23.本選までの箸休め
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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月島君のお家に行くのは初めての事だった。
ご訪問のご連絡を行ったところ私が一人暮らしと伝わり是非一緒に晩御飯もどうぞと御誘い頂きました次第。
これは気合入れてお手土産を用意せねばと以前シュークリーム買った店に月島氏を誘ったところ、自分用のケーキを選ぶのに丸々10分掛かったのだった。
挙句明光用のケーキ、ヤツは第2希望のケーキを選択していた。どうすんだ奪うのか、弟君よ。
「ここ」
「……わ、純和風だ」
「そんな感動すること?」
「するよー。映画とかドラマでよく見るような“実家”ってカンジする」
「よくわかんない……虫入るから早く」
中に入ると、明光が出迎えてくれた。
よっと手をあげると上げ返してくれた。
「美雪ちゃんいらっしゃーい」
「明光。えーと、こんばんは&失礼しまーす」
「いらっしゃい久しぶり。美雪ちゃん」
「あ、お久しぶりです」
月島家のお母様とは実は面識がある。
何だっけ、明光の高校卒業式で軽く挨拶した程度だけどね。
……当時、天満が高2なのになぜ卒業式行ったって?
私その頃、関西の中学校進学決まっていたから明光の第二ボタンとか記念に貰えたらなぁなんて思ってたんだよね。
その頃は純粋ガールだったから…。
結局、式典帰りの明光の学ランにボタンは無く、私は辛うじて月島家族に挨拶はできたけど…まああんまり長居は出来ず走って帰宅。お家で大泣きしてそのまま関西へ大失恋敗走というわけでして。
…ホロ苦い思い出だ。
「こちら、皆さんでどうぞです。ケーキと葡萄ジュースです」
「あらあら!ありがとう!後でみんなで頂きましょ。……わ、フランス産」
葡萄ジュースは父の取引先からお歳暮で貰ったものだ。量が多く一人で開けるとすぐ酸化するという難物。…というわけで比較的大家族の月島家で使って頂きたいと持ってきたのだ。
「せっかくフランス産なのにワインじゃないのー??」
「明光!頂いたものにケチつけないの!」
「えーと、私個人としては明光さんには禁酒頂きたいのでノンアルをチョイスしました」
「…右に同じ」
「そうね……」
「手厳しい」
多分……これは家でもなんかやったな明光よ。
「荷物置いてくる」
月島君は二階に上がっていった。
「……じゃあご飯、準備できたら呼ぶわね」
「ご相伴に預かります。お手伝いは?」
「いいの良いの、お話したいでしょ。……はいお茶お盆に入れてあるから話していらっしゃい」
「あっ分かりました。ありがとうございます」
お母様はご丁寧にもお茶を人数分盆に入れて渡してくれた。私も二階に上がらせていただこう。
すると、月島君が降りてきた。
「どうしたの?」
「上暑かったから。宇内さん、比較的涼しいところ、こっち」
「ほおん」
「えー?蛍ー。縁側は俺の荷物置いてて汚いよー」
「片付けなよ」
「そーよ漫画とか実家に置かないで。売るか仙台持ってってよ」
「えー」
明光のヒエラルキー低めだなこの家。面白。
そんなこんなでお茶のお盆を持って縁側なる所に向かう。