ピッ

「旭さん、ナイッサァー！！」
いつも通り、大きな音を立ててビックサーバー東峰旭が、梟谷の小見さんのレシーブを乱した。

しかし安定の赤葦さん→木兎さん攻撃はスムーズ。
烏野2.5枚ブロックを弾いてブロックアウト。

…とまあ、結果だけを書けばいつも通りなのだが、今回は壁も間に合って惜しいところまで来ていた。

「アウトアウト！」
「ナイスジャッジー！」
中の西谷さんと声が被った。これで同点。良い調子な気がする。



「烏野攻撃チャンス！！行ったれ飛雄ーッ！」
「レフトー！」
こちらは飛雄→翔陽に繋いだ。

「カマせーっ！」
すると、普段と違ってフワッとした腕下ろし、つまりフェイントで攻撃を行った。

「！」
「！？」
「！日向が—フェイントォー！？」

「おっしゃあ！！さっすが翔陽！！」
私は笑いながら手元のスティックバルーンを叩いた。

自動書記で、ノートにも攻撃を記録。幸先いいなー！


「……！」
翔陽は我に返って、状況を確認……そして手応えを感じているようだった。
くるっと私の方に振り返ってグーサインをする。私も返礼した。

「フェイントだとーーっ！？」
「木兎さんが教えたんじゃないですか…」
「……」
梟谷チームは翔陽の指導者、木兎さんが詰められていた。
「反省してなくもない」


「お前アタマ使ったのか…？熱出るぞ…？」
「ホンッットお前にだけは言われたくねー！」

澤村さんは小競り合い中の変人コンビの二人を見ていう。
「—負けっぱなしのこの遠征…せめてこの合宿メンバー中最強の梟谷から1セット捥ぎ取って帰ろうや！」

「っしゃあーっ！！」
烏野は声を揃えて気合を新たに敵を見た。



「もう一点もやんねーぜ！！」
「一点もやらないのはムリだと思い」「赤葦たまにはノッてきて！！」
梟谷コントも見ものだった。

「赤葦さーん！！木兎さーんコンビー！！最高ー！！」
「お？見た見た？？遂にファンが」
「はいはい。良かったですね。ファンに恥ずかしいところ見せないようガンバって下さいね」