17.進化の時
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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戻ってきた翔陽は、ちょっとだけ気落ちした雰囲気だった。
「成田、日向と替われ」
「えっあっ、ハイ!」
どうやら、昨日同様後半は成田さんMBで行くらしい。
さっきの話し合いで何かあったのだろうか。
翔陽はやはり何かを考えこんでいるようで、黙って頷き試合を見ることにしたようだ。
それなら邪魔をするまい、私も翔陽に話しかけようとするのを辞めて、生川マネージャーの宮ノ下さんと一緒に調理場へ補助に向かうことにした。
「では、準備できたら呼びに行きます」
「行ってらっしゃい」
調理場でひたすら芋と人参の皮むきにいそしんでいた。
普段なら食券を買って生徒が購入して待つだけなのだが、今日は学校がお休みなのとバレー部員しかいないのでマネージャー各位が調理を担当している。
私は包丁を持ち、野菜を回転させる方法をとって程よく楽していた。
試しにやってみたけど面白いくらいきれいに剥けるなぁ。芋の出来上がりが超球体になるけど。
進行具合が良好なのでそのまま乱切りにしておこう。
「わ、早いね!じゃあ次はそれ煮込んでね~」
「はあい」
私が担当するのはポテトスープなので、だしを準備して沸騰させる。うーんいい香り。
前回と違って、とてもやさしい方が量やレシピを準備されていたので前のような能力パラダイスは不要。穏やかな感じだ。
具材を入れたら後は待つだけだった。
他のところへ冷やかしに行く。
「えっ、ごはんこれ何升?」
「さあ…5はあるんじゃないかな…見たことないね、この量」
一般女子的感覚だと、大丈夫?廃棄にならない?と心配になるレベルの量だ。
まあいいか、余っても西谷さんがなんとかしてくれるだろう。
サラダコーナーへ向かう。
「どーですか」
「うん、もう終わった。そういえば、烏野マネちゃんは3人も居るんだねえ」
「ああー…なんというか私は成り行きで…いや、まあそうかマネージャーかこれ」
「何言ってるの~面白い子~」
気づいたけど、もう他校から見たらマネージャーその3なんだな私って。
今となっては翔陽に搦手で作戦勝ちされたようでなんか癪だ。
けれど、入部はしてない。良いのか烏野よ、他校に不審者を紛れ込ませているぞ。
…いや、そういえば田中姐さんとアッキーさんもいたか。やべー学校だな不審者放流学校じゃん。
スープをとろ火にして、いったん食堂を出ると人とぶつかりそうになった。
「わ!隈すごいですよ?大丈夫ですか?」
「うあー…あり?ここトイレじゃなくて食堂??」
「あ、田中さんのお姉さん」
ちょうど通りがかったのか、田中お姉さんだった。確か冴子さんだったかな。
「初めまして。宇内美雪です、飛雄がお世話になりました」
「アタシは田中冴子……うだ……聞いたこと………アッ宇内!?ひょっとして、アイツの妹!?」
「あれ、この年齢層妙に兄弟が多いですね…?えっと、正確には親戚です、天満もお世話になってました?」
「あー、向こうはあんまり知らないと思う!でもそっかそっか、ちょっと似てるな!目の形とか!」
「えっそーですか?」
そういわれるとなんか気恥ずかしいな。
「後で、龍のチームメイトにカラみに行こうと思ってたんだよ!…ねーねー、龍どう?かっこいい?」
「田中さんですか…うーん、私話しかけようとすると若干避けるんですよね…?」
「そーなの?女子に紳士になれっていつも言ってるのに!!」
「紳士は紳士だと思いますよ!…前に服装とかほめてくれたりしてくれましたもの!」
「いや、フォローはいいよ!多分、家とあんまり変わんないだろうと予想ついた!」
そうかなあ、異性兄弟がいる人って基準が兄弟になりがちだから、
冴子さんよりも相当な美女でないと、多分恋愛対象にならないんじゃないかなあ。
そういう意味ではなかなかの壁だろう。がんばれ田中さん、応援してます田中さん。
「飛雄なかなか失礼な奴だと思うんですけど、ひどい発言とかなかったですか?」
「んんー???いや、こいつも面白いなーって思ったよ!
なんか別次元の生き物と異文化交流を果たした気分!なんなら一緒に崖を下った仲だしね!」
「ええ…?ひょっとして何かの映画撮影のスタントマンでもされましたか?」
「ここらのちょい悪カップルをシメただけだよ!」
うーん、これは凄女(せいじょ)マリア。
きっと世界に平和をもたらしたのだろう、彼は礎となったのでボロボロで東京に到着したのだな。
ちょっとツッコミが追い付かないから、あとで翔陽と飛雄を連れて話聞こうかな。
「美雪ちゃん、お料理できたので皆さんを呼んできてください~」
「あっはーい!行ってきます!」
「アタシも行く!」
冴子さんを連れて体育館に戻ることにした。