22.春高予選は戦わない
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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キョロキョロと見渡してもあの巨木は見当たらなかった。ざっと15人前後、流石にこの場に居ないとなれば不在なのだとわかった。
「……今回は牛島さん居ないんすね?」
「あ、前回牛島君は正式ユース所属選手として後輩指導の役割で居たんだよ。今回はその役割がMSBYになったカンジ」
古森さんの補足説明によって理解できた。
あらー、またお会いできるかとちょっと楽しみにしていたのに。
「……な、なるほど……そうだったのですね。唯一の同郷なのでちょっとさみしいです」
「そういうタイプじゃなさそうー」
「あはー……そんな事ないっすよー」
ペコっと頭を下げて監督のもとに寄る。
「……次は2コートでそれぞれ試合して、クールダウンね。締めてこ……メンバー、ボード」
「……はい。MSBYに一通り動き見てもらうのが目的ですから記載ない方も交代想定であっためておいて欲しいです」
「おーけぃー」
ふむふむ。青田買いかしら。ヘッドコーチとトレーナーの発言に何か大人の思惑を感じる昨今です。
あっと、お二人がこちらに気付いたので手を振ってご挨拶。
「手隙です。ありますか?」
「宇内さん、そうだ!……ちょっと動いて貰おうと思ってるけど。体力大丈夫かな」
「はい、構いませんよ。ボール拾いかモッパーです?」
「そんな感じ。ごめんね、今からみなベンチ入りするからちょっと足りてなくて」
「いえいえ。承知しました」
バッシュに履き替えないとな!
……選手らはチームとコミュニケーションを取りながらサインなどを決めている。
高校生バレーボールプレイヤー達、既にプロ意識できてきているんだなあ。
「シツレーしまーす。Bチームのボール拾い担当宇内美雪です!気張らせて頂きますのでどうぞお手柔らかによろしゅうお願いします〜」
『よろしくーー!!』
どっとMSBYからウケいれられた。やりぃ。
柔軟をして肩と股関節をほぐす。
こちらBチームの高校生チームは、ほぼ初対面。
推しの星海さんも向こうだし、超高校生級の井闥山ご両名も離れてしまった。
しかし侮るなかれ。こちらも臼利さん(狢坂S)をはじめとして中学の時から名だたるメンバーが勢揃い。
ディスプレイ越しに見てる人を生で見る機会ってそう無いよね。特に宮城だと……ハイ。
ウォームアップで結構な数が私側に流れてきたので能力と併用して、体を慣らしながら早くで送るように徹した。
そうそう、リトリバーの説明をさせて頂こう。
バレーボール公式試合では1試合で合計3個のボールを使う。リトリバーは予備ボールの管理、サーバーへの配給、場外ボール拾いなどを行い、なるべく試合中はどっかいったボールを待つ時間を減らす人です。
ネット横で背もたれなしの椅子に座ってる人ね。
リトリバーの説明しておいてアレだけど、今は公式試合でもなんでもないんで1個のボールを適当に選手に放ってるよ。椅子はないし適当にしてます。
試合開始。
高校生側がレシーブ。
いきなりMSBYのアウトサイドヒッターのサービスエース。
そんで私は……オーバーで上にあげて…
……うっし。ボールをちょっと速度を落としてキャッチ成功!そのままスロー。
次のサーブは、コースアウト!
高校生側得点。っつーか容赦ねえな、攻め攻めサーブ……当たり前か。
高校生チームが放ったボールはリベロが受け、そのままセッター→オポジット!
高校生ブロック成功、……いやMSBYのリバウンド選択だな。
トン、トン……とリズミカルに回された2回目の攻撃はオポジットの後ろにいたMSBYミドルブロッカーの攻撃!
…おぉ!受けた!!今のいいディグじゃない!?
美味しいチャンスを逃すまいと、丁寧なトスで整えた臼利さん。……っしゃああ!!プッシュが決まったあ!!
座ってゆっくり見たいなぁ……。
ボールが自分のところに流れてきたので、ローテがサーブに来る人にワンバンで渡した。
私は心の中で応援を送りつつ、ボールを目で追った。