22.春高予選は戦わない
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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「い、急げ急げ!!!」
バイト終わってすぐ新幹線に向かう私です!!ここの1本のロスが最終的に20分の着時間差になるんだ!!
閉まる時のサイレン、なんとか乗り込み待ちの列に紛れ込み成功。
降りる人の流れに当たっちゃうと、乗り込み不可になるんだよね!
こう、割り込むな的な空気に負けてさ!
「……ふー」
狙いの電車乗り込めた。
※駆け込み乗車は危険です。走らず早歩きで乗り込みましょう(?)
「(狭い)」
しかしこの乗車率。カバンと人に圧縮される…。
「狭えな、そっち行けや」
「はあ?無理なん見てわからんのかボゲェ」
「ウルセェな、ダマっとけや」
ピリついた車内ィ…向こうの方で小競り合いが聞こえる…。
私に言われている訳ではないのだが居心地悪い。車両変えたいけど動くのすら無理。みんな我慢してるのだから静かにしてくれ、余計に圧迫感増す…!
「…!」
車内アナウンスに集中していると思ったら体がクッと後ろにつっぱった。
そのまま一歩下がると、隙間のとこに入る事が出来た。呼吸ができるようになる。
ナイスなアシストをした人を振り返ると、ツリ目男性と目と合った。
ペコ、とお辞儀をすると頷いてくれた。おお…優しい人!
そのまま停車ブレーキが掛かり、そのまま大勢の人の慣性が自分にのし掛かって密着度アップ。
キ、キツイ…でもここ踏ん張らないとせっかく助けてくれた人に体重かけちゃう…申し訳ない…!
「……ええよ、そんな無理せんと そのまま寄っかかっとき」
「!」
その声に甘えた。しかし不思議なことにそれ以上倒れることはなく、停車。むしろ動いた人が元に戻る動きをしたため、空間に余裕ができた。
「……ありがとう、ございます」
「おん」
周りの人は扉が開くと同時にスルスルと器用に降りて、これまたリズムよく人が詰められていく。洗練された無駄のない動きだなあ。と変な感想を抱く。
ブツブツ文句言ってる人も、降りていきようやくホッと一息。
「足で突っ張らんと、つり革に身を任せた方がフラつかないんや ここ乗ってる人は慣れとるしな」
「へえ…。覚えておきます」
「君いっちゃん混んどる車両選んどんよ どんまい」
「……そーだったのですね、どーりて」
しかしこんな気持ちの入ってないどんまい言われたの初めてやな。
ともかく恩人には違いないので、お礼を言おう。
「ありがとうございました。電車の雰囲気が怖かったので、すごく助かりました」
「どういたしまして……空いたで、座っとき」
「えっ、や。申し訳ないです…!」
「え え か ら」
「はい」
優しさのおしが強い。
よく見ると、スマホゲームしてる男性(ちょっと座りたそう)をディフェンスしていた。
優しさは犠牲の上にしか成り立たない世界なのか…くっ…!
座らせていただいた。
「子供女子ご年配は出来る限り気遣うのがモットーや」
「それただ一般男性に厳しいだけでは……?」
「……優しくしたい人は、自分で決めるもんや」
「せやろか」
笑うところだろうか。ブロックされたお兄さんは、苦笑いしていた。ペコッとお礼すると目で黙礼を返された。あざす。
それから新大阪までの数駅、恩人男性改めしんすけさんと雑談。
兵庫県の人のようで、おばあちゃんのおつかいで来ていたようだ。
(ところで買い物のためにふらっと隣の県に行くとか……異文化世界に来たかのような気分。
何より隣県にワンコインでいける近畿すげえな)
「…次の駅やな。」
「ああ!ホントです。しんすけさんのお陰で楽しい時間、過ごせました。ありがとです」
「ええよええよ、気をつけて戻り、美雪さん」
「はい!」
うーんみどりの窓口混んでないといいなあ。