絶対ならなそうな酔い方で相方を困惑させるまもうさ四四
☆何故か覚醒する美奈子
四天王が次々と消えていくなか、それらをたしなめる事もなく見守るでもなく唯1人、恐ろしく静かな男がいた。クンツァイトである。
今夜は何か様子がおかしい。さっき亜美が新月がどうのとか言っていたがその影響なのだろうか。とにかく、皆いつもと違う状態になってしまうのだ。
「…不覚だ…」
周りには悟られぬようひたすら息を潜めていたようだが、そろそろ限界かもしれない。彼がこんなに酔うことなど初めてのこと。青白い顔をしてズルズルと上体を崩しはじめた。
「ねえ、ちょっとあんた大丈夫!?」
彼の不調にようやく気がついた美奈子――も、おそらく充分酔っているのだろう。ひとしきり騒いで声も掠れてきている。おそらく明日は二日酔いだ。
「…すまない。オレとしたことが…」
思うように身体が動かない彼を見て何を思ったか、「やだ、可愛い!」などと言いながら美奈子はテキパキとその場を片付け始めた。
「もう休んだ方がいいわよ。うさぎ!あとは衛さんと2人でごゆっくり!あたしたちももう寝るね!」
(コイツ、酔っぱらってる方がまともなんじゃないか…?)
ぼんやりとした頭でそんな事を思いながら、彼女に支えられるようにして自室へ戻る。部屋につくとそのままゴロンとベッドに倒れ込んだ。
キッチンではシャツ一枚のラフな格好になった美奈子がボトルの水を探している。薄暗い室内で冷蔵庫の淡い光に照らされた彼女の姿は、なんだか現代美術のようだった。
「ハイこれ、飲んでね。」
枕元にボトルを置いて、自分もベッドに上がった美奈子。今度は彼を楽な格好にさせてやろうとしているらしい。横たわっている彼の襟元に手をかけた。
落ちてくる長い髪を片方に掻き上げると、白い鎖骨が露わになる。シャツの裾から無防備に伸びた上腿は遠慮する事もなく彼の腹の上に乗っている。それもこれも、全部妙な刺激となっている事に彼女はちっとも気づいていない。
酔いのせいか指先が回らずボタンひとつ外すのに悪戦苦闘している彼女を見上げながら、ついにクンツァイトの中で何かが吹っ切れた。
「――きゃ!ちょっとなに…!」
グイッと彼女の身体を引き寄せて胸の中に獲りこむと、潰さないように気をつけながら起き上がる。
あっという間に彼女を組み敷いて、その顔はまるで捕食者のようだった。
四天王が次々と消えていくなか、それらをたしなめる事もなく見守るでもなく唯1人、恐ろしく静かな男がいた。クンツァイトである。
今夜は何か様子がおかしい。さっき亜美が新月がどうのとか言っていたがその影響なのだろうか。とにかく、皆いつもと違う状態になってしまうのだ。
「…不覚だ…」
周りには悟られぬようひたすら息を潜めていたようだが、そろそろ限界かもしれない。彼がこんなに酔うことなど初めてのこと。青白い顔をしてズルズルと上体を崩しはじめた。
「ねえ、ちょっとあんた大丈夫!?」
彼の不調にようやく気がついた美奈子――も、おそらく充分酔っているのだろう。ひとしきり騒いで声も掠れてきている。おそらく明日は二日酔いだ。
「…すまない。オレとしたことが…」
思うように身体が動かない彼を見て何を思ったか、「やだ、可愛い!」などと言いながら美奈子はテキパキとその場を片付け始めた。
「もう休んだ方がいいわよ。うさぎ!あとは衛さんと2人でごゆっくり!あたしたちももう寝るね!」
(コイツ、酔っぱらってる方がまともなんじゃないか…?)
ぼんやりとした頭でそんな事を思いながら、彼女に支えられるようにして自室へ戻る。部屋につくとそのままゴロンとベッドに倒れ込んだ。
キッチンではシャツ一枚のラフな格好になった美奈子がボトルの水を探している。薄暗い室内で冷蔵庫の淡い光に照らされた彼女の姿は、なんだか現代美術のようだった。
「ハイこれ、飲んでね。」
枕元にボトルを置いて、自分もベッドに上がった美奈子。今度は彼を楽な格好にさせてやろうとしているらしい。横たわっている彼の襟元に手をかけた。
落ちてくる長い髪を片方に掻き上げると、白い鎖骨が露わになる。シャツの裾から無防備に伸びた上腿は遠慮する事もなく彼の腹の上に乗っている。それもこれも、全部妙な刺激となっている事に彼女はちっとも気づいていない。
酔いのせいか指先が回らずボタンひとつ外すのに悪戦苦闘している彼女を見上げながら、ついにクンツァイトの中で何かが吹っ切れた。
「――きゃ!ちょっとなに…!」
グイッと彼女の身体を引き寄せて胸の中に獲りこむと、潰さないように気をつけながら起き上がる。
あっという間に彼女を組み敷いて、その顔はまるで捕食者のようだった。