18.殻を破れ
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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合宿2回目は、全員バスで移動です。
今回はきちんと遅刻も寝坊もせず集まれました。
また、私は昼をぐっすり寝たのでダイジョウブ。
助手席を希望して、滝ノ上さんと話す事にした。電気屋さんなので最新デバイス情報とか気になるよね。
補足説明。今回は森然高校へ出発する。滝ノ上さんは運転手としてボランティアしてくれたのだ。でも運転手は運転以外やれることが無いので、助手席は出来る限り携帯触らず楽しい話し相手になってあげるほうが眠気が防止され道中も気が滅入らないようだ。
「やっぱ滝ノ上さんも、イオン殲滅隊の一員ですか?」
「いや別に……イオン惣菜買うの超便利。あの某人が過激派なだけだよ」
「着々と弟子に思想を伝染させているんですが……じゃあ大手家電量販店は?」
「ヤマダさんな……アイツらはまあちょっと分が悪いなァ…」
「客層や営業戦略が違うからあんまり関係ないですか?」
「いやいやそんなことないよ。ヤマダの値札写メられて、この値段にしてくれはフツーにある!!」
「確か、あっちとは仕切値?が違うんですよねぇ」
「お!よく知ってるじゃん、大量発注と営業販売力が期待されて、メーカーにもめっちゃ強気で出られるから自分らが売りやすいように企画段階で口出してさ。大量に各店仕入れるから卸価格を他家電量販店より下げろとかするんだよな。しかも宣言通りいっぱい売るから、お客へ乗せる金額が小さくても利益出るし。めっちゃ店頭価格が安い!
一方ウチは、郊外のしかも商店街向けだから希望小売価格そのままなんだよな、売れる数が少ないから値引きなんてしたらタダのボランティアになっちまう」
「むてきのアマゾンさんとかのネットマーケットは?」
「個人の転売屋とか自動値下げBOT、せどらーとか変な敵が多過ぎるから、結局価格競争。あっちは無視だ。ちなみにウチでネット価格提示されたら『ネットは嘘もありますからねー実際は商品届かないとか、壊れても保証しないとかリスクありなんでえー値段が安いんですよねー、うちは永年保証ですよ』とか吹いて土俵降ろさせマス」
「ははあ、なるほど…勉強なります」
小売店ならではの知見だな。
値段しか見ない消費者は一旦切って、ネットとかに任せて……まあそれ以外自分と取引してくれる人を見つけるという感じで進めているんだよね。確か。
「滝ノ上さんは法人向けもやっているんですよね。烏野高校に取引ってあるんですか?」
「俺よく職員室とか蛍光灯卸すよ。あとはエアコン壊れたら室外機直したりな」
「へえ……じゃあ店頭の商品が売れなくても、積み上げ分があるんですねえ」
「そうだな。だからヤマダ電気とかは別に敵じゃねえな。つーかもっと手広いエリア持ちてえな」
それこそ飛び込み営業とか泥臭いことして、取引先にしてもらうのかなあ。
そう言う意味で言えば、我らのような学生と縁を結ぶのも将来につながる営業かな…いや滝ノ上さんはそんな腹黒くは無いはず……?
(〜脳内劇場〜
澤村部長(27)「いやあ、お久しぶりです。事務所のコーヒーメーカーが調子悪くて……学生の頃、滝ノ上さんお世話になったので……お取り扱いありますか?」
滝ノ上(35)「澤村くんお久しぶり。イイよイイよ!嬉しいからこれ安くする!ついでに痛んだ電化製品修理承るよ!!」
澤村部長「助かります。予算削られて困ってたんです」)
……ありそうだなあ。
「最近注目家電は?」
「自動掃除機。飛ぶ鳥を落とす勢いで、コードレスのシェアを奪ってる」
「スッゲエ…買おうかなウチも…」
「お、何興味ある??何階建て何平米?お見積もりしますよ!」
「めっちゃグイグイくる!?これ色々売り込まれるやつだ」
「ハハハ……」
バレー部における家電情報やメディア機器担当が滝ノ上さんになっているのだが、この下も上もあんまり関係ない人柄が烏養さんに評価されているんだろうな。
ご覧の通り話は結構盛り上がり、ワイワイ楽しくしながら埼玉に着いた。