序章
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ある冬の夜、俺は鎹鴉からの鬼出現との任務を受けある村に向かった。
鬼が現れたという村に到着するとそこはむせるような血の臭いが充満し、村のいたる所に血痕と鬼に喰われた人間の残骸が転がっている。
あまりの酷さに顔をしかめながら生存者と鬼を探す。
気配を感じたのは村の少し奥に位置する家。
俺はその家に向かって走る。
家に着くと僅かだが音が聞こえ、その音が鳴る部屋へ足を進めると少年の悲痛な叫び声と共に骨が折れた様な鈍い音がした。
「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"！！！！」
その次にした音は少女の低い唸り声
音のする部屋へたどり着いた時俺は目の前の光景に目を疑う。
10歳前後だろうか、少女が低い唸り声をあげながら対峙している鬼の頚めがけて刀を振り
鬼の頚を断ち切った。
一瞬の出来事だったのだが俺にはコマ送りの様にゆっくり見えた。
少女はその場で糸が切れたように崩れ落ち、慌てて駆け寄ると「殺さないと。殺さないと。」と生気が無い顔で繰り返し呟き
俺が肩を揺すり声をかけ続け、少女は目線で周囲や自身の手を見てから俺の瞳《ﾒ》を薄目で見るとそのまま意識を失ったようだ。
カクンッと人形のように動かなくなった少女をそっと畳に寝かせ
辺りにあった少女の両親と兄と思われる亡骸を運び庭に埋め手を合わせた。
任務の報告を鎹鴉に任せ、少女を抱きあげこの村から去る。
幸い村から何キロか先に藤の花の家紋の家があり今晩はそちらに世話になろう。
2020.01.30
鬼が現れたという村に到着するとそこはむせるような血の臭いが充満し、村のいたる所に血痕と鬼に喰われた人間の残骸が転がっている。
あまりの酷さに顔をしかめながら生存者と鬼を探す。
気配を感じたのは村の少し奥に位置する家。
俺はその家に向かって走る。
家に着くと僅かだが音が聞こえ、その音が鳴る部屋へ足を進めると少年の悲痛な叫び声と共に骨が折れた様な鈍い音がした。
「あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"！！！！」
その次にした音は少女の低い唸り声
音のする部屋へたどり着いた時俺は目の前の光景に目を疑う。
10歳前後だろうか、少女が低い唸り声をあげながら対峙している鬼の頚めがけて刀を振り
鬼の頚を断ち切った。
一瞬の出来事だったのだが俺にはコマ送りの様にゆっくり見えた。
少女はその場で糸が切れたように崩れ落ち、慌てて駆け寄ると「殺さないと。殺さないと。」と生気が無い顔で繰り返し呟き
俺が肩を揺すり声をかけ続け、少女は目線で周囲や自身の手を見てから俺の瞳《ﾒ》を薄目で見るとそのまま意識を失ったようだ。
カクンッと人形のように動かなくなった少女をそっと畳に寝かせ
辺りにあった少女の両親と兄と思われる亡骸を運び庭に埋め手を合わせた。
任務の報告を鎹鴉に任せ、少女を抱きあげこの村から去る。
幸い村から何キロか先に藤の花の家紋の家があり今晩はそちらに世話になろう。
2020.01.30
