名前呼びさせて頂いたという一幕。
呼ぶたびに、戸惑いの目を向けられるので明日からは戻すのだが。
「……場所どこ?」
「カーナビ借りるね。…おお、この車もう懐かしい」
「美雪ちゃんシーだよ。……ちょっと片付けるからセットしといて」
「はいはい」
モロばれているの知らんのかこの人……ま、いいや。
後ろの積み上げ惨状は出来る限り見ないようにした。
あの時もトランクにミチミチだったんだろうな…。
「じゃ、しゅっぱーつ」
「はーい、しんこー」
パカ
「……失礼ーしまーす」
「ウワッ!?……えと、お兄ちゃんとドライビングご希望?」
「いやなんか、宇内さん家の豪邸気になって」
「えー、まーいいや。それじゃー、カーナビに従って安全運転で参りますー願いします」
「はーい」「なんなのそのノリ」
車には月島兄弟と私の3人。
また気を遣われてしまったかも。
所要時間は15分。月島ハウスから烏野は近いが、私側はバイク通学相応には距離がある。
明光は発進時にさりげなくサイドミラーでアゴをチェックしてた。
「もーキモいから普通に聞くけどさ」
「なに?」
「宇内さんは兄を好きとか無いの?」
「ファッ!?」キッ
「ぐえ」
「…うっ」
コントかって急ブレーキ。しかも道のど真ん中でかけてきた。
公道で緊急停止していいのは警察に止められた時だけやで。それも路肩推奨や。
「……そうなの!」
「なんだその顔ハラタツな」
明光は、若干ニヤケていた。
「本人目の前で言うの?友だちとしてはそりゃ好きだけど……ちょっと真剣に考えると……?」
「えー……」
「冷静に考えて年の差6年、ぶっちゃけ子どもと恋愛とか無理くない」
「えー。世の中の年の差カップル全否定じゃん!万が一だよ!?美雪ちゃんが大学卒業くらいに仲良くなって〜みたいなのさ!あっても良いじゃん!」
「妙にリアル」
「ふふーん」
「あれ?席前後ろ変わって」
「幅が窮屈だからイヤ。……来んな!」
「っ……力強ッ!!」
「お前今違う力掛けてるだろ!必死か!!」
「必死さ!!」
「危ない危ない、二人とも暴れない」
ヒョロガリのくせに腕力はあるんだなチクショー。
推定80kgは掛けたったのに……。
「お、降りる!!!」
「待って待って、今からどうなるとかは無いから!…ただ俺は、美雪ちゃんをそれなりに女性として尊重してるってことで」
「……ううん……??」
「車動かすねー」
「オロシテ……一人でカエル…」
「こんなど真ん中一人はダメっしょ。フツーに」
いやでも…逃げ場がないというか…よくわかんない…なんだこの気持ちは…。
いや人に好かれているというのは間違いなく良いことなのだが……。友人として好かれるのはアリなのに恋愛対象として見られるのはアウトというのは、あまりに身勝手が過ぎるよな……でもそうなると距離を置きたくなる気持ちも多少ありんす……なんだこれ混乱してきた。
「……なんか、蛍君の言葉を借りるなら…モヤモヤして気持ち悪い……」
「え!?!?ごめんそんな気にしないでよ!!これからもよろしくって話だよ!!」
「なる…ほど…」
う、自分も木兎さんに同じような事を告げたけどね……これもこれでしんどいわ。ごめんマジで残酷な事したな私。
好きならモヤモヤし逃げたくなり、意識してないと言われたら傷ついて……ぜんっぜん吹っ切れてねェ……。
……でも、コレはあの時置いてきた。
「はあ……分かったよ。コンゴトモよろしく」
「はいよ。……蛍が妙なところ突っ込んで来るから焦ったよ〜もうー」
「気を使うとかキャラじゃないし」
「はいはい」
カーナビが目的地ゴールを示した。
我が家だ。
「…………」
「えっと、たしかに土地だけは広い。しかしながら、土地の割に邸宅はそんなに大きくは……」
「スッゲエ……宇内の家より……大きい」
「うちの親は客を招くことが多い職種だしね……上がってってよ。そーだ、お歳暮でもらったいい紅茶あるよ」
「ふーん」
紅茶で蛍君が釣れた。
「あっこらこういう時はサッサとお暇……蛍!?常識ないなコイツッ!」
「はあ??オジャマシマース。……宇内さんにそーゆー気遣いしなきゃいけないの?精々高いお茶飲んでサッサと帰るし」
「後半いる?」
「……あーもー。俺早く休みたいだろうと思って送ったのに迷惑結局かけちゃって……」ガシガシ
「いいよいいよ。あはは、この兄弟ほんと面白い」