5つのクリスマスナイト
☆ジェダレイ
2学期の終わりを締めくくるハンドベルのコンサートも終わり、明日からは冬休み。
浮かれるクラスメイトに手を振って、色とりどりの装飾で賑やかな商店街を足早に通り過ぎる。
鳥居をくぐり、社務所の奥に構えた自宅で制服を脱げばもう、さっきまでのクリスマスムード一色の世の中が嘘のようだ。
年末年始を間近に控え、この時期の神社は忙しい。
だけど、世間の浮かれた空気とは縁遠いピンと身の引き締まるこの季節の空気も嫌いではないわ。
「おかえり」
社務所へ行くと、先に帰っていた彼がずいぶん作業を進めてくれていた。この様子なら今夜は早くに終わりそうね。
彼がここへ手伝いに来てくれてから、おじいちゃんと2人だけだった頃よりずっと賑やかになった。たった一人増えただけなのに…不思議なものね。
ふと窓の外を見上げると、はらはらと雪がちらつき始めていた。
「今夜は冷えるから、そろそろみんな休みなさい。」
おじいちゃんにそう促されて社務所を出ると、彼もいそいそと帰り支度をしてついてきた。
「レイ、待って!」
「なあに?」
「あの…これ」
「何か?」
「その…なんて言うか…お、お歳暮?」
突拍子もない言葉に思わず吹き出してしまったけれど、一生懸命考えてくれていたことが嬉しかった。
「笑うなよ!なんて言ったらいいか気を遣ったんだぞ!?」
「だって『お歳暮』って、ふふ、どんな気遣いよ。」
「わかんねーじゃん!だってココ神社だし!クリスマスとか言わないようになんて言うか考えてたんだぞ!」
「だからってお歳暮はないでしょ」
「じゃあなんて言って渡したらいいんだよ!?お年玉にはまだ早いだろ!?」
珍しく真っ赤になって、照れ隠しのように言い訳をまくしたてながら渡してくれた包のなかには、街の灯りを閉じ込めたみたいにキラキラのギフトが入っていた。
2学期の終わりを締めくくるハンドベルのコンサートも終わり、明日からは冬休み。
浮かれるクラスメイトに手を振って、色とりどりの装飾で賑やかな商店街を足早に通り過ぎる。
鳥居をくぐり、社務所の奥に構えた自宅で制服を脱げばもう、さっきまでのクリスマスムード一色の世の中が嘘のようだ。
年末年始を間近に控え、この時期の神社は忙しい。
だけど、世間の浮かれた空気とは縁遠いピンと身の引き締まるこの季節の空気も嫌いではないわ。
「おかえり」
社務所へ行くと、先に帰っていた彼がずいぶん作業を進めてくれていた。この様子なら今夜は早くに終わりそうね。
彼がここへ手伝いに来てくれてから、おじいちゃんと2人だけだった頃よりずっと賑やかになった。たった一人増えただけなのに…不思議なものね。
ふと窓の外を見上げると、はらはらと雪がちらつき始めていた。
「今夜は冷えるから、そろそろみんな休みなさい。」
おじいちゃんにそう促されて社務所を出ると、彼もいそいそと帰り支度をしてついてきた。
「レイ、待って!」
「なあに?」
「あの…これ」
「何か?」
「その…なんて言うか…お、お歳暮?」
突拍子もない言葉に思わず吹き出してしまったけれど、一生懸命考えてくれていたことが嬉しかった。
「笑うなよ!なんて言ったらいいか気を遣ったんだぞ!?」
「だって『お歳暮』って、ふふ、どんな気遣いよ。」
「わかんねーじゃん!だってココ神社だし!クリスマスとか言わないようになんて言うか考えてたんだぞ!」
「だからってお歳暮はないでしょ」
「じゃあなんて言って渡したらいいんだよ!?お年玉にはまだ早いだろ!?」
珍しく真っ赤になって、照れ隠しのように言い訳をまくしたてながら渡してくれた包のなかには、街の灯りを閉じ込めたみたいにキラキラのギフトが入っていた。