21.場外バトル
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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電話の音がする。日向は意識が覚醒するのを感じた。
おれ?……じゃないな、誰だろ?
「武田先生、電話がかかって来ました」
「出ていいですよ。ただし寝ている方も居るので声は抑えめに」
「りょーかいでーす」
小声で会話が聞こえてきた。
日向は薄目を開けて、それが最前列…助手席からの美雪の声だと分かった。
「《……あ、お疲れ様です。はい、はい……牛島さんもご健勝とのこと何よりです……え、急ですね》」
「ウシジマ……?」
聞いたことある名前だ……なんだっけ、どこで……。
そうだ、白鳥沢!!牛島さんだ!!
「《あの話まだ途中でしたね、はい。大丈夫です》」
「……なんの話しているんだ……?」
「あ、影山も起きてたの」
「日向声落とせ、聞こえん」
「へいへい……」
変人コンビでコソコソ聞き耳をたてる。
「《…そういえば選んだシュノーケルはどうでした?…………なるほど、好評そうで何よりです》」
しかし日向は会話の内容がよく分からなかった。
しゅのうける?ってなんだべ。
「《水着ですね、任せてください。オシャレかつ機能的なの選んであげますよ!!》」
水着……?なんで牛島さんの水着を美雪が選ぶのだろう…。日向は謎の用事についてむぅと考え込んだ。
雑誌の取材を受けるような人は水着モデルとかもするのかな…?いやそんなバカな。
「なんだ…、牛島さんと練習とかしてんのか思った、じゃいいや」
「お前はブレねーな…影山」
「《はいっ!明後日ですね、……はい、そこです。こっちだとダイソーとかアウトレットがある所です》」
スポーツ店に行くようだ。メンバーと目的が謎すぎる。
確か美雪はそこの優待があって、バイクでもよく行ってた覚えがある。うーん気になる。
「《私は大丈夫ですよ。…では現地お昼10時に着く感じでいこうと思います。………はい、………はい。
それで大丈夫です。ではまた。はい、ありがとございますー》」
整理するとこうだ。
あさって、美雪と牛島さんが水着を買いに行く
場所は多分デポ、10時現地着。
ふむふむ。
「こっそりついて行こう」
「………オイ、自主練は良いのか」
「美雪ってしっかりしているように見えても結構うっかりな子だし。見とかないと……なんかよくわかんないウチに怪我悪化したりとか嫌だし」
「はぁ……?お前は美雪の親か何かか?……おいマジで行くんかお前」
日向が携帯にメモっていると影山に見咎められた。
「ついでに牛島さんの強さの秘密とか探ってくる次第でアリマス」
「…ならいい!」
「よか無いでしょ……変人コンビ……うるさい」
「………ほんとだよー、目ェ冴えちゃったよ……」
「あ、ごめん……なー、山口明後日暇?スポーツ用品店行かね?」
「んー??んー、いいけどぉー……ストーカーは手伝わないからね」
「違ぇーし。おれもシャツ買うついでだしー」
「マジで静かにしてくれよ……」
「ごめんツッキー」
「……あ、また電話だ……《はい、宇内でーす。
あ、かおりさん?はいーどうも!!……え、木兎さんから?いいですけど………》」
今度は木兎さんかあ。
美雪の携帯忙しいね。なんだろう。
「《………もしもし?……………あれ?もーしもーし?……切れてる?繋がってるなあ………木兎光太郎さーん!》………切れちゃった」
「あ、まただ。なんだったんだ?《……美雪です。どうされたんですか?……赤葦さん。……なるほど。電話で緊張して話せなくなってると………?
……木兎さーん、聞こえてますかー??また来月会いましょうねー、そのときは一緒にご飯食べながらでも話しましょうー。ではー》」
「………変なの。意外すぎて面白いわー」
美雪は電話を終えて、一息ついてた。
確かに木兎さんの変化は意外すぎた。あの人緊張で話せないとかあるのか。
無縁そうなのに………と日向は失礼な事を考えた。
「……青春してますね」
武田先生が美雪をからかっていた。
「あははー、自分がそういう当事者になるとは思いませんでした。じっくり考えてみまーす」
「僕は、牛島君よりは木兎君を応援します」
「ええー??そういう事言います?先生見たことないくらい悪い顔してますね……あんまりからかったりするのはやめて下さいねーっ」
「ふふふ、それはどうでしょう」
二人の楽しそうな声をBGMに日向はまた眠りに落ちていった。
美雪は放っておくと、どんどん知らない所に行ってしまうような怖さがある。
友人としてちゃんと動向を知っておかないと。
とんでもない事件を起こしてしまう前に。
「ふぁあ……」
「………」
影山はいびきをかいていた。