19.彼女の物語
お名前変換
設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
月島は部内と若干の溝を感じていた。
もちろん入部したからには、サボる気はない。
ただ定められた時間以上の無償労働は性に合わない、そう感じているだけだった。特に日向影山とか何を原動力であんなに常にエンジンフル稼働できるんだろうか?
…あえて周囲に合わせるのも処世術の手だが、そういう生き方は面倒極まりないので却下。
「(いわゆる空気の読めるタイプって周りにとって都合のいい奴を先回りして演じることに快感を覚えるタイプの変態でしょ)」
さっきの光景、イライラするし。
誰もいない大部屋で音楽を聴きながら体力回復に努める方が効率的だと考えている。
まさに今も、窓をぼーっと眺めていた。
「やあ」
「!!?」
ヒョコっと窓から覗き込んできた人物がいた。
……宇内さんだ。
バレー部に所属しているのに溝がある自分と違って、部員でもないのに割と馴染んでいる謎の人だ。
そんな人が窓の外で浮いていた。
月島はヘッドフォンを首にかけて、音楽を止めた。
「……なんでそんな大々的に使っているの」
「スクイズボトルが1本足りなくて、探し中。みんなまだ練習中で戻ってないかなーってココへコッソリ忍び込んだんよね」
「残念。僕が居た」
「まあ君ならいいやと思って、シツレーしまーす」
窓から乗り込んできた。靴履いてないし……。
大部屋が空室になる時間帯だと思って忍び込んだワケか。2人で探すと、床の間にあった。
「あるじゃん」
「うわ、何で…持ってく?」
「いい。失くして宮城帰るとかは無いって分かったから。犯人に名乗り出てもらい直々に洗わせよう」
「ふーん」
見つけることが目的だったらしい。
所で日向とのやり取り見てる時も思ったけど、この人面倒いタイプだ。
ただ間違いを教えるんじゃなくて、学んでもらうために敢えて課題を作って解かせるというか……いずれにしても面倒。
僕に余計な火の粉が降りかからなきゃそれでいいけど。
「じゃあ帰ろかな」
「そうしたら。誰が見てるか知らないし」
コン
「!!」
襖を触るような音がした。
まずい、んじゃないか?
宇内さんの方を振り返ると、唇を引きむすんで……やがて口を開いた。
「ごめ、ちょっと」
「え」
グイッと手を引かれて、僕は窓へ引っ張られた。
ヘッドフォンのコードが床下の機器で引っかかり畳に落ちた。
「あれ?話し声がしたと思ったんですが……」
武田先生の声が後ろから聞こえた。
「ともかく、電気付けっ放し……最後の人は消す!これはあとでお説教です!」
先ほどまで居た部屋の電気が消灯された。