18.殻を破れ
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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時刻は11:45。
だいたいご来場の方をさばき、手元のカウンターを確認する。確か来客者275名で…7割案内ってところか。
外国の方が2割で、英語はまあいけるが他の言語は大人たちに助けてもらいました。
はー……つっかれた。喉カラカラ。
苗字に田がつくデカイやつはどこだとか、一昨年なんかのベスト賞取ってた髪モサモサは居るかとか、海外の方はフツー下の名前で聞いてくるし。ちょっとしたクイズ大会ですな。
インカム大活躍。幸い私も周りも選手名鑑載ってりゃ割り出しはできますがね!
そんなにその選手名気になるなら事前にWEB見て自分で探し当ててくださいよね!!
「宇内休憩入りまーす」
『行ってらっしゃい〜』
「休憩室あっちね」
「はあい」
「キミ誰が来ても慌てないし使える子ね」
「卒業後就職どう?全国各地出張めっちゃあるけど」
「(JVAって超高学歴しか取らないの知ってますワシには無理です)ははは、考えときまーす」
スタッフさん達と別れる。
休憩室に入ると先客が弁当を掻き込んでいた。
…さっきキョロキョロしてた人だ。
「こんにちは、星海さん。休憩室選手も同じ部屋なんですね」
「おお?俺んこと知ってんのか?知名度あんのかぁ俺!?」
「近い!!……ですっ、全国的な知名度は知りませんが……存じ上げていますよ。長野が誇る一大ヒーローですよね」
「!!!??」
「初めまして。……近くで見ると…」
「!」
なぜかファイティンポーズを取られた。
「……星海さんの髪の毛、流星みたいで、綺麗ですね。お名前にピッタリの……凛々しいお星様です」
「!!!!」
「………?」
「………っ」
目を白黒させて固まったあと、星海さんはピューと逃げていった。は、早い。
「え」
星海さんがいたところに明らかに私物と思われる携帯電話が。やばい追いかけないと。
「ちょちょ、ケータイ忘れてますよ……!」
星海さんの行方を追いかける。
もちろん残念ながら男子の速さには到底敵わないので、速度ブーストを掛けさせていただきます。
ビョッ!!
足指の付け根で床を蹴るとき、反発する力を掛けると作用反作用の法則がより強くかかるという寸法だ。
これでスポーツ男子にもかーつ!!どうだ牛島さん!YDK!!
「ほーしうみーさーん」
数秒で流星頭を見つけた。呼びかけると、星海さんはピョッと飛び上がって速度をあげた。なんで!!
「その声…ま、まさか!?………ウワアアアアアア!!!!」
「まってえー」
星海さんは振り返ると、虫でも見たかのように全速力で逃げていた。
キュ、っとターンして会場の体育館に入って行った。追いかける。
「○δθΩζε!?!?」
「!?え…あ、逃げ足早!!あの星海がニンゲンを怖がってる……だと!?!?」
「ケイタイー!ワスレモノー!」
「…星海!!携帯だって!!」
「……………あ」
キッとシューズが音を立てて前方車両が急停止してくれた。合わせて私も能力解除。
「食堂に忘れたらダメじゃないですか。どーぞ」
「あ、あぁ……っじゃなくて!!オマエ危険人物だな!?無茶苦茶か!!」
「色々不可抗力ですって、怖くないですよ」
「誰が怖がってるってぇ!?」
「知りませんけど……では、私まだ休憩途中で昼飯食べるんで。じゃ!」
「……あ、……。ユース選抜ってスタッフも身体能力が一流なんだな……」
あとでその光景は牛島さんに見られていたらしく、賞賛とともに日課のハーフマラソン誘われた。勿論お断りです。