19.彼女の物語
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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(孤爪視点)
どうやら謎の催眠術のせいで、中の人(美雪)はおれがかけた暗示擬きを全力で遂行していた。
なまじ本人に超能力があるせいで、動きも思考もおれを結構子細にトレースしているようだった。
面白いな…どうしてそうなっちゃうんだろ。
投げたボールは念能力アシストで飛距離ブーストがかかって、トスも概ね指定人物に向かう。
…確かにコレで試合に出たら、反則級の強者になってしまうね。
対戦相手の森然もビックリだろう。最初は悪ふざけもあったけど、もう本人が起きるまでずっとこのままがいいな……。
今日暑いし、作戦組み立てだけで休めるならすごく嬉しい。
「セ、セッター?……に気をつけろー!」
「おー!!」
なんにせよ森然の狼狽えっぷりが笑える。女子が入っているんだもんねオカシイよね。
夜久さんがトスを上げて、美雪がツーでぽいっと下に落とした。
美雪は、相手コートを見て楽しそうに笑った。
「おれあんな感じに思われてるの……」
「あながち間違ってないよウン」
美雪はクロがハイタッチしてきたのをフイっと無視していた。クロはめげずに肩をバシバシ叩くも、手で虫を叩くように振り払った。
「あそこまでひどくない……です」
「そう……??」
猫又監督も美雪も、おれを勘違いしている。
あんなことクロにやったら絶対後が面倒だから。受け入れる方がラクなんだよ。
森然の戸惑いと、美雪が思ったより動ける子だったので勝ってしまった。
まあエキシビジョンみたいなもんだから、爽やかダッシュは免除かな。
ピ、ピー!!
試合終了の笛の音がすると、美雪はクタっと座り込んだ。近くにいたリエーフがしゃがみこんだ。
「熱中症!?大丈夫??」
「体温は正常……でも、寝かせておいた方がいいかな」
「谷地さん呼んでくる、研磨さん見ていて下さい」
「うん」
おれがパシパシとほっぺを軽く叩くと、ちょっと呻いた。
「美雪?」
「………ん、んん……けんま??」
鏡じゃなくなった。良かった。
「治ったね。……ポカリ飲める?」
「治った……?なんかダルいし……とりあえず飲む………」
「直前まで何してたか覚えてる?」
「んぐ、ぷはあー……。なんだろ、えっと……なんか催眠術の本読んでたら眠くなって……あれっなんでビブス着てるの!?!?」
「それはゴメン。悪ノリした」
「!?」
「ふふ……美雪って面白い子だね。さすが翔陽の友達」
「んん??ナニユエ。翔陽には負けるよ??」
「谷地さん連れてきました」
「美雪ちゃん??あれ?なんで音駒??」
「早かったね」
「ランドリーから召喚しましたー」
「そう。ねえ谷地さん、宇内さんたちの部屋案内してほしい」
「え………は、はいっワカリマシタ!!」
「行ってくるね」
「行ってらっしゃいです」