うーん、計算ミスはなさそう！
やっと終わりが見えてきた。BBQ開始前にはちゃんと終わりそう！
いやはや、宿題にならなくて本当に良かった。

「……なぁ、宇内サン」
「はい……？」

すると木兎さんに話しかけられた。
私は床で書き物ををしていた手を止めて、顔を上げると、しゃがんでまっすぐこちらを見た。何かな、木兎さんに呼び止められる用事なんかあったかな。

「何でしょう？」
「うん」

「……ん？」
「ちょ、ちょっとまって。……ふー」


「……好きです。俺と付き合ってくださーいっ！！」
「？？？」

ば、っと手を差し出された。
反射的に握った。

「え……？？隙？？……ん？」
私は最初、何を言われたか理解できずに、しばらく固まった。

「あっ」
やがて自分の手を見て何をしたか理解した。
……告白された！？しかもこれ了承のヤツじゃん！

遠くでボールが落ちる音、静寂。

「よっっしゃ……」
「あっいや……間違いで…あのっ、つい握って……えっとえっと、ごめ…」
「！？あー！！！！あーあーあー！！知らないーーッ聞こえない！！！」
「あの！！！間違えました！！！」
「聞こえない！！！」
「……往生際が悪いな！」


どどどどど！

「そこだー！！！」
「おいお前らー！！抑えろー！！！」
「痴漢だー！！！」
やがてワラワラワラーっと三年が集まってきた。
黒尾さんと、あと小見さんに猿杙さんが……木兎さんを抑えた。え、ちょ…過剰勢力じゃない？

「っちっげーし！！！ちょ、グエッ黒尾、重」
「確保ーーッ！！！」
そして容疑者？はグルグル簀巻きにされ、接見禁止と貼り紙がされてどこかへ運送されて行った。

「リンチだー！！」
「わっせ、ほいせ」
やがて見えなくなった。なんだあの団結力。
次いで梟谷マネージャーコンビ+木葉さんが私の所に走ってきた。

「美雪ちゃん！……平気？？ショック受けてないー？」
「え、ええ……ありがとうです。かおりさん、雪さん……何が何だか」
「大丈夫！？ショックで記憶障害なった！？」
「流石にそれは大丈夫です……あ、返事……しないと…追いかけ……」
「あ、……待って。それはごめんだけど後にしてね。……具体的にはバーベキュー終わってからねー？」
「？」
「今から木兎がサガられたら、ご飯が楽しく食えないから！！」
「園児の御守りが始まっちゃうもんねえー」
「な、なるほど…承知しました」

「木兎はウチの男子たちに守り固めて貰うからね。美雪ちゃんは安心してね」
「あ、はい」
「しばらくご辛抱を」
「ういっす」

本当に何だったんだろう。