22.春高予選は戦わない
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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(月島視点)
「にゃはぁーフラフラきもちぃいー…」
「……明日この人仕事だっけ……??」
千鳥足でヨロヨロ歩く兄を見て若干反省したかもしれない。しないかもしれない。
でも徳利1杯入れただけなのにな…よほど苦手なんだな。
兄の携帯が着信を知らせ、バイブレーションしだした。
ディスプレイには、[美雪ちゃん]と表示されていた。噂をすれば影がさす。
「……んんー。でんわ……」
「ハイハイどーぞ」
持つのも大変そうなので、スピーカーモードにして通話状態にした。
「やっほーアッキーでーすぅ〜」
≪もしも…あ、…明日にかけ直しまーす≫
「まってよぉー、今ちょうどー美雪ちゃんの話しててー…」
≪酔っ払い声大きい……えー??会社の人とかに個人情報流出させないでよねー。切らなくていいのー?≫
「だいじょぶーだいじょぶー!」
≪はぁ、だいたいキミお酒弱すぎよー。この前一緒に居酒屋行った時も、帰りグデングデンだったし!≫
「えー?そうだっけー?」
≪記憶失くすのタチが悪い…。ま、運ぶのは楽だったけどさ≫
「ん?どういう事?」
≪あ、いや気にしないで。……あとあの時の8千円建て替えの件だけど≫
「ああー、ゴメンね…返す返す……イテテ」
身内の恥に対してグリグリと足を踏む。
(多分)空輸してもらい、金まで借りたのかこの兄…ほんとダメだな……。
≪あと極め付き、抱きついてちゅー、アレはトラウマに≫
画面タップ。
僕は宇内さんとの通話を切った。
「あ!あの時は………あれ??」
「………今の何」
「あ。………えーと、いやあー……や、ぼんやりとしか。……蛍怖ッ……えーと、えっと。
……なんか色々すごい事をしてしまった気がする。詳細不明」
頭が一瞬真っ白になった。
宇内さんから再度着信が来た。
焦る兄を尻目に僕は出た。
≪あの?どしたの?≫
「……甲、宇内美雪様。乙、月島明光は当該の件取調べ中のため通話できません。ピーという音の後に10秒以内にご用件をお話しください。FAXの方は丙、月島蛍にメールでご連絡ください。ピー」
≪……!?!?居たの!?ちょ、まってまって。えーとえーと、今のは冗談です!!!嘘です!!!≫
「……乙が自白しました。甲の偽証罪成立のため、後日甲は丙のもとに出頭するように」
≪あああー…。いや、この短時間で自白する時間は絶対ない!!!……ゆ、誘導尋問だ……私は控訴する!!≫
「続きは法廷で。オヤスミー」
≪………おやすみ……≫
こっちはこれでok。
「……よーし、明日早いしもー撤退!じゃ、おやすみ!」
「はァ?逃げんの??」
「てへ☆ぺろ。………あ!」
「?」
「……まって、血の巡りが良くなって急に……吐き気が…!!」
「うん………そんじゃ兄ちゃん、オヤスミー」
「ね!ちょ、ちょっとまって蛍!!お願い!!エチケット袋持っ……」
次の日。
もう家で酒は飲みません。
父に土下座する兄を横目に朝練に行った。