17.進化の時
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設定主人公: 宇内さん
性別:女
クラス:県立烏野高等学校 1年1組
好物:鶏肉の炭火焼き
最近の悩み事:宮城王国ではカード決済がだいたい使えないこと。さらに登校前と下校後、土日いずれも銀行が空いてないこと。
「小さな巨人」の親戚。運動は苦手。
特技は世話焼き、対年上の振る舞い、念動力の三つ。
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今までの試合と段違いだ。
──翔陽が縦横無尽に走り回り、相手選手はライトからボールがこちらに来ると錯覚する。
しかし旭さんの攻撃がさく裂し、翔陽側を警戒していた森然MB千鹿谷さんが食らいついたが、体勢を崩したせいで手を掠めた。
「っしゃああ!」
烏野が沸いた。
今日初めての勝利だった。
「9セット目にしてやっと初勝利か…初の罰なしだな」
「ハラへったー!」
「お疲れ様です」
タオルとスポドリを渡した。
「美雪見た!?さっきのやつ!」
「翔陽もおつかれ、見たよ、バシッと決めたね!さすが!」
「日向すごかったよ!」
「ありがと!」
飛雄と共に試合メンバーに復帰できた翔陽もニコニコ顔ではしゃいでいた。よかったね。
一方音駒vs生川はまだ試合が続いているようだ。
さっきの銀髪の人は長身を生かし生川の攻撃を防いでいた。
あれだけ大きければあんまり飛ばなくていいのか、うらやましいなそれ。
烏野選手は先ほどまでフライングの時間だったのだが、初めて俯瞰で別コートの試合が見ることができたようだった。
音駒のチームはゴールデンウィークから少々様変わりしたように見受けられた。私たちも進化しているが、それは向こうも同じというわけだ。
谷地さんが辺りを見渡していたので、声を掛けてみた。
「どーしたの?」
「…新しいタオル無くなっちゃった!」
「ああ、午後イチに洗って干してた。もう乾いているだろうから、回収一緒に行こ」
「そうだったの、じゃあついでに午後の分も洗っちゃおうかな」
「おっけー」
私は記録が落ち着いたので、谷地さんを連れて干した洗濯物を取り込みに出ることにした。
「セミの声がすごい」
「この時間帯はひぐらしかな」
「あー、そうかも。夏ですな」
「夏ですな」
「夏といえば」
「ええ?…流しそうめん!」
「流しそうめんいいわー。今超食べたい。氷いっぱい入れて食べたい」
「晩御飯は豚の生姜焼きデスヨ」
「真逆!」
謎の会話で盛り上がった。
「美雪ちゃんは私たちと一緒の部屋で寝るの?」
そういえばその問題があったなぁ。もちろんお願いしたら皆OKしてくれるだろうけど……合宿メンバーじゃないし私はお暇しようかしら?
「あ、やっぱり私は宮城に……」「こらっ美雪帰っちゃダメ!!!」
突然翔陽と飛雄が乱入してきた。ばれた。
言いたいことが顔に出ていたのか、二人は目を吊り上げて詰め寄ってきた。
「やっぱりな、お前すぐ帰るだろうと思った」
「今日は一緒!明日も一緒!!」
「え、ええ~~……合宿全日じゃん……今日はホテル取って明日朝一で帰るよ、新幹線で…」
「なんでよ!」
「…う、…えっと」
「何!」
「下着しか持ってないし、ホテルのルームウェア借りないと……パジャマとか着替え手に入れるタイミング無かったし」
「貸すべ!」
「おう!!」
「いやせめて女子がいいわ!!」
「おれんちはお高い柔軟剤使っているからいい匂いだよ!!」
「俺のは今治タオルのシャツだぞ!!!」
「君ら謎のアピール辞めて!!!ちょっと惹かれるじゃん!」
「あわわ…三人とも落ち着いて…」
ごうんごうんと洗濯機のBGMが鳴る中、騒がしい一年たちの喧騒は主将が様子見に来るまで続いた。