23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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「縁側って初めて」
「さっきから感動してるトコ悪いけどフツーの家だよ」
「ワーワー!!待って、二人とも!!今、単行本片付けてるからまだ来ないで!!」
「大丈夫。私、明光が片付けが苦手な事……とうに察してるから……」
「そ、そそそそんなことないし綺麗好きだし俺!」
「ノーコメ」
「あーあー、ONE PIECEが崩れて……仕方ないなあ」
超能力で、横積みになって崩れそうな単行本を抑えて段差を失くしてあげた。危うく外に落ちるところだ。
明光はなんかまだ足掻きたいようなので、片付けるまで待つとしよう。
「あれー??34巻だけないなー??」
「……ちょっと、そういう作業後にしなよ」
無遠慮ではあるが縁側観察してみる。
「……縁側の両サイドって本棚置けるのかー便利だなー」
「専ら兄の漫画置き場になってるけどね」
「……分かる。ここずっと明光が使ってたんだね……」
——縁側から見えるのは、バスケットゴール。
壁は……トス練、狙い撃ち…バレーボール自主練には欠かせないよね。
落ちてたバレーボールを能力で呼び寄せて軽くトスする。……文字が掠れているがよく手入れされている。
「よし」
沓脱石にクロックスがあるので、お借りしよう。
私は、縁側からピョンと降りてボールをついた。
ある地点に能力で丸を地面に5つ描いて、止まるトスの練習さ。
「せい」
ぱ、……と打って、落ちたところを確認後ボールを手元に。連続で五打。
結果2つ目だけが成功した。
あとは誤差数センチ。うん、飛雄の代わりは私にゃ無理だな。彼の方が10倍正確だ。
次はバスケットゴールにボールを入れる練習。
あ、もちろんバスケではないので、リングに当ててはダメです。スポッと網入りがベスト。
トスが割れないように練習ですね。
これが結構難しい。
10打中10打全入り。空間把握は得意なのである。
「…………」
「アッキーさーん、終わったー??3人座れそう?」
「お、おう!……多分オッケー」
「ほいほい」
縁側に戻りお茶を失礼。
——たしかに、単行本はある程度の法則の元隅に追いやられていた。こう見ると空島編って長いんだなー。
「……では本題」
「はい」
「すみませんでした……っ!!」
「おわ!?やめてやめて」
土下座をもらった。
まさか人生初の土下座、歳上から貰うとは。
この家に来てから初体験ばかりだな!
「ゆ、許しましょう。今後酔っ払って抱きつくことはやめるように」
「ははー!」
二人で謎のコントが始まってしまった。
「ちょっと?真面目にやってる?」
「「真面目真面目」」
いかんな、明光と居るとついふざけモードになってしまう。烏養コーチと一緒や。
事前にLINEでどこまで覚えているか確認したところ、なんと送り届けたところまでしか覚えていなかった。
好都合っちゃそうだけど、何だかなあ。
いやほんとマジでアッキーさんと飲むときは気をつけよう。
「兄ちゃんは外も半年くらい禁酒ね」
「そっ……そんな!?」
「え?良いよ良いよ、私といる時くらいは。職場ストレス溜まってるみたいだしね。……私も自衛するからさ」
明光はガッツポーズだ、何だこの大人かわいい。
「なんで宇内さんはそんな甘いの……」
「そりゃ世話ンなったし」
というと疑ぐりの目を向けられた。
ツッキーは若干まだ私が明光を好き疑惑向けてくるよね。もしそうだったらこの話し合いの場が意味を成さない事に気付いておられるか?
「……はぁ、前後不覚になるほど酔うのは流石に勘弁かな。禁止とまではいかないけどさ」
「その節は……申し訳ございません」
「良いって。明日からまた友人としてよろしくね」
「ういっす。あ、そうだ蛍。明日で思い出したけど、あれどう?一応毎日やってるし」
「……あぁ、まだ考え中」
「何?」
「もし良かったらウチのバレーチームと一緒に練習入んないかって誘ってんの」
「へえ、良いね。大人チームとの繋がりが町内会しか無いし羨ましがられそう」
「無理強いはしないけどね。気心が知れたチームと練習したいって気持ちはわかるし」
「それは一切ないから安心して」
「はは……」
3人でお茶を飲む。
「……美雪ちゃん、バレーやってたんだね。結構うまいし」
「あ……ちょっとだけかじってたよ」
そういえば明光には小学校からやってた事は伝えてなかったな。もちろん高校バレーのルールの師匠であることは間違いないんだけど、ちょっと罪悪感。
「美雪ちゃんもウチ見学来る?」
「あっはは、いいね。 明光が戦うところ見たい!でも私行くのは微妙じゃない?」
「あんま女性は居ないもんなー」
「まあせっかくお誘いいただいたし応援がてら一回は見てみようかな」
「イケメンいっぱい居るから楽しみにしてなよ」
「またまたー!君が一番イケメンさんですよー」
「「へへへ」」
高校生の試合時には見られなかった分しっかり見てみたい。明光のカッコいい姿期待してますよ。
「あ」
「?」
「……いやなんでもない」
「な、何だよ蛍!気になるじゃんか」
「……いや、ちょっとこの角度兄ちゃんが若干二重アゴに見えて…」
「!?!?そっそんなバカな」
「あーっ。明光、運動量たりてないんじゃないですか??」
「そっそんな事ないし!ちゃんと走ってるし!!」
「二日後の筋肉痛…」「ぐぬっ」
「去年より5キロの増加…」「みたの!?」
「高校生の時なら取れたボール…」「……」
「ベルトの穴が一つ、二つ……」「ヤメテ!」
「お、おおおまえら的確に抉ってくるのヤメろ!?」
明光君はなぜか縁側でプランクする事となった。
なぜでしょうねー。不思議ですねー。
「ご飯準備完了ー。……明光どうしたの?」
「母さん。兄ちゃんケーキ要らないってさ」
「え、本当??いいケーキなのに……あらそう…」
「僕食べるねー。ホラー、食べ盛りだしー。新陳代謝活発だしー」
「蛍!?……な、なんて腹の黒いやつだ!」
「宇内さん行こうか〜」
「そうだねー」
「ねえやっぱり俺のアゴさ、大丈夫だよね!?蛍の冗談だよね!?」