19.彼女の物語
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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明光は特に天満に対するわだかまりは無い。
だが、明光の弟にとっては自分を揺さぶった人間の一人だった。想像するにおそらく天満にも複雑な思いを抱いているのだろう。
鮮烈な、運動神経。
大きくないのに、目立つジャンプ。
バレーボールへの飢え、エースへの執着。
…まあコレだけ揃えば確かに似ているかも知れない。
本人も多少進路を決定づけた人として意識しているのもあるかもだけど。
天満に近い存在の、翔陽へも苦手意識があったんだな…。
あとさ、今更だけど親戚って言わなきゃよかったなあ……こんなん聞いたら、変に意識してしまうじゃないか。私、兄弟に間違われるくらいには顔似てるんだよなあ……。やっぱ整形してホンジュラスか……?
「清水先輩、美雪ちゃん、おやすみ」
「おやすみ、二人とも」
「おやすみなさい」
モヤモヤ考えている間に、消灯時間となった。
皆が寝静まるまで、暇だ。
——今まで考えないようにしていたこと。
私はこれから、何を成すか、何を成さないか。
まずは絶対条件、高校はちゃんと卒業して医学部に入る。両親と同じ土俵に立つ。
次にこの能力がなぜよりにもよって私が得てしまったか、何をきっかけにして形作るられたか理由を知る。
次に投薬等で抑える方法の調査。または次代に遺伝しないかの調査。
……これは他人に委ねられないから、自分で調べないといけない。
やらないこと、人の邪魔をしない事。
……志、心願、その他一切を歪ませかねない事ができるのに、なぜ私は夢希望の爆心地みたいな所に居るんだろうか?
すると、友人の……翔陽と明光の顔が思い浮かんだ。
やっぱり、楽しい時間はみんな一緒に過ごしたいなって思った。
仲良くなった、同級生の友達。尊敬する先輩。
彼らはバレーが好きだと言った。
それはきっと私が知るバレーとは違うんだと思った。
一度は捨てたソレに興味も湧いた。
……やがて眺める、私。
私は来年はどんな景色を見るのだろう。
みなの仲間に入ってしまっていいのだろうか?一度バレーボールから中退したようなヤツなのに。
——寝息が聞こえてきた。
……二人とも、おやすみ。
私は部屋を出て、飛び立った。
さっき、カプセルホテル見つかったんだよね。
…都会、終電もとうに終わり。
一人なのに迷子になったかのような闇い目をした現代人達の需要にマッチしている素敵施設。
……さっさと上昇しよう。寝る時間が短くなる。
あ、という声が聞こえた。驚いて振り返ると人がいた。
「しょーよ……!?」
「……美雪」
「!」
ば、っと振り返ると
翔陽が『私を見ていた』のだった。
「みつけた」
おれの勝ち、と笑った。